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病的依存デスガール  作者: レーゼ
過剰な束縛
16/75

今日中に●●してあげる

日が暮れる頃、ナルガとレニーの2人は帰って行った。


それから間も無く、ジルを迎えに従者が1人屋敷へやってきた。

グリー卿の家はここに近いらしく、徒歩で帰るみたいだった。



『資産家令嬢の護衛が1人なのは心配だから』


と、ガイアはジルを途中まで送っていくことになった。

身分的にガイアの方が護衛が必要なんだけどなぁ。



「ついてきちゃったの?仕方ないなぁ・・・おいで、ブラック」


私は新しく家族になった子犬の名前を小声で呼ぶ。

でも、さっき名付けられたばかりだからか、自分の名前がわかってないらしい。きょとんとしている。可愛いな~と思いつつも急いでいるので、私はブラックを抱きあげた。



私は今、ジルとガイアを尾行中だった。

ブラックがついてきてしまったのは誤算だったんだけど、邪魔をしなければ問題ない。


「鳴かないでね」

ばれちゃうから。人差し指を口にあてると、またきょとんとした顔をする。

私の言葉の意味を理解してないんだろうな。可愛いから許してあげよう。


2人は和やかなムード。ガイアが気をつかってあげているんだ。

迎えに来た従者は、数歩離れて歩いている。


不意に2人が立ち止まった。


従者が何か言ってる。なんていったかは聞き取れないけど、男はガイアに頭をさげて去ってしまった。2人きりにするなんて、色々な意味でガイアが危ないじゃない!


ジルは何か話しはじめた。顔を夕日のごとく真っ赤にしている。

ガイアは真剣な面持ちでそれをきいている。











刹那、2人の影が重なった。








影が少しの間重なって。

ゆっくりと、離れた。



あ、れ?



今、ナニシタ?


2人の顔と顔が近付いた。


後ろからだとよくみえなかった。

でも、何をしたかは、わかった。わかってしまった。


その行動を理解、りかいした。


ああ、あれは、口づけ。キスです。



「ぁぁぁっ」


頭の中はいっきにぐちゃぐちゃになる。

なんで!?なんで⁉なんでなんでなんでなんで‼‼

フラッシュバックするその光景。


脳が受け付けない。


ガイアの唇に彼奴の唇が触れた。

消毒しなきゃ‼汚染されてしまう‼キタナイ‼


どうしよう‼最初にすることは、まず最初は⁉

消毒!?違う、それは。それも大事なことだけどもっと大事なことがある。


混乱した頭を整理すべく、ブラックを地面に置いた。

ブラックは予想通りに2人のもとへ走る。自分を拾ってくれたガイアに、ブラックはすっかり懐いているから。

気持ちの悪い悲鳴が聞こえたから耳を塞いだ。



「あの女、ウザいなぁ、不快だなぁ、邪魔だなぁ、消えて欲しいなぁ・・・どうしよっかなぁ」


思考巡回。ふいに、気づいた。


そっか、そうしたらよかったんだ?


最初から殺っとけばよかったんだ。


無意味な殺人じゃない‼罪になんか問われない、だって、


「悪いのはあっちだよね?」


これは純粋な怒りなんだ。

愛をする人を汚されて黙っているわけにはいかないでしょう?


そうと決まればはやい。戸惑いなんてこれっぽっちもない。


邪魔者(ジル)

今日中に消してあげる。






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