表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ホームレスシンデレラ裏エピソード2小悪魔の策略

作者: CPM

松橋真人の家で時間外の会議に集まった社員一同が解散しそれぞれ帰宅する中、清原は…


清原『和代さんは家どこですか?』


と聞いてきた。


そこに彼がすかさず


真人『彼女はこの近くだよ。僕が送るから心配要らない』


そう言ったが


清原『あっ、じゃあ私が送って上げますよ。一緒に行きましょう!』


困った展開になってしまった…


というより、彼と私二人だけになるのが面白く無かっただけであろう。


彼が仕方なく


真人『じゃあ二人とも家まで送るよ…僕の車に乗って…あっ、車のキー取ってくるからちょっと待ってて』


そう言って走って鍵を取りに戻って行った。


清原里見が


清原『和代さん…もしかして…社長と…』


清原里見は完全に私たちの関係を疑っている…


私達が男女の関係であるとしたらチームとしていろいろ支障が出てしまうのではないだろうか…


今彼が居ないタイミングで聞いてこられると私はどう対処していいのかわからない…


私『ん?なぁに?』


とりあえず徹底的にはぐらかそうと決めた。


清原『いえ、別に何でもありません』


彼女は不信そうな表情からニコッと笑ってそう切り返した。


そのすぐあとに彼が走って戻って来た。


真人『さぁ、行こうか』


三人は彼の車に乗った。


真人『清原さん、家の住所教えて』


清原『はい、◯◯◯◯町◯◯丁目◯◯◯◯です』


彼は彼女の住所をナビに設定した。


清原『あの、先に私ですか?』


真人『そうだよ、和代さんは近くだから帰りに送るから』


清原『そう…ですか…お願いします…』


明らかに不服そうだ。私を先に送り、彼女の家まで二人になれるという期待があったのかも知れない。


もしかするとその先まで…


彼女の家に着き彼女を見送って車を発進させた。




清原は二人が車で消えて行くのを見送った…


あの女は…


私と彼の邪魔をした…


あの女が現れなければ…彼は私のものになったのに…


急にしゃしゃり出て来て…泥棒猫…許せない…


あの二人は…一緒に住んでる…


邪魔してやる…徹底的に落としてやる…


あんな女に彼が釣り合うとでも?


馬鹿じゃないの?


彼にふさわしいのは私に決まってるじゃない…


あの女…地獄の底に叩き落としてやる…


清原里見は嫉妬の鬼と化している。


知ってるのよ…あんたがホームレスだったって…身の程わきまえなさい!


今頃二人はいい感じになってる頃かしら。


清原里見は携帯を手にした。


真人『もしもしどうしたかな?』


清原『あのぉ…社長の車に私の財布置き忘れちゃったみたいなんですぅ…ちょっと見てもらってもいいですかぁ?』


真人『え?財布?車に?わかった、探してみる…もしあったら明日渡すよ…』


清原『いえ、どうしても今日必要なんで今からそちらに向かいます』


真人『え?


これから?


いや、今日はもう遅いし………』


清原『それに…さっきは言えなかったんですけど社長にどうしても話さなきゃならないこともあって…だから行きますぅ』


真人『そうなんだ…うん…うん…わかった』


電話を切った。


フフフッ私の仕掛けた策に彼は必ずここへ来るわ。


来ないわけにはいかないもんね…あんなこと私が彼女に話したらあなたのだーいじなホームレス女が…どうなるかわからないもんね…


フフフッ…ハハハハハハハッ…


あぁおかしい!


清原里見は意地の悪い表情で高笑いをしていた。


それから10分ほどして松橋から電話があった。


真人『もしもし、手紙を見た…今からそっちに行く…』


ハハハハハハハッ…ほうら、全ては私の思い通り…あの泥棒猫…思い知らせてやるわ!


待つこと20分…松橋の車は清原里見の家の前に停まった。


松橋真人は清原里見の玄関のチャイムを鳴らす。


清原『わざわざ来て頂いてありがとうございます。さぁ上がって下さい。』


真人『失礼する』


そう言って玄関で靴を揃えて清原の家に上がり込んだ。


真人『清原さん、何故君は彼女のことを知っているんだ?』


清原はイタズラっぽい表情で


清原『社長のせいですよぉ…社長が彼女なんかにのぼせ上がってるから…』


真人『いいから教えてくれ!何故彼女のことを知ってる?』


清原『社長…前に社長のデスクから印鑑勝手に探して押しておいてって言いましたよね?』


松橋真人は驚愕した…確かにあの時…大事な客を迎えなければならずバタバタしていて、そんなタイミングで清原から書類の確認印を求められ彼女に自分のデスクの引き出しを探すように言ったことがあった…


そしてそのデスクには…和代さんとの出会いから綴った日記を入れていたことを忘れていた。


まさか清原がそれを見てしまったとは思ってもみなかった…


清原は彼女の全てを知っていた…知っていて知らないふりを決め込んでいたのだろう…


真人『清原さん…その事は…彼女には言わないでくれないか?彼女は…彼女にはただならぬ影を感じるんだ…きっと想像を絶する苦労をしてきたに違いない…僕はそういう人を救ってあげたい…それこそがこれから我々がやるべき仕事じゃないか?』


清原は黙って聞いていた。


真人『頼む!彼女のことはそっとしておいてやってくれ!』


清原は素直に頷いた。


清原『でもぉ…社長は知らないのか鈍いのかわからないですけどぉ…私社長のことを…』


清原は上目遣いに小悪魔的な表情で松橋を見つめ…


清原『ずっと好きだったのになぁ…』


真人『それで…どうしろと言うんだ?』


清原『彼女を救いたいのなら彼女を棄てて私と同棲してくださーい…彼女と同棲してるんですよね?』


松橋真人は真剣な表情で


真人『君はそれを本気で言ってるのか?本気で君はそんなことを言ってるのか?新規事業のコンセプトは理解してないのか?何のためにずっと教育してきたのか…もし、本気でそんなことを言ってるのなら君はこの事業計画には相応しくない!』


毅然とした態度でそう言い放った。


清原はしばらく黙っていた…


そして…


清原『わかりました。私が間違ってました…彼女のことはもう忘れます…でも、私の気持ちはどこにぶつければいいんですか?私一人貧乏くじを引けばいいんですか?』


清原は何とか松橋を落とす方法は無いかと考えている。


松橋は無言で振り返り玄関の方へ歩いて行った…



そういうことね…そういうことをするのね…もういいわ…


今に目にものを見せてやる…


あの女…地獄を見るといいわ!


そうだ…鷲尾賢一…あの男和代さんに興味ありそうだった。


あの男を仕掛けてやろう…


フフフッ…いいこと思い付いた…


そして清原の復讐計画が始動する。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ