第15話 転移?
目を覚ますと、俺は1階の部屋にあるベッドで寝ていたようだった。
今までのは一体なんだったんだ…。
あれが記憶の断片に過ぎないと言うのか?
起き上がろうとすると、何かが俺の腹を固定して動けない。布団をめくるとそこにはTシャツのような服で気持ちよさそうに寝ているメルがそこにはいた。
どっから持ってきたんだそのパジャマ。
参ったな…。思ったよりメルの力つぇ〜。
魔人は人よりも魔力の量が多く、力は人よりも何十倍も強いと言う。そのおかげでメルが手を離さない限りここから出られないというわけだ。
くしゅん……
ん? 今のはメルか?
あ、布団戻してなかったわ。
布団を戻そうとすると、俺を固定していた力が弱まりメルが眠そうな表情で目をかいていた。
「おはよ。起こしてしまったか」
「違うよ〜。本能が起きちゃったからかなぁ」
窓を見ると月が丁度真上あたりにあり、その周りはいくつもの星々に囲まれていた。
ずっと窓の外を眺めていると、突然メルが抱きついてきた。
「お、おい」
「えへへっ。おはようのスキンシップだよ」
「スキンシップねぇ〜」
「スキンシップ〜」
てか、メルと一緒に寝たの初めてかもなぁ…。
メルの力が弱まると、メルはどこからかチョークのようなものを取り出し、ベッドから立ち上がり、俺が向いている方向にある丸い窓に突然チョークで何か書き始めた。
「何してるんだ?」
「ん? 魔法陣書いてるだけだけど?」
「いやいや、そこに書くなし」
「大丈夫。使っちゃえば綺麗さっぱり消えるから。よぉし、これでいいかなぁ〜」
ルーン文字ていうやつか? 魔法の知識皆無だからなぁ…。
「じゃ、いっちゃうよ!」
「ちょ、ちょっと待てぇぇぇぇ!」
★★★
メルを止めようとして、ベッドから飛び出した訳なのだが、なんで牢屋の中にいるんだ?
「あ、場所間違えちゃった。やり直しやり直しと」
「まさか、転移魔法じゃないでそうね?」
「ん? 魔法じゃなくて魔術。転移魔術だよ」
「いや何言ってんのか意味不明なんだが…」
メルは牢屋の床にまたさっきと同じ魔法陣を描き始めようとしていた。
「えっとね。魔法は人間が編み出して、魔人達に匹敵するような力のこと。魔術はいにしえから伝わっている魔人達が生み出した力のこと。あとその他にも呪詛とか、呪文とか、魔法陣とか、魔石とか、錬金術とかも編み出してるけどね」
うわ〜頭に何一つ入ってこねー。
「何が言いたいんだ? 全く理解出来んのだが」
「つまり、人間達は白魔法で、私達魔人は黒魔術。どう? 簡単でしょ?」
「まぁなんとなくは分かった」
「分かってなさそうな顔だけど、まぁいっか。飛ぶから気おつけてね」
メルが地面に描いた魔法陣に触れた途端、こっちに笑顔を観せると光に包まれいつの間にか一室の部屋に着いていた。
「転移成功。お疲れさま」
「あ、ああ。何が何だかさっぱりだわ」
転移してきた位置の近くの壁にもたれた。
なんかすげぇ気持ち悪い。酔ったような…。
「はい、これ」
「なんだその木の実は」
「えっと、エグリの実ていう酔った時に食べると
治る実だよ」
「そ、そっか…。てか、どこから取ってきたし」
メルは俺から10センチ程しか離れていない距離で転移したはずなのに俺に近づくくらいで、どこからか実を取り出す姿を見せなかった。
「ひ・み・つ。教えたら面白くないもん」
「教えてくれた方が面白いだろ」
「そんな事はいいから、それ食べててよ。今お茶取ってくるから」
「うぃ」
メルが俺の元を離れ、部屋のドアから廊下に出ていっく中、俺は言われた通りエグリの実を口の中に入れた。
ん? レーズンみたいな味だなこれ…。てか、さっきまでの酔った感覚が無くなってる。
落ち着きを取り戻し、部屋を見渡しながら気になった物に近ずいた。
これ、記憶式水晶だよな? どれ。
記憶式水晶に触れた途端、ホログラムが映し出され、そこには真ん中にフェルル。左に幼いメルと男の子が写っていた。
「お待たせぇ。瞬間湧きさせようとしたけどダメだった。て、なにしてるの!」
メルがおぼんのような物にポットとティーカップを乗せて部屋に入ってきた。
俺は記憶式水晶から手を離すと、ホログラムが消えた。
「気になったからつい…」
「引かれるの分かるけど、私の部屋の中身あんたり物色しないでよ!」
「ここ、メルの部屋なんだな。てっきり空き部屋かと…」
部屋の中はベッドや、机もなく床にはホコリが溜まった何も無い部屋だった。
「だって家具全て持ってったもん。ほぃっと」
メルが人差し指で壁の方を指さすと、
あっという間に床のホコリが無くなり、目の前にはカーテン付きのベッドとテーブル、絨、絵画などが決まった位置のような場所に、突如として現れた。
「やっぱそれ魔術だろ!」
「教えない言ってるじゃん。」
ここまで読んでくれてありがとうございます。
あ、パソコン治りました。




