39 必殺技の開発1
買い取ってもらった魔猪と大狼は肉、皮、牙さらに採取などすべてあわせると金貨50枚にもなった。
大狼はパーティで狩ったものではないので、フェルだけがもらってもいいのだがフェルが均等配分を主張したのである。
一人金貨15枚。そしてバーンの店の開店資金に金貨5枚がプールされた。
1日の稼ぎとしてはかなりのものだ。
「大したもんだな。ただ、ありがたいことだが、お前たちのおかげで、かなりの植物系の採取物が在庫過多になっている。
ちょっと日を開けて採取にしないと、どんどん買取価格が下がっちまうから、その辺は注意してくれ。」
元々、植物系の採取というのはあまり人気がないので、在庫過多というのは珍しいらしいが、一方で常に需要のある肉などに比べて消費スピードがゆっくりなので、研修の一週間でかなり在庫がたまってしまったらしい。
「もしなんなら、明日訓練依頼を受けてもいいぞ。」
それを全力で断る3人であった。
「ちょっと、明日は休息にしないか。
在庫も少なくなってきたから、ちょっといくつか薬の調合もしたい。」
「そうね。私もちょっと弟たちに勉強を教えてあげたいし、罠の手入れもしないと」
ほぼ1か月の収入を手にしているので、金銭的には余裕がある。
そういうわけで、2日ほど休養をすることになった。
・・・・
3人は「約束の双子亭」で食事をすると、今日の反省と今後の方針を話し合った。
フェルが収納魔法<ストッカー>を使えるとなると、かなり今後の方針に選択肢が出てくるのだ。
採取場所を多少遠くにしても帰りが楽になるし、輸送依頼をこなすことも可能だ。
もう少し戦闘力とランクをあげれば、護衛+輸送という事も可能だろう。
また、店の開店を目指す3人にとっては、行商をするという選択肢だってあるのだ。
話合いといっても、実際はクリスが一人でしゃべっている。
「収納魔法<ストッカー>があるなら、輸送依頼は見ておかないといけないわね。
でも、どうせだったら、今回みたいに自前で狩れれば大きいわ。
そうすると、もうちょっと危なげなく狩りが出来ないといけないし、メリアの森では効率が悪すぎる・・・。」
リーダーは、バーンで商売人を目指しているのだが、どうもこういう打算をするのはクリスの方が得意らしい。
結果としては、あまり具体的にまとまらなかったが、
①一度、メリアよりももう少し効率のいい狩場で輸送ができるなら”おいしい”依頼を受ける。
②そのために、もう少し装備や技術向上を行う。
③無理だと感じれば、すぐに撤退する。
ことにした。
①は、ギルドで聞けば情報があつまるだろうし、②については、バーンもクリスも心当たりがあるらしい。
大体のことを決めた後、フェルは2階にあがり、二人はそれぞれの宿や家に帰っていった。
・・・・
その夜、フェルとティルクは今日のことをいろいろと話していた。
ティルクは、人が大勢いるところでは、フェルに話しかけたりはあまりしない。
ティルクの声は、フェルにしか聞こえないが、フェルの声はティルク以外にも聞こえる。
なので、フェルがおかしな独り言を言っているように聞こえてしまうからだ。
なので、ティルクがフェルと話すのは、夜のように二人だけになってからである。
「ティルク、バーンとクリスはなにか装備のレベルアップや何か強くなる見込みがあるみたいなんだけど、僕はまだ何かできるかなぁ・・・。」
フェルの装備は、この街に来てかなりレベルアップをしている。
上を見ればキリがないが、新米ハンターには過ぎた装備だとエドガーも言っていた。
あとは、メインで使うことの多い小弓のレベルアップになるのだが、市販されている狩猟用の弓は、フェルでは引くことが精いっぱいで、まともに射ることが出来なかった。
フェルが使える弓だとやはり、今使っている物ぐらいになってしまい、それだと今の物と性能があまりかわらなかった。
「うーん。今日の魔猪も、危ないところが結構あったしなぁ。」
「うーん。精霊の力も、まわりにバレずにとなると、なかなかねぇ・・・」
しばらく、悩んでいるとふとフェルが何かに気付いた。
「ちょっとティルク・・・」
そういうと、フェルはティルクにあるアイディアを告げて実現可能かどうかを確認する。
「フェル。あったまいーい。」
そういうと、二人はそのアイディアで盛り上がる。
「よし、明日実験しに行こう!」
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