二日酔いに効く薬
ガイア→メアリー視点に変わります。
「おはよう」
「はやいな、ガイア。まだ4時半だぞ」
ナルガが目をこすりながら居間にはいってきた。その背後にレニーもいる。
俺の足音でおきてしまったのだろうか。だとしたら申し訳ない。
「ジルは?」「まだ寝てるんだろ」
「そっか・・・散歩にでもいくか?」
俺が提案すると、ナルガは首を横にふった。
「散歩って気分じゃねえんだ。二日酔いしたかな」
「二日酔いに効く薬なら、アンマリーが持ってると思うぞ?あの人、結構飲むから」
「んじゃ、アンマリーちゃんが起きたらきいてみる」
「ナルガがいかないんだったら、2人でいこ?散歩」
レニーが俺の手をとった。
ナルガが顔をしかめたが、きにしないでおこう。
レニーは前を、鼻歌を歌いながら歩いていく。
どこかで聞いたことのある歌だった。
「あ」
突然レニーが立ち止まる。
「?」
「ガイアさん、あれ」
レニーの指差す方向には、・・・・・・・黒い布?
布が、うごめいていた。かけよってその布をはいでみた。
そこには、
天使がいなさった。
生後まもない子犬、犬種はわからない(多分雑種)。
やせていて、体のところどころにカラスか何かの鳥にやられたであろうキズ。
「野良犬?」
「多分」
レニーが子犬を抱き上げる。うらやましい。
「この子、このままじゃ死んじゃうんじゃ」
「よし、つれて帰ろう(キリッ」
こんな天使を見殺しなんて出来ない!!!
このうるうるした瞳、たれた耳・・・・・可愛すぎるだろ!?
若干キャラが崩壊しているがきにしないでほしい。
「そうと決まればレニー!早く帰るぞ!」
「はい!!」
サンドイッチを食べ終わった頃、ジルが居間に姿をみせた。
「メアリーさんおはよ~」
「おはようございます、昨晩はよく眠れましたか?」
「うーん、ベッドがふかふかすぎて逆に落ち着かなかったかも」
ジルは誉めているのか皮肉なのか、どちらにせよ不敬にあたる言葉を発し苦笑した。
アンマリーが「申し訳ございません」と頭を下げる。
アンマリーが布団やシーツを用意したようだ。
「家のと違って柔らかくて。素材がいいのを使ってるんだなって・・・ただ、普段使ってる物と違うから違和感があったというか」
「ご自分にスナオなんですね」
嫌味を言ってみた。
「気を悪くした?ガイアに言われるの、私とレニーは正直すぎるって」
嫌味+皮肉で返された・・・・。
「そうですか。アンマリー、彼女の朝食をここへ」
アンマリーは頷いて、朝食を運んでくる。
「そーいえばガイアは?」
「ごめんなさい、私も知らないんです」
なんで私がこいつに謝らなきゃなんないの、もう。
「でかけたってこと?」
「さあ」
ジルの眉がややつりあがる。
ああ、この女は苦手。絶対に好けないタイプ。
ガイアに近づいて汚い目でガイアのこと見つめてる時点で死んで欲しいレベルに嫌い。殺してもいいかって感じ。根本的にかみ合わない。
・・・・・・こんなヤツにガイアは絶対渡さないんだから。