おかしい
いままで頑張ってきた事を卑下することなんて無いよ。堂々としてていい。猫背のままでも、びくつきながらでも、心の中で「よくがんばってきた」と自分で自分に言えばいい。そのときもしも成果が不味ければ「おかしい」と伝えよう。違うものは違うし、おかしいものはおかしいんだ。再計算して再構築して目の前に具現化しよう。おかしい。だからこそ、しっかり明確にビジョンを思い浮かべて見るんだ。そのとおりになる。
まじめに生きている
他人に迷惑かけてない
今日も頑張った
ちょっとかもだけど成果だって現れたし
なんといっても手応えがある
だけど「そんなんじゃない」って言われた
それは「まだまだだよ」ってことらしくて
いつか「きっとかなう。だからもっと、もっと、もっとだガンバレ」
って
いやだ
そんなのいやだ
どんなに小さくて些細な結果に終わろうと
ぼくは ぼくの 味方でいる
もっともっともっとだなんて先のことより
いまだ いまだ いまこの瞬間この失敗まみれの いまこそ
が
うん
絶賛しよう
しておこう
しておかないと
ほら
誰も気づいてくれなかった
誰も納得してくれないし
誰も残念そうな顔
だけど
この瞬間この小さくて些細な喜びが
いまたしかにここにある
ある
ある
ある
「あった」
ある
ある
ある
「あった」
思い出すのはコマギレの美しい記憶のカケラたち
どこかでなにかを間違えてしまっていたんだとしても
ある
ある
ある
いまもここにある
なおもあり続けている
この気持ちの行く先を
やっぱり届けたい
正直になろうとすればするほど
ばか丁寧な言葉に翻訳しなおして
あたりさわりないように
って
生きてきた
けど
おかしい
おかしい
おかしいな
おかしいや
おかしいよ
だってそうだろ
だって おかしいものは おかしいじゃないか
効いている
効いている
わずかばかりの攻撃で
ささやかすぎる抵抗でも
聴いている
聴いている
聴いている
あきらかになにかが変わりつつあることの証明
崩れはじめた音
壊そうとして壊れなかった
破こうとして破けなかった
壁も手紙も
かたちのない夢も
蜃気楼だろう
蜃気楼なのさ
蜃気楼なんだから
かたちのないものが崩れ始めた音
って なに?
ぼくには大きく聞こえた
叫びのように崩れる
叫びながら流れ
叫んでいた
なにも言えずに
無言で見あげた夜空に
脳内再生リストは
ぼくが好きな歌ばかり
まちがえて覚えてても
ところどころとんでも
歌いたい
唄いたい
謳いたい
詠いたい
なにものでもなく
ここにいる
この全身全霊ありったけを
どうか
どうか
どうか
と
願いなの?
祈りなの?
区別なんかできるわけないよ
切なる気持ちは誰かと摩擦を起こすだけ
とりあえずなんとか乗り越えて
その先は乗り越えてからでいい
から
ねえ 気づいてる
ねえ わかってる
ねえ 気づいてて
ねえ わかってて
そのまま
このまま
あのまま
ねえ 気づいてる
ねえ わかってる
ねえ 気づいてて
ねえ わかってて
そのまま
このまま
あのまま
でいいのかよ
おかしい
おかしいよ
おかしいんだ
やっぱり
違う
やりなおせよ
やりなおそう
やりなおせよ
脳は優れたコンピュータというけれど
おまえが主導権を握るんじゃない
いかに優れたコンピュータとして
とびきりのプランを導いたとしても
魂が主役だ
なにかがおかしい
いまこの現状
なにかがおかしい
いまこの待遇
なにもかも
なにもかも
ありとあらゆるものがヘンに思える
だからこそ
やりなおそう
計算は得意だろ
根回しなんてお手のもの
繰り返す実験も億単位その回数に制限ないし
かかる時間は一瞬
やりなおしだ
やりなおせよ
こんなのヘン
おかしい
おかしい
おかしい
おかしいよ
ちゃんと魂に成果の味わいを与えてください
なんのための努力
なんのための頑張り
つっぱりぬいて
耐え抜いたさきの
この静寂と孤独が広がる亜空間
ちびちびと
ちまちまと
変化は微細すぎて些細過ぎる
けど
如実に現れている
確実に
堅実に
どうしようもなくバカでいい
狂った世界で狂うなら正気を取り戻せるかもしれないぞ
踊った世界で緩むなら勝機を掴み取れるかもしれないから
一歩
まずは一歩
ほんの一歩でいい
言葉が
「あ」
と
ひとことだけしか言えなくても
いまは
いいか
いいや
いいさ
必ずスピードが加速して宇宙を体感できるようになるから
おかしいものは、おかしい。さ。プランから、やりなおしだ。たのんだよ、おれ。おれの明晰なる頭脳よ。再計算の時間だ。再構築の一歩だ。さっそく、はじめよう。