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僕は、魔法が使えない。  作者: アーシェス
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09 フェルと7人の盗賊

フェルは、困っていた。

うん。まぁ当たり前である。

生まれて初めて盗賊に襲われそうになっているのである。


怖いと言ったらウソである。

ただ、もっとフェルが困っているのはミンツさんの判断次第で、様々な決断をしなければいけないからだ。


”戦闘”ならば、まだいい。フェルもハンター志望だし、いずれ護衛や盗賊討伐のような依頼を受けることもあるかもしれない。

人を殺すという事は怖いが、躊躇はない。殺らなければ、殺られるのだ。

世の中が、そんなに甘いものではないことは、わかっているつもりだ。


問題は、”降伏”を選んだ場合だ。

さっきエドガーが視線を送ってきたので、フェルとティルクはそのことに気が付いていた。


フェルは15歳になったばかりの少年であるが、顔だけをぱっと見であれば、少女と見間違ってもいいような可愛らしい顔つきをしている。

女性ほどではないにしろ、こういう男の子供は価値があるものらしい。

そういう専門の趣味の者もいるが、それ以外に盗賊たちが”処理”用に手元に置いておくという場合もあるらしい。

何しろ、体力が女性よりもあるので簡単に死なないし、多少の力のいる雑用もさせられるうえ、最終的には捨て駒にすることができる。


「フェル、最悪の場合 馬を盗んで逃げるよ」

ティルクはそういうと、後ろの馬車で一番足の速そうな馬の頸木の近くにいって、つなぎ目を”転送”する。

これで、万一の際は、フェルが後ろに走ってきてこの馬に乗ることが出来る。

他のメンバーは少し困るかもしれないが、それは自業自得だし、どうもエドガーさんはフェルに万一の際の対応に気付かせるような目くばせの仕方をしてくれていた。


盗賊との距離は20m近くまで近づいてきており、両者とも武器を手にもって慎重に間合いを詰めている。

盗賊の武器は、両端の二人が弓を構えており、あとは、ショートソードや短剣の者が3名、槍が2名だ。

武器は、遠目にもあまり良い状態には見えない。


こちらは真ん中にミンツさんがいてそれを守るようにエドガーとリュークの二人がたっている。

そして、その3人を挟むように御者が一人づつ並ぶ。

エドガーはショートソードを、リュークはやや短い槍を構えて鋭い眼光を相手に向けている。

ミンツさんと御者はフェルが家でもらったのと同じような剣-短刀-を両手で構えている。

フェルはエドガーとその御者の間・・・やや後方にいて手製の小弓を構えている。


「大人しく降伏しな。装備と馬車と荷物をよこせば、命は助けてやるぜ。」

盗賊の一人が大きな声で”お決まり”のセリフを言う。

どうやら、この一味の頭らしい。


「ミンツさん。どうしますか。俺たちとしては、多少のリスクをとっても、戦う方がいいと思いますが。ここから町まで装備も馬車もなくってのは正直つらい。しかも、決して勝てない人数ではないです。お互い全滅するまで殺し合うってわけじゃぁないですから。」

エドガーが相手には聞こえないような声で戦闘のほうをすすめる。


嘘は言っていない。

ここで命が助かっても、装備を取られて無事に街までたどりつける補償はない。

大体、最低限の食料と水などは残してもらえることが多いが、その保証もない。

そして、ハンターにとっては装備獲られるというのは、かなり痛い。

愛着や使い慣れた獲物というのもあるが、武器や防具は決して安い代物ではないし、商売道具なのだから

圧倒的に不利な場合はともかく、これぐらいの戦力差なら降伏するのはばかげている。

それでも、やはり依頼主の意思は尊重する必要があった。


「エドガーさん。リュークさん。お願いします。」

ミンツはそういうと、腰を落として剣を構える。

この格好では動けないし強そうには見えないが、素人が下手に剣を振り回してもケガをするだけであり、迎撃さえできればいいのだから、正しい対応と言える。


エドガーとリュークは、ミンツの答えを聞いて少しホッとした顔をして頷くと右手で武器を構えたまま、腰のあたりで左手の人差し指を何やら素早く動かす。

そして、同時に左手を盗賊に向けると返事の代わりに叫ぶ


「出でし氷の矢よ、敵を貫け <氷のアイシクル・アロー>」

エドガーとリュークの革手袋をした左手から氷の矢が放たれ、左右の弓使いに向けて発射される。

次の瞬間、エドガーとリュークは前に駆け出し、さらにリュークは手持ちの槍を弓使いに投げつける


エドガーが放った氷の矢は弓使いの左腕に深く刺さっている。

あれでは、弓は引けない。

弓使いは、弓を捨てて右手で短剣に持ち帰る。


そして、リュークの狙った弓兵は氷の矢をかわした瞬間に投げ込まれた槍を胸に深々とうけ、絶命をしていた。リュークは、すでに予備の短刀を抜いて敵に向かって走り出している。


残り6人


「そこまでだ!」

戦場に大きな声が響き渡る。

すみません。なかなかシーンがすすみません。

1連載の文字量が少ないのか、はたまた文が稚拙だからか・・・

頑張りますので、その辺はご容赦ください。


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