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病的依存デスガール  作者: レーゼ
過剰な束縛
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人生の歪んだきっかけ


「メアリー‼お誕生日おめでとう‼」

「ガイア、覚えててくれたの!? 今お父様いないから、入ってきてよ」


メアリーの誕生日。

公爵家程の令嬢の誕生日なら普通は、

自国の王や他の貴族も招いて盛大に祝うものだ。

けれど、メアリーの誕生パーティーは開かれなかった。


幼女嗜好(ロリコン)で娘を溺愛していた公爵は、メアリーが自分以外の男に触れられるのを嫌がった。

無論、俺のことも、公爵は疎ましがった。

世間体の為、婚約破棄はしなかったものの、滅多にメアリーとあわせてくれなかった。


「メアリーにプレゼントがあるんだ。はい、これ」

「えっ・・・わあっ」


あの日、俺が贈ったのは一輪の花。

メアリーの誕生花でもあるブーゲンビリアだった。

メアリーはすごく喜んでくれた。公爵が帰宅するまで夢中であそんだ。


「あ、お父様が帰ってきたみたい。馬の蹄の音がするもの」


メアリーの言葉通り、公爵が姿を現す。

「メアリー‼メアリーはおるか⁉」


メアリーは名残惜しそうに、別れを告げる。

俺はまだ遊びたかったけど、しぶしぶ屋敷に帰った。


その頃、なにが起こっていたかなんて、知るはずもなく。




その日、隣国に用があってウェネフィー婦人はでかけていた。


隣国にいくには、その境にそびえる山の麓の村をとおらなければならない。

ウェネフィー婦人とその一行はその村にさしかかったところで、山賊の襲撃をうけた。

婦人の連れていた従者、用心棒、使用人はあわせて10人程。

山賊は30人にものぼった。


 山賊はかけつけた警備兵達に捕らえられ全員処刑された。

が、婦人は一命はとりとめたものの、歩けない体になってしまった。

婦人は外出するのが大好きだった。それができなくなってしまった。

婦人は外出できなくなったストレスを、メアリーにむけるようになった。


 羨ましくなったのだ。

足が動き、歩いたり走ったりできる我が子が。

皆に愛される、可愛くて聞き分けのいい我が子が。

夫の寵愛を受ける、天真爛漫な我が子が。

羨ましくて、妬ましくて、憎らしくなったのだ。


 メアリーは母親から冷たい目でみられ、父親からは異常な愛を受け、幼少期を過ごした。

 婦人はメアリーのことを、最早愛おしい娘とは思っていなかった。

婦人にとってメアリーは、夫の関心を奪う憎い女だった。

 公爵も、メアリーのことを娘とは思っていなかった。

公爵にとってメアリーは、自分好みの可愛い女だった。


婦人はメアリーが外に出られることが憎かった。

公爵はメアリーがずっと自分の傍にいることを望んだ。


メアリーは屋敷に閉じこめられることになった。

婚約者の俺さえも滅多にあわせてもらえない。


メアリーも内心屋敷が窮屈だと思っていたのだろう。











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