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僕は、魔法が使えない。  作者: アーシェス
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66 魔法指導

「よくそれで、魔法薬なんて作れたわね・・・・」

バーンの魔法薬生成の術式をみて、ネフリムという女性があきれたような声を出す。

ネフリムは、このギルドに勤める魔導学院の卒業生・・・フェスカの同級生であった。

主に、武器や防具などの付与を得意とする付与魔術師であった。

魔法薬などは専門分野ではないのだが、同じ付与系の魔術なので基礎部分は同じだという。


「えっと・・・まず基本的なことの確認だけど・・・、この付与方法って、どこで倣った?」

「いや・・・兄貴が練習しているのの見様見真似なんで・・・・・」

その答えで、1つなぞが解けた。が、見様見真似で魔法が使えるのはなかなかの才能ともいえる。

ちゃんと理論から教えた方がいいのだが・・・。

今は緊急時なので、最低限のコツを教えるだけでもましになりそうだ。


「ゼペットさん。即効性と効能拡大のうち、1種類しか付与できないとしたらどちらを優先させたらいいですか?」

「そりゃ効能拡大じゃ。患者の体力を考えれば即効性は欲しいがな・・・」

「基本も知らず、2種類の付与を一気にするなんて今の確率でも高いぐらいよ。

まず、1種類で練習したほうがいいわ。じゃぁ、「効能拡大」に集中させるわよ。ちょっとやってみて。」

「いや・・・その1種類の付与っていうののやり方が良くわからないんですが・・・。」


どうやら、バーンは術式の意味も理解をしていなかったらしい。

そこからか・・・とも思ったが、それなら逆に教えやすい。

「いい?今バーン君がやっている術のココとココをとばしてやってみて。

そう。あと、もう少しゆっくりと丁寧に。力を籠めるというよりも話しかけるようにしてやわらかく・・・」


かなり抽象的な教え方だが、これが魔導学園の生徒が教える場合の一般的な教え方である。

魔導学園では、魔法の根源たるマナの存在から教わるが、一般人にはそのことは教えない。

そのため、「呪文の唱え方」のような教え方をする。

魔導学園の生徒と、その生徒から教わった者が同レベルでは困るのだ。

最も、魔導学園に通えば、マナのことを理解できるわけではないし、魔導学園に通わずとも真理にたどりつく者はいる。もっと言えば、魔導学園の卒業生でもマナの講義から教える者だっていなくはないのだが、まず一般人には理解できないうえ、すぐに魔法が使えるようになるのは”呪文”だったりするので人気がないのだ。


「効果拡大」の術式自体は、レベルはあるが様々な付与魔法の基本になっている。

バーンの使っているものも、初級のレベルに属するものなので、そう難しくない。

問題があるとすれば、付与する先が粉や液体なので扱いにくいだけだ。金属などに比べて非常に面倒くさいのだ。


「えっと、まず付与をする前に、材料全体に均一に自分の力がいくようにイメージするの。

金属とかの場合は、力にムラがあっても自然に力が分散するんだけど、粉や液体はそれがしにくいの。

だから、全体を一つの袋に入れて包みこむようなイメージをしてから術式を唱えて。」


実は、魔法というのは詠唱などは必須ではない。

魔法というのは、マナという魔法の根源の物質に働きかけて様々な変化を起こして行う物として魔導学園では習う。その働きかけの仕方の一つが詠唱なのである。マナに対して具体的なイメージを伝える方法のひとつであり、最も簡単で間違えのない方法となっている。

なので、一般ではこの詠唱する呪文と思われがちなのだが、実際に一番大事なのはイメージなのだ。

ただ、イメージの伝え方というのは、教えるのが大変難しい。

よって、このような漠然として教え方になるし、理解度も感性に影響されやすい。

魔導学園では、この辺を徹底的に指導される。感覚の共有化などのその指導方法などが確立されているのだ。しかし、生徒らがその方法を外で行うことは不可能である。

ここにも魔導学園が力を持つ理由の一つがある。


バーンは、3度ほど「効果拡大」のみを付与する劣化版魔法薬の精製に挑戦をする。

すると、なんとか生成に成功をすることができた。その後も、精製をつづけるが成功率は概ね30%程度まで改善し、1日で7本の劣化版魔法薬の精製に成功をしていた。

ネフリムも専門外といいながらも、精製を行い15本の精製に成功している。

ネフリムは失敗はほとんどないのだが、1個の精製に時間がかかるのと魔法を使う力が枯渇したために精製本数が伸びなかった。

「いや・・・あんた・・タフね。」

バーンが延々と劣化魔法薬精製に取組む様子をみて、ネフリムは驚いていた。


「隔離している重篤な患者のところに向かうぞ。案内せい。」

ゼペットは、その薬をもって隔離している患者へ注射をしに向かった。

効果さえしっかりしていれば、毎日投薬を続ければ改善もしくは進行を止められるという。

魔導学院からの応援がくれば、一気に状況が改善する可能性があるのだから、状況としては伝染の進行を食い止めるだけで、意味があるのだ。


「魔法薬の精製までいっていない薬は、ギルドへ持って行って。

初期症状なら、これでも十分だから。」

”暁のカルテッド”のメンバーがつくった薬をギルドに運んでいた。


バーンは、全身に激しい疲労と虚脱感を感じながらも、魔法薬の精製が順調に進んでいることに喜びを感じていた。劣化版とはいえ。1%程度しか成功しなかったものが3~4本に1本成功するようになったのだから、その成長は凄いといっていい。なにより、自分でなにか付与のコツをつかんだ感じがしたのだ。

なにかのエネルギーの流れというか扱い方のような感覚を感じることができるようになっていた。


ただ、もう今日はくたびれた・・・。

そうして、バーンは意識を失うように作業所でそのまま横になる。

しばらくすると、軽やかな寝息が聞こえてきていた。





いつも応援ありがとうございます!

今日は、時間がなかったので、文章がかなり荒い&短めです。

余裕があったら、そのうち直すかもしれません。


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