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なんで裸なんですかっ!?

 タイムマシーン。


 と聞いてどのようなものをイメージするだろうか。


 大きなカプセル状の機械。

 宇宙船のような巨大な乗り物。


 これはそのような仰々しいものではない。


 2074年、現在。

 父である秋山螢が作ったタイムマシーンがこれだ。


 私は父の机から小さな腕時計を手に取った。


 設定するのは時間だけではなく、西暦。

 このタイムマシーンを実際に使用するのはこれが初めてではある。

 もしかしたら失敗するかもしれない。

 そうなったら、それでいい。

 名前もない私に死の恐怖もない。


 これは私の自分探しの旅でもある。


 『2004年 7月30日 午後4時30分』


 西暦と時刻をセットしスタートの赤いボタンを押した。


 そして、押した瞬間すぐに気が付いた。


「間違えた」


 行くべき時代は2014年。

 10年さらに過去の設定。


 だが、もう遅い。

 時間移動は始まってしまった。


 時計を中心に空間がグニャリと歪み、

 私は2074年の世界から消えた。



 洗濯機に入れられたことはないが、おそらく洗濯物はこんな気持ちなんだろうという気分を数十秒味わった後、時間移動の旅は終わりを告げた。


「無事、着いたみたいですね」


 おそらくここが2004年の世界。

 時刻は午後16時半ごろのはずだ。


 辺りはオレンジの夕方空に覆われている。

 場所は……河原というところだろうか。 


 さて、どうするか。

 来る時代を間違えてしまった以上、ここに留まる必要はないのだが、

 別段急ぐ旅でもない。


「まぁ、ちょっこらブラブラしますか」


 正直なところ研究所の外は勿論初めてだったので、

 私は少しウキウキしていた。


 さて、探検しますか!


 と大きく伸びをした瞬間視線を感じた。


 子供だった。

 小学生くらいの少年。


 間抜け面の馬面。


 顔を真っ赤にして私を凝視している。

 ランドセルを背負っているので小学生だろう。

 時刻的に学校帰りというところか。

 

「な、な、な、ななな」


「ん?」


 何語だろう? 理解ができない。

 ここは日本だと思ったのだが。


「なんで裸なんですかっ!?」


「忘れてました」


 少年の絶叫で自分が裸だということを思い出した。


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