第9話 小さいメルと大きなメル
「お師匠様。大丈夫ですか?」
メグルが奥の方にあったタンスから1枚のふわふわなタオルをリーフに手渡していた。
リーフはそれを受け取り、涙を拭き取るどころか顔全体を吹いていた。
「と、とにかく。メルから預かった物を貴方達に返しておくわね」
リーフが突然どこからか大きな1つの杖を取り出すと、はたまた、杖から木の箱がでてきた。
「はい。これ。メルからの手紙」
受け取ってみると、手紙の表側にはメルの字で俺とケルンへと書かれており、なにか端っこにルーン文字のようなものが描いてあった。
「あと、これね」
リーフさんが木の箱から大きな水晶玉を取りだした。
水晶玉は、記憶式のものとは違い、なにかを封印してある痕跡があった。
「まさか…これは…」
「そう、貴方の本来の力よ。バカケルン」
俺もっていた手紙が突然光り輝き、机の上に銀髪で、白いワンピースを着た小さいメルが立っていた。
「お主。一体これはなんの真似だ!」
「決まってるでしょ? 貴方との契約の破棄、ただそれだけよ」
「一体なんの真似だと聞いているのだ!」
「もう。うっさいわね、私はあんたと喋ってる暇なんかないの!」
ケルンが、小さなメルの目の前で、怒り狂っている中、俺はただ彼女をじっと見ていた。
「ルース。何じっと見てるの? そんなに忘れちゃった?」
動揺しているのか、汗が止まらない。言葉すら出ない。
彼女がそこにいるのに…
「じゃあ、こっちに来て」
小さなメルが指を鳴らした途端、俺の目の前からリーフ、メグル、そしてケルンが消えていた。
目の前は暗い部屋の中で、大きなベッドの上で寝転んでいた。
「ここは…」
「ルース〜!」
俺に抱きついてきたのは、行方不明だったメルだ。
どうしてこんなくらいところに…今までどこに行ってたんだよ…。心配したんだぞ。
「ふふふ、やっぱり貴方面白いわ」
突然口調が変わったと思ったら、俺に抱きついていたのは、俺が知っているメルではなく、遥かに色々育っているメルだった。
「貴方は…フェルル様ですか」
「やっぱり、娘と一緒にいただけでそこまで分かっちゃうなんてさすが、娘が選んだ騎士ね」
「何を言って…」
「君は娘の男だってことは分かってるけど、なんだろこんな異質な存在だったなんて思いもよらなかったわ」
「………」
「とにかく娘ともう一度会いたかったらこの部屋を出ない事ね」
フェルルは、その言葉を残し、俺の前から姿を消した。
ちくしょう…やっぱり母親に捕まったか…
メルが苦手て言ってた理由も何となく分かったかもなぁ…
ここまで読んでくれてありがとうございます。
なんか出したかったのでフェルル出しました。
大人の魅力バリバリなのですが、何故か娘には遺伝しなかったのようです。




