第10話 夢??
窓の外を観るとここはメルの生まれ故郷、世界の狭間の中心のようだ。
まさか来れるとは思ってなかった。
ここは相当な魔力を宿さない限り近づくことすら叶わない死の狭間。 世界の中心に最も近く内密に、魔人と人々との話し合いの場などに使用される。
「こんなとこでメルは育ったのか…」
ズキ……。
頭の中心が急に痛み出した。通常の頭痛よりも酷い。
黒いモヤと共にこの屋敷が頭の中で映像になって出てくる。
あれ、俺ここ、来たことがあるのか…。
「待てよ…メル」
「やだよ〜。置いてっちゃうもん」
俺は小さい時ここに住んでいた。
メルと一緒に魔法を覚えて行く中、彼女と一緒に屋敷の奥地にある草原で走り回っている記憶が一気に蘇ってきた。
「何なんだよ! これは…………」
俺が立っていた周りには血と息のない何千の死体が俺を囲んでいた。
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ………!
「思い出した……。俺は…俺の家族を…親戚を…関係ない人達まで……全員……皆……俺が…殺したんだ……」
ゾクッとするほどの恐怖の記憶。
トラウマとしか言えない過去の記憶。
そしてそれを埋めるかのようなメルとの記憶
「メル……。ごめん。ごめんな………」
キィィィ……。
部屋の扉が開く音がした。
俺はじっと部屋の隅でしゃがみこみながら窓の外を見つめる。
「思い出したみたいだけど、ずっとそのままだと、昔の私みたいになっちゃうよ」
「誰…。」
「誰て、思い出せないの?」
「思い出したくない…。あんな記憶なんて……。」
「そうだよね」
そっと誰かが俺を抱きしめていた
銀髪…見覚えある服…優しい声…。
「おかえり。メル」
「ただいま。そしておかえり。ルース」
俺はその言葉を最後に記憶がない。
彼女の感覚は残っているものの、何故彼女に会えたのかも、どうしてあそこにいたのかも覚えていなかった。
「君、君大丈夫か! おーい」
リーフさんの声が聞こえる。ああ、戻ってきたのか…。
「お、戻ってきたみたいだなルース」
「あーすまん。寝てたわ…」
「いいてことよ。なにか寝ながら言ってたが悪夢でも見たのか?」
「すまん。何も覚えてない」
俺の目の前にはメルの人形が置かれており、真横には大きな水晶玉が置かれていた。
さっきのは一体なんだったんだろう…。
「急に眠り出したからびっくりしたぞ。それよりメルが言っていたケルンとの契約破棄が気になる」
「ですね。お師匠様でも今のメル様の居場所分からないんですか?」
「うーん。心当たりはあるけどあそこに行くのはなぁ……」
あそこ…夢で行った世界の狭間の事か…。
しかしなんだ、このヤケに落ち着くような感覚は…。
誰かに守られているような、そんな感じがする。
「とにかく、ケルンはこれから力を吸収しておけ。私の推測じゃ、あれは嘘にしか聞こえない。多分あの手紙はフェルルによって改良されている」
「了解だ。主があんなふうに契約破棄するとは思えん」
「そうだろ? ともかく今夜は遅い。もう寝るといい」
ここまで読んでくれてありがとうございます。
今日は眠いので2話投稿となります。
すみません((。´・ω・)。´_ _))ペコリン




