27 買い物
エドガーは、ギルドにはいると、フェルに片手をあげて合図をおくるとそのまま掲示板へ行き、一枚の依頼書をとって、受付に向かった。
”新米ハンター教育依頼”
依頼書にはそう書かれていた。
「エドガーさんとリュークさんでお受けになるのですね。ええ、お二人であれば問題ありません。」
受付嬢が受注手続きを進める。
いくつかの確認事項を話し終わった後、エドガーは3人の新米ハンターの元に向かった。
「待たせたな。フェル。あと君たちが新しくハンターになったバーン君とクリス君だね。
俺は、エドガー。この街に所属するCランクハンターだ。
明後日からの”新米ハンター教育”を担当することになった。よろしく頼む。」
そういうと、フェルの隣に座った。
クリスとバーンは、恐縮しながらも自己紹介をする。
バーンは薬師として店を持つことを目指しているらしい。
しかしながら、それには資金もいるし、安定した薬材の確保が必要になる。
しかしながら、一部のメジャーなものはともかく、多くの薬材は安定して仕入れるのは難しく、扱いが難しい物もあるため、高品質な材料を得るためには自ら採取もできるようにとハンターとなったらしい。
戦闘はまだほとんど経験しておらず、魔法も実用レベルではないらしい。
クリスは、猟師の家庭に生まれたのだが家計を支えるためにハンターになったらしい。
どうやら、罠や吹き矢の技術は父から教えられたということだった。
フェルは、街から出てきたときにエドガーに会ったことと、それ以降様々なことを教えて貰ていることを説明した。
しばらく、会話をした後エドガーは、フェルと共にウルズ防具店に行くことを話をした。
「時間があるなら、お前たちもどうだ?今は必要なくとも良い店は知っとくに越したことはないぞ。」
「お願いします。」
二人の声がハモった。
・・・
ウルズの店も、ギルドからさほど離れていない場所にある。
様々な鎧や盾などがディスプレイ置かれていて、それなりの広さがあるようだ。
「修理だとどれぐらいかかる?」
そういうと、エドガーは店主にフェルの裂かれた革鎧を見せる。
「これだと、買い替えたほうがいいな・・・。元の素材も大したことないし・・・。」
そういうと、フェルの方を見て
「坊主のサイズだとそのあたりの品になる。
あと、中古でよけりゃぁこないだ修理したやつでおすすめなのがあるな。」
そういうと店主のウルズは、後ろの棚から前面に鱗の張り付いた革鎧を出す。
「蜥蜴人<リザードマン>の鱗皮を一部使ったもので、一応”硬質化”の魔法がかかっている。
普通に買ったらそれなりの値段しちまうんだが、サイズがあんまりでないのと、下取り品をいくつか合わせたリメイク品でな。魔法もちょっとムラがあるB級品なんだ。だが、普通の革鎧とくらべればずいぶんましだぞ」
そういうと、フェルに鎧を渡す。
今までのものよりも、少しだけ重いが慣れればそこまで動作に問題はないだろう。
丈夫さは、これまでのものと比べるべくもない。左の肩には上腕部を覆う大きさの肩当までついている。
問題は値段だ・・・。
「金貨15枚ってところだな。」
フェルの懐(”転送先”もあわせるとだが・・・)には金貨はまだ50枚以上あり買えなくはない。
フェルがちょっと迷っているのをみると、エドガーがフェルに声をかける。
「どうした?足りないということはないよな・・・。」
普通であれば金貨15枚は大金であるが、フェルはまだ金貨を30枚は持っているであろうことをエドガーは知っている。
「いや、剣と言い鎧と言い結構高い物なんだなぁと思って・・・。結構手持ちのお金が速くなくなるから心配なんだ・・・・。」
「防具は、文字通り命を守るものだ。値段も張るが死んじまったら、それこそ金なんて価値がない。
できるだけ、装備はちゃんと投資した方がいいんだ。
こいつはウルズのおっさんの言う通り、お買い得品だ。上を見ればきりがないが、普通の革鎧を買うよりも絶対にいい。」
フェルは少し考えた後、皮袋に金貨を”転送”してもらうと新しく鱗鎧を購入して装備をする。
他の新米ハンター2人は、フェルが金貨15枚を払うのを一瞬うらやましそうに見ていたが、すぐに表情を戻す。
これから1週間、どんな講習かわからないが、また実地訓練があった際に、仲間の装備レベルが高いことはありがたいことだからだ。
その後は、しばらくウルズによる防具のこだわりを4人は聞かされることになるのだが、それはそれで新米ハンターには新鮮であった。エドガーは、ちょっと疲れていたが。
・・・・
店を出て、皆と解散をしたフェルとエドガーは「約束の双子亭」につくとリュークと共に、外の新人ハンターの話をリュークにしながら食事をすることになった。
朝は、落ち込んでいたフェルもかなり元気になったようで、時折笑い声をあげる。
そして、気が付けば、店主のコーリーとコックのランディの二人も話の輪に加わっている。
その様子を、ティルクと看板娘のルルドちゃんが、眠たそうな眼で見つめていた。
ひそかに、息抜きにハスクラ系の小説を書いてみました。
話の展開は早く、更新速度は「魔法が使えない」より、かなりゆっくりになると思います。
もしよければ、見てやってください。




