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僕は、魔法が使えない。  作者: アーシェス
23/106

23 森の熊さん2

「やぁぁ!!」


フェルは、剣を抜くと両手で構え、熊に叫び返す。

怯んだら、負けだ。


赤毛熊は、一気にフェルに駆け出すとフェルにその全体重をのせて突進してくる。

空気を震えさせるかのように力強い圧力が、フェルの足を竦ませる。


それでもフェルは、身体を捻り、かろうじて横にでかわす。

メキメキっという音がすると、赤毛熊の突っ込んでいった大木が軋み、葉が大きく揺れ、実が落ちる。


「ドリュアデス、少しでいいので腕を止めて!」


フェルが叫ぶと、ぶつかった木の上から、蔦がすごい勢いで伸び落ちてきて、赤毛熊の身体を腕ごと縛ろう巻き付いていく。まるで細い蛇が何匹もまとわりついていくかのようだ。


しかし赤毛熊には大した効果はないらしく、赤毛熊が全身に力をいれて腕をふりあげると、蔦はブチブチと切れていく。

ティルクは、蔦が切れるのをみると悲鳴をあげて、青白い顔でオロオロするばかりである。


「今だ」

赤毛熊が、蔦を振りほどく時にできた一瞬できた隙を狙って、赤毛熊の脇側から赤毛熊の心臓めがけてフェルは剣を突き出す。

いくら強力な魔物でも心臓は急所のはずであり、フェルの膂力では切ることよりも突くことの方が効果が高い。

力不足はわかっているが、たとえ倒せなくとも、逃げる隙ができれば十分だ。


ブゥン。ドサ。

フェルの身体が宙を舞い、木にしたたかに打ちつけられて止まる。

思わず、うめき声がでる。

反射的に自ら後方に跳んだため、傷はそこまで深くはないが、革鎧が下から裂け、うっすら血がにじんでいる。

そして、動こうとすると、あばら骨のあたりに軋むような痛みが走る。

怒り狂った赤毛熊の右手がフェルを吹き飛ばしたのだ。


フェルの刺した剣は、赤毛熊の毛皮に半分ほど刺さるたのだが、強靭な筋肉に阻まれて心臓には届かなかった。胸からは剣のところから血がながれてはいるが、おそらく軽傷だ。


「まずいなぁ・・・」

満身創痍ながら、それでも、フェルは”水樽”の剣を構える。

先程の剣と比べると、かなり頼りないできであるが、素手よりはずいぶんマシである。

実際、大狼はこの武器で倒している。


赤毛熊は何事もなかったかのように、フェルを見下すと、獲物にとどめを刺すべく、再び突進をする。

200㎏以上と思われるその体重でまともにぶつかっては、内臓破裂は免れない。


「ドリュアデス」

今度は、赤毛熊の足回りに蔦を這わして、足を絡めるように指示する。

「ほんの短い時間、体勢を崩すだけでもいい。一か所に集中して!!」

そう支持をすると、赤毛熊の前に、丈夫な足くくり罠のように結ばれた蔦の輪ができる。

赤毛熊の右前足は見事にひっかかり、つんのめるように少し体制を崩す。


フェルは、その隙を逃さず、今度は右目に向かって剣を突き出す。

眼も急所の一つであり、眼には心臓のような強固な筋肉はない。

ここならば!と起死回生の一発として、突き出された剣は、見事に右目を串刺しにしたが、直後にボキッという音がして、折れてしまった。


「排水」


赤毛熊の右目と鼻から水が溢れ出た。

突き刺した眼を通して鼻にも水が流れているのであろう。

流水などは当然、致命傷には程遠いが、赤毛熊は何が起きたかはわからず暴れまわる。

あまり攻撃に向く魔法ではないが、それでも相手を混乱させることには成功したようだ。


フェルは、一度体勢を崩しながらも、草むらの上にはじきとばされる。



「火球<ファイアーボール>!」


森の中から、火の玉が現れ、赤毛熊の背中にぶつかると飛散する。

肉を焦がすような匂いがすると、「グワァァ・・・」と赤毛熊の叫ぶ声がこだまする。

さらに続けて2発の火の玉が赤毛熊に襲い掛かる。


「待たせた。」

そういうと、ネールはフェルと赤毛熊の間に飛び込んでくる。

そしておもむろに、赤毛熊の眉間めがけて剣を振る。

眉間の傷から血が飛び散り、さらに興奮した赤毛熊が暴れようとする。


ネールは仁王立ちになって暴れている熊の死角に入ると、低い姿勢のまま心臓部分をめがけて突進し、剣を深々と突き上げる。


突きあげられた剣は、背中まで貫通しており、血しぶきが上がる。

そして、大きくビクンと身体をひきつらせると、前のめりに倒れていくことになった。

ネールは素早く剣を離し、その巨体の下から逃れると、予備の短剣で眉間を深々と突き刺した。


フェスカは、急いでフェルに駆け寄って傷を確認する。

胸部の肋骨が何本か折れている可能性があるが、それ以外には軽いひっかき傷と打撲程度しか損傷は見受けられない。一歩間違えれば死んでいる状態であった。


フェスカは急いで応急の治癒魔法の詠唱をすると治療にあたり始める。。

来るときに用意していたものは、火球の魔法を使うために破棄してしまっていた。


「助かりました・・・。」

フェルは、心底疲れた顔をすると、草原に背中を預け、大の字になった。





初コメントいただきました。ありがとうございます。

そして、恥ずかしいミスを見つけていただきました。


どこかで、立ち止まってちゃんと構成しないと、結構 誤字・脱字・誤変換・二重投稿とかしてそうです。


でも、ただでさえ、話がゆっくりなので、展開をすすめるのを優先します。

もし、おかしいところあれば、どんどん教えていただけると嬉しいです。


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