小話 転生補正?
月は二話の後に移行しました。
今回のお話は短いです。そして、本編を打ち壊す勢いでのコメディーです…アーロンも出てきません。
ご、ごめんなさい(・_・、)
目の前の料理を食べながら、前世の知識ってたいして役に立ってないよなぁと改めて思った。
私、レイラには前世の記憶がある。
記憶一番残っているのは女子高生の頃だったから、若くして亡くなってしまったんだろう。残念ながら前世の記憶といっても曖昧なもので、よく見ていた漫画が断片的に思い出せたり、自分の姿が思い出せたりするだけで、家族のことや友人の事は思い出せない。転生しても思い出して悲しくならないように補正なんだろうか。有り難いような悲しいような微妙な気分だ。
それと、もう一つ、補正らしきものがある。
いくら頑張っても思い出せないのだ。使えそうな記憶が。
使えそう、というのは所謂内政チートだとかそういった知識。車が走っていたのは覚えている。電気だって通っていた。だけど仕組みが思い出せない。電気の仕組みなんて中学校で習ったのに! これがあればかなり楽になるとおもうのに!!
……それに、ちゃんと覚えていればアーロンの助けになれるのに。なんてね。
テーブルの料理をぱくりと口に入れた。私が記憶を取り戻す前から既に流通しているお米である。とても美味しい。醤油も味噌も昆布だしももう流通しているので本当に私は前世で言われている内政チートなんて出来ていないのだ。
……ただ、ひとつだけ。発明したものがある。
私はそっと手を伸ばし、ソレを掴む。
カリッという食感。薄く切ってから揚げられたソレは―――前世では庶民の強い味方であらせられたポテチ様である。
…………ざ、残念なのは分かっている!
しかし。前世でいう女子力のなかった私はその他の料理なんて作れても覚えている訳がない!! ポテチぐらいしか! 食べたかったんだ。お米も、お味噌もあって満足していた私はポテチが一番食べたかったんだ。
ちなみに、今世ではこれは寝転がってぼりぼり食べるものではなく、とてもお洒落な料理として広がっていたりする。
社交界、煌びやかな装飾に、艶やかなドレス、白いテーブルクロスに並ぶ食欲のそそられる料理の数々……の中にポテチがドンと……。
紳士淑女の皆様は「まぁ」や、「可愛らしいわ」などといっているが前世の現状をしっている私としてはもう腹筋いたいとしか言えない。
しかも、サラダにトッピングとか無駄にお洒落な使い方されたり……なんか世界違うなぁと改めて思った瞬間である。
本当にこんな出来でごめんなさい……。
明日は私的に糖分高めのお話を投稿しますので!(泣)