第1話 月夜りの宿
「はぁー。あれから2年と7ヶ月かよ!」
ボロい宿屋の一室にあるベットに寝転びながら、身体の包帯を巻き直し、記録式クリスタルをポケットから取り出してた。
人差し指でクリスタルに触れた途端、ホログラムのようにクリスタルから写し出された、俺と白銀の髪をもつ女性と手を繋いで夕焼けをバックに撮られた写真を、じっと観ていた。
「全くどこ行ったんだよ。メル…」
小さな声で呟きながら彼女の姿を人差し指でつっくいていると階段から誰か上がってくる足音が聞こえてきた。
ギィィギィィギィィギィィギィィ
コンコンコン
ノックが3回か、やっとここがトイレじゃないと分かったようだな。あいつ…
「ほら! 早くした来なさいよね! 変態冒険者」
ちゃんとノックをするこの娘は、ここのボロ宿 月夜りの店主 ピコットさんの一人娘だ。
冒険者駆け出しの頃から、お世話になっている。
「へいへい。まだ根に持ってるのか、ルシアナ」
「うるさい!」
昨日宿の手伝いを女将さん ルルカさんに頼まれて洗濯をしていたのだが、彼女の下着を俺は無意識にじっと見つめながら、彼女の下着姿想像していた俺は彼女にその現場を目撃されてしまった。
結果、彼女の得意とする火属性の魔法によって全身火傷を負った。
「もういい加減許してあげたら? ルースくんだって思春期真っ逆さまなんですから」
朝食を並べながら彼女を説得しているこの人は女将のルルカさん。毎日朝夜と美味しいご飯を作ってくれる優しい人だ。
「今度やったら、この宿から追い出すからな!ルース」
コーヒーをカウンターで飲みながら説教してきたのは、月夜の店主 ピコットさんだ。娘思いでいい人で俺の師匠でもありベテラン冒険者でもある。
「まぁまぁ、あなたたら冗談を…」
ルルカさんの怒りの表情を観たのかピコットさんはそれから何も言わなくなってしまった。
この2人なんで結婚したんだ?と聞きたいぐらい良く夫婦喧嘩する。
大抵、ルルカさんが勝つのだが…
「いや、ちょうど良かったかもしれないけど…」
「え?! まさか! この宿からでていくの?」
口に運ぼうとしていたスープ入りのスプーンを、急に止め、足を机の下に当てながら、ルシアナが昨日のことを忘れたかのように俺の腕に体を寄せて聞いてきた。
うん。ピコットさんの視線が痛い…。
「ああ、ここでやれることは大体やったからなぁ。それにメルとの約束もあるからな」
ここから始まります。
一応主人公 ルースは18才辺りになっています。
ルースは過去の記憶を失い2年と7ヶ月以前の記憶がありません。
この世界では、15歳からの冒険者になることが出来るのですが、ルースは遅れて5ヶ月は実家にいました。
という設定です。
ここで話すなし!やけどなw




