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僕は、魔法が使えない。  作者: アーシェス
56/106

56 勝利

「こちらは、準備OKよ」

クロスボウを構えて、クリスが言う。

フェルも弓を用意するが、ちょっと間合いが遠い。


「まずは一匹は、岩で押しつぶす。あと1匹を遠距離攻撃でなんとかして3対1にもつれ込ませる方向でいくよ。僕は、当たればラッキーぐらいの感覚で早めに弓を打つけど、クリスは射程に気をつけて確実に1匹倒せるところまで引き付けてから撃って。」

クリスが頷くのを確認するとフェルはティルクに指示を出す。


リザードマンたちは、ちょうど岩蜥蜴の尻尾を手に入れて担ごうと2匹が近くにあつまっていた。

うまくいけば、一気に2匹を無力化できるチャンスだ。


『ドシン』『グシャ』『ギャァ・・ギギッ』

岩が大きな音をだしてリザードマンの上に落ちる。

流石に、2匹まとめて・・・というわけにはいかなかったが、それでも何かダメージを与えたのか大きな悲鳴がおきた。

少し離れていたところにいた無傷の1匹が周りを警戒しだして・・・そしてフェル達を見つけた。


「ギャギャギャ・・・・ギャグゥ!」

大きな声で、岩の近くのリザードマンに指示をするが、そのリザードマンの様子をみてさらに何か指示をすると、槍を構えてフェル達の方に走ってきた。


「シルヴェストル・・・頼むよ」

そういいながら、フェルはリザードマンへ弓を射かけた。

矢は、ほんの少しだが軌道を変え、リザードマンの左肩に命中した。

しかし、少く悲鳴が聞こえるだけで、走るスピードはまったく衰えない。

そのスピードは、坂道にもかかわらず、確実に人間よりも早い。

リザードマンは、防具などはつけてはいないが鱗が天然の鎧になっているため、深くは刺さらないのだろう。

第2射は喉の辺りを狙うが、リザードマンが左腕で底をかばったため、左腕に突き刺さる。


フェルが弓を捨て剣を抜いた瞬間に、クロスボウの矢がリザードマンの胸に深々と突き刺さった。

『グボ・・ギャギャゥ』


クロスボウの金属製の太く短い矢<クォレル>は、対人戦でも金属を編んでつくられたチェインメイルを切り裂いて刺さる。

威力という面では、フェルの弓よりもかなり強い。

リザードマンは、流石に血を吐き、膝をつく。


そこへ、フェルが剣で襲い掛かる。

リザードマンは槍で突き返そうとするが、かなりの出血をしていることもあり、明らかに精彩を欠く。

槍をかわしたフェルは、剣を両手にもつと、のど元にめがけ体重を乗せて突っ込む。


全身返り血まみれになるがリザードマンは力なくだらりとなり、痙攣する。

そして、フェルが剣を抜くと後ろ向きに倒れた。


その後方で、もう一匹のリザードマンがすさまじい雄たけびをあげ、こちらに向かってくるのが見える。

みると、おそらく岩の落下に巻き込まれたのだろう。尻尾の辺りから血が流れており、通った後に血の跡が残っている。


「フェル、いったん下がって。もう一発いける!」

クリスが、クロスボウの弓を引き、矢をつがえる準備をしていた。

尻尾を無理やり抜くのに、時間がかかったのが功を奏した。連係プレーを防ぎ、結果として各個撃破ができたようだ。


3対3と3対1を3回行うのでは、難易度が全く異なる。

今度は、フェルとバーンでクリスを守りつつ、ぎりぎりまでリザードマンをひきつける。

相手は既に手負いであるし、クロスボウは一撃は強いが、外せば隙が大きい。

急ぐよりも、確実に仕留める方がいいだろう。


『グボゥ・・ギューゥ』

最後のリザードマンの右肩をクォレルが貫通する。

痛みと衝撃でリザードマンが槍を落とす。

その隙をフェルとバーンは逃さず、突っ込んでいった。


武器を落としたリザードマンに二人の剣が突き刺さる。

『シャァァ』

倒したと思った瞬間、バーンの首筋にリザードマンが噛みつこうとする。

すぐにフェルが気が付き、蹴り飛ばしたため大事には至らずに済んだが、バーンの首筋には鋭い歯のひっかき傷ができていた。


倒れたリザードマンにさらにフェルが追い打ちをかけて、頭蓋をたたき割る。

岩で押しつぶしたものを含めて、3体の討伐が終了した。




・・・



「バーン?大丈夫?」

幸い首筋の出血は、しばらく布を当てていれば収まった。

魔法薬を作るときに失敗した傷薬を塗り、そのまま首に布を巻き付けて応急処置をする。

「一応、ギルドに帰ったらフェスカさんに見てもらった方がいいな。毒があるとは聞いたことがないけど、首は化膿すると厄介だから。」

自分自身の傷とはいえ、このあたりの対応は、バーンの専門領域である。

二人にできることはほとんどない。


「リザードマンって、何か買取できるのかなぁ・・・鱗とか売れそうだけど」

「多分・・・。持てるか?」

「岩はもう持たなくていいだろうから、それよりは軽いし。」

「なら、一応頼む。」

そういわれて、リザードマンやその武器を”転送”する。

リザードマンの槍は、手入れはされていないが、鉄製の代物だった。

おそらく商隊やハンターなどを襲って奪ったものだ。


「よし、今度こそ帰るぞ。」

そういうと、3人は街道に向かって歩き出した。










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