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僕は、魔法が使えない。  作者: アーシェス
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34 パーティーを組みました。

新人教育の残りの期間は、戦闘訓練とメリダの森との実地訓練の繰り返しとなった。

ネールさんは、忙しかったのもあり、流石にあれ以降は参加しなかったが、エドガーとリュークの訓練も結構なハードさであった。その分、成長も実感できる内容になっている。

バーンでさえ、それなりに様になるぐらいには・・・。


メリダの森での採取結果報告の際に聞いた話だと、ここまでの密度の新人教育は珍しいらしい。

まず、教官もそこまで熱心に教えないし、生徒である新米ハンターもついてこれないのだという。

ここでも、バーンの疲労回復役の効果もあるのかもしれない。


メリダの森での採取では、バーンの指導の下、かなり効率的にうまい採取が4人ともできるようになっていた。そう・・・2人ではなく4人である。

「うーん。剣はからっきしだが、採取の知識では敵わん・・・。」

そういいながら、学ぶエドガーとリュークであった。


・・・・


「さて、これで新人教育訓練は終わりだ・・・。お疲れ様。

今回は、自分たちも色んな面で新しい気付きや力量アップができた・・・。

逆に礼をいうぞ。しかも・・・地味に採取で儲けさせてもらったしな・・・。」

「こちらこそ、ありがとうございます。」

「とりあえず、伝えられることはすべて伝えたはずだ。

また、困ったことがあれば、相談ぐらいはのるから安心しろ・・・。

というわけで、今日は打ち上げをやるぞ!安心しろ。俺達のおごりだ。」


・・・


約束の双子亭では、ルルドとコーリーが次々に食べ物を運んでくる。

「今日はハンター合格祝いを兼ねてだから、これで頼む」

と金貨5枚をエドガーがルルドに渡したのである。

高級店ならいざ知らず、ここでは食べ放題・飲み放題ができる額である。

普通であれば、1週間の新人研修依頼の報酬であれば、赤字になりかねない金額なのだが、採取と討伐でいい値段がついたので、これでも黒字でなのだ。

結局、3度行ったメリアの森では、討伐だけでもコボルト7匹、森ウルフ5匹。狩猟では小猪3匹に角うさぎ4匹、そして採取は山盛りである。

新人の評価ポイントは320P 貢献ポイントは55P(フェルは155P)となっていた。


なぜかいつものコーリーとランディも一緒になって、かなり飲み食いがすすんだあと、リュークが切り出す。

「ところでお前たち、明日から何を目指していくんだ?」


ハンターとしての生き方は様々である。

実績を積み、騎士や魔術師として士官を目指す者もいるし、ひたすらロマンを求めるものもいる。

ただ、一番多いのは、”生きていくために金を稼ぐ”という者であることは間違いはない。

新米ハンターの多くはそうだし、最初はそれでもいいのかもしれない。

多分・・・答えはない。


しばらく3人は悩んだ後、それぞれの答えを出していく。

「僕は、やっぱり店を構えたいんですよね。自分の薬局を・・・。

いずれは、”ポーション”を売れるような・・・。そのために、資金を集めたい。」

「私も、少しでも家計を支えて、弟達を学校に行かせてあげたいの。」

バーンとクリスの答えは、明瞭だ。ハイリスク・ハイリターンのハンターになった理由そのものなのだから。

一方で、フェルは明確な目標が持てていない。

「うーん。僕は、今は生活していくのにハンターになったんだ。

家には、僕の居場所がなかったからね。

宿に泊まるにも、食事をするにもお金がいる。それ以外に目的は・・・まだないかな・・。」


「素直な感想だな。まぁいい。

それよりも今後のパーティとかも考えんといかんぞ。

ベテランに加えてもらうというのも悪くないし、新米研修のメンバーで組むような場合もある。

俺たちのところと言ってやりたいところだが、俺たちは護衛依頼を受けることが多いから、ちょっとおすすめしづらい。盗賊相手の場合、駆け引きも含めて呼吸が大事でな・・・。新米をつれていくのはちょっとリスクが高すぎるんだ。」


ハンターの活動形態も様々だ。ソロで依頼をこなす者もいれば、エドガーとリュークのように気の合うペアで組む者、最も多いのは、4〜6人程度のパーティを組み活動する者だろうか。


3人は、顔を見合わせる。

この1週間切磋琢磨してきたメンバーであり、それぞれの特技も十分見てきた。

バーンの採取知識や薬は、資金面でも助かるし、何より一人だけ年長で社会経験がある。

フェルやクリスは、ベテランには遠く及ばないものの戦闘能力があるし、狩猟もうまい。

メリアの森などの狩場であれば、十分に対応できる能力はおそらくある。

ベテランハンターと組むというのも良いのかもしれないが、今のところ良い心当たりもないし、チームによっては、新米は貢献ポイントや分け前がほとんどないことも多いらしい。

お金のいる3人には、それは厳しい。


「『よかったら・・・』」

3人の声がハモった。


・・・・・

実際のところ、このパーティは悪くはない。

欲を言えば、魔法が使える者がいると心強いが、近隣で採取や狩猟メインで経験を積む段階であれば、それも必須というわけではない。

新米ハンターで魔法を実践レベルで使えるものは稀であるし、もし使えれば飛び級でFランクスタートなので、ちょっとパーティーでも浮いてしまうかもしれないのだ。


エドガーとリュークは、最後の仕事ともいえるパーティ結成を終えて満足げに頷き合った。



いつも読んでいただいてありがとうございます。

ブックマーク&評価もありがとうございます。毎日ほんのすこーしですが増えていてうれしいです。


普通の先生なら、1話ぐらいで終わらせれそうなところを、分割になってしまって申し訳ないです。

これも、アイディアや文章力の稚拙さと、

今日どこまでかけるかわからないから、とりあえず更新だけしとこう・・・

というスケジュール力のなさによるものですので、もうちょっと慣れれば・・・と思っています。

温かい目で見てもらえると嬉しいです。


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