監視
私はこれを小説とかよりも日記に近いものとして書いていこうと思う。もちろんこれは私の実体験であり、今もこの病と戦っている。
朝、目が覚めるといつも視界には目が写っていた。その目というのはよく私の視界に現れて、じっと見つめてくる。そしてたまにギョロと動いて消えるのを繰り返す。私はベットから体を引きずって1階への階段を降りた。1階のテーブルにはパンケーキが用意されてあって、ナイフとフォークが並んでいた。家には私と目しかいなかった。ナイフとフォークを手に取ると後ろから声がした。
「フォークの持ち方がおかしいぞ。何をしている。」
私は何度もフォークを持ち直したがその人はしつこく注意してきた。
「何が違うの?どこが違うの?」
私は尋ねたが応答はない。
「よく見るんだ。ナイフも汚れている、誰かが使ったものだ。」
その人に言われ続けて私はパンケーキを食べることをやめた。
私は2階へ階段をかけ登り、宿題を解こうと椅子に座った。宿題である中原中也のサーカスを読もうとしたが字が私から逃げ出してしまった。その字はコロコロと動き回って読もうと思っても読むことが出来ない。気がつくと教科書にある目は私を見てその光景を笑っていた。もう眠いから今日は寝よう。