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僕は、魔法が使えない。  作者: アーシェス
87/106

87 森には魔物が住んでいる1

「やっぱりね・・・。」

クリスがクロスボウを放ちながら毒づく。


「いや・・・絶対僕のせいじゃないと思うよ。」

フェルも弓を放ちながら応酬する。


「余裕かましてないで、頼むぞ二人とも!」

ウェンツとギル、そしてニースがオークを確実に圧倒していく。

すでに、3匹は倒されており、残り5匹と相手の数が多いにも関わらず、話をする余裕がある。

カティアの祝福<ブレス>の効果は大きい。

はじめた会った時の相手よりもオークの数は多いにもかかわらず、3人で対応ができている。

そして、フェルとクリスが確実に弓でダメージを与え、倒していく。


「あと1匹」

ギルが剣でオークの心臓を一突きする。

厚い肉にもかかわらず、剣が貫通するのも筋力がアップしている証拠だろう。


「これだけあれば、孤児院だけじゃ食べきれないわね。」

「そうね。どこで手に入れたか知れないけど、武器とかも何気に役立つしね。」

「俺達が使う分には、物足りないが、盗賊相手にならな。」

「どうせ、その盗賊あたりから奪ったものだと思うけどね。」



「フェル・・・全部持てるか?」

「大丈夫ですよ。どうします?もう少し狩ります?」

「いや、目的は達したし、無理をする必要はないだろう。」

8匹ものオーク肉となれば、相当な量になる。

普通であれば、こんな場所では1匹分だけを持ち帰り、残りは捨てていくしかないだろう。

だが、フェルにとっては大したことがない。


「いや、本当にフェルがいるのは助かるな。」

「本当ね。じゃぁ、帰りましょうか。」


「いや・・・そうもいかなそうよ・・・。」

「やっぱりフェルがいるからねぇ・・・。」

「いや・・・だから。」


目の前に茂みの中からゆっくりと体長2.5mはある赤毛の熊があらわれる。

フェルがかつて見たものよりも二回りは大きく感じる。

そして、その後ろに体長2m弱ぐらいの熊が付き従っている。


「親子の赤毛熊か・・・・。」

赤毛熊は、のそり、のそりと地面を嗅ぎながら、ゆっくりと近づいてくる。

おそらくは、オークの血の匂いを嗅ぎつけてやってきたのだろう。


「いいか、しっかりと眼を合わせながら、体制を整えるぞ。絶対に背中を見せるなよ。」

ウェンツが低い声で指示を出す。

赤毛熊の筋力は、オークの比ではない。技術をねじ伏せるだけの破壊力を持っているのだ。

だが、こちらは人数もいるし、カティアの祝福<ブレス>もまだ使える。

おそらく、1匹ならば問題なく対応ができるだろう。


「いいか。こういう場合は、大きい親の方から仕留める。

子供を仕留めようとしたときの親の強さは尋常じゃないからな。」

「人間も魔物も、子を思う気持ちは一緒ってことかしら。」

「魔物に気持ちがあるのかどうかは知らんがな。本能的なものなのかもしれんし。

ただ、親から狙えば、うまくいけば相手が逃げてくれる場合もある。」

「クロスボウはともかく、フェルの弓では致命傷は与えられんだろう。初撃は”岩石落とし”で頼む」

「クリスちゃん。熊って、身体の割に結構素早いから、気をつけて」

それぞれが、体制を整え、カティアを囲むように半円の体制になって構える。

最前列は、盾と槍を持つニースだ。


「ドリュアデス。”岩石落とし”の、足止めサポートをお願い。」

「フェル。ここも少ないけれどグノームの力は借りれるわ。感じることが出来れば、活用するのよ。」

「わかった。ただ、今は見えない。」

「うん。じゃぁ、準備に行くから。」

そういうと、ティルクは親赤毛熊の頭上の方へ飛んで行った。




「いくよ!」

「いいわよ。」

フェルが掛け声とともに、赤毛熊の頭上30㎝ほどのところに松岩を出現させて落下させる。

岩は、赤毛熊の頭部にあたり、地面に転がり落ちる。

赤毛熊も、何か巨大なハンマーで頭を殴られたような痛みを感じて地面を転げまわる。

流石につぶすことは出来なかったが、確実にダメージを与え、相手を無防備な姿にすることは成功しているし、流血も見られる。もっと高くから落とせば、威力は上がるのだが、命中力に問題が出るのだ。


「くらえ!」

クリスがクロスボウを発射すると赤毛熊の脇腹あたりに深々とクォレルが突き刺さる。

それとともに、カティアが祝福<ブレス>の魔法を唱えだす。

ウェンツとギルがすかさず飛び掛かろうとするが、転んだままの赤毛熊の腕の素振り一振りで、近づけなくなっていた。

そして、間に子熊の方が割って入ってきてにらみつける。

そして、その間に親熊は体制を整える。ただし、矢が刺さった腹からは、結構な出血をしていた。


子熊といっても、フェル達の新人試験の際に現れた赤毛熊とサイズ的にはそう変わらない。

十分危険なサイズである。

二頭が交互になるようにノッシノッシとメンバーの前を行き来する。

岩といい矢といいダメージがないわけではないだろうがそれを感じさせないような動きをするようなあたりが、流石ともいえる。


「流石に、岩石落としでは、捉えきれなかったか。

次は、クリスの矢を放つタイミングでいくぞ。」

フェルは、剣を構えながら頷いた。


そして、クリスも矢を再びつがえると構えた。





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