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僕は、魔法が使えない。  作者: アーシェス
55/106

55 リザードマンは突然に・・・

「フェル!気づいてる?」

湖畔から丘陵へ戻る途中の森の中で、普段二人がいるときにはあまり話しかけてこないティルクが慌てて、警告を発する。


言われて、フェルは他の二人に小声で注意をする。

「気をつけて。何か・・・気配がおかしい気がする。」

3人は気持ち歩くスピードを落とし、周りに注意を向ける。

足を止めるのは、相手に気づいたことを知らせてしまうため下策になる。

こういう場合は、立ち止まっては相手の思うつぼだ。


「4・・・いや少なくとも5人はいるか・・。まだ遠いが・・・半分囲まれてる?」

「人間じゃないわよね・・・。これはやっぱり・・・・」

『リザードマンだろうな・・・・』


リザードマン

二足歩行するトカゲの頭と鱗を持つ魔物である。主に水辺等に棲み、主に魚などを獲って食料としているといわれているが、ゴルダの丘では岩蜥蜴を狩猟する姿も見られていることから、おそらく雑食なのだろう。手は人間のように物をつかんだりでき、人間よりも腕力がある。鱗でおおわれた体もあり戦士として戦闘能力は、人間よりも優れているといわれる。

そして、独自の言語を話すことから集団での狩猟を得意とすることも厄介な相手だ。


「まずいな・・。走るぞ。」

二人は頷くと、一気に3人が駆け出した。

逃げ切れるかどうかはわからないが、いずれにしろ森の中で襲われれば不利になる。

今なら距離的にも、矢などが飛んでくることはないだろう。

あとは、奴らがどこまで追ってくるつもりがあるかである。



・・・



「はぁ・・・はぁ・・・」

最初に息を切らしたのは、バーンだ。

「ど・・・どうだ。」

とりあえず、立ち止まることはないがかなりペースダウンをしている。

相手が真剣に追いかけてきていれば、捉まるペースだ。

フェルは、小声でティルクに様子を確認しつつ、周囲の様子を確認する。


とりあえず、見える範囲には、敵はいなさそうだ。

「とりあえず、追いかけては来ていない・・・かな。でも、まだ油断はできないよ。

もう少しで森を抜けるから、そこまでは頑張って!!」


通常のパーティであれば、ある程度の重量の荷物を背負って走ることになるが、フェル達はかなりの軽装ですんでいる。狩猟したものはもちろん、ロープなどの嵩張るものも食事などすらすべて収納できるのからだ。これなら、もう少しは走れる。



・・・・




森を抜け、丘陵地へと戻ってきた3人は、流石につかれて休憩をすることになった。

特にバーンは、脇腹を抑えている。もう走るのはもちろん、歩くのさえきつそうだ。

一応、例の疲労回復薬を飲むが、今は気休め程度にしかならない。


この場所なら、襲撃などがあっても、先ほどと異なり上下からのみである。

これなら、最悪フェルの必殺技も使えなくない。


「ふぅ・・・。しかし・・危なかった・・・。」

バーンが、大の字に寝ころびながら話しかける。

今回何も獲物も持っていないフェル達を襲っても利がないと思われたのか、単に縄張りなどの範囲から出たからかはわからないが、逃げ切れたのは幸いだった。

数の上でも実力の上でも苦戦では済まなかったはずだ。


「ギルドには、報告しておかないとな。」

魔物の討伐自体は、領主や村・町長などによる依頼の範疇だが、重要な採取地などで討伐依頼が発生しないような場所の場合は、ギルドは注意情報を出したり、稀にではあるが討伐依頼を出すことがあるのだ。

既に、リザードマンの情報はギルドに入っているが、数や質があがることは重要な要素といえる。


「やっぱり、簡単に稼ぐのは難しいわね・・・。」

「しばらくはエリー湖に近づくのは控えた方がいいな。」

大分、落ち着いたのか、バーンも身体を起こしながら答えた。

命あっての物種である。


「そろそろ戻るか。あまり遅くなると、また違う危険が出てくるからな。」

本当ならば、もう少し休息したいところだが、ここから街道まではまだ1時間強・・・そして街道から街まで1時間程度・・・少なくとも2時間はゆうにかかる。日が落ちる前は街に戻っておきたい。

3人は、ゴルダの丘の斜面をゆっくりと登りだした。




・・・・



湖畔からゴルダの丘へ登ったあと、街道への下り道に差し掛かったあたり。

蜥蜴にも蛇にも似た顔に、槍をもった3人が、岩蜥蜴を狩ろうとしているのをクリスが発見する。

湖畔であったのとは別の個体であろうが、リザードマンであった。


「まずいな・・・。」

出来れば戦わずに済ませたいが、後ろは先ほどまでの丘陵地であまり逃げ場がない。

相手は、狩りに集中していてまだ気が付いてはいないが、時間の問題だ。

ここは、隠れてやり過ごせるほうにかけるか、奇襲をして先制するか・・・。

重要な判断が問われる。


「クリス、フェル・・・。いけるか?」

バーンはどうやら奇襲をする方を選んだようだ。

隠れて運を天にまかせるよりは、自力で道を切り開く方がまだ後悔しないということだろう。

相手の人数は、先ほどと違い3人。そして、地の利で言えばこちらのほうが高い位置にいるし、相手はまだ気づいていない。これならばまだ勝てるチャンスがあると踏んだようだ。


「フェル・・自重しなくていいからな。」

そういったのは、岩蜥蜴の際につかった”必殺技”を期待してのことだろう。

フェルは黙って頷くと、ティルクを最も手前のリザードマンの元に向かわせる。

クリスも、クロスボウを準備して奇襲の準備を整えた。







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