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僕は、魔法が使えない。  作者: アーシェス
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18 ハンター試験 3

「お疲れ様。」

戻ってきたフェルの顔を見ると、受付の女性は少し困った顔をしながら話しかける。

何度も見てきた光景だが、自分の息子ぐらいのフェルが顔の落ち込む顔をみるのは、あまり気持ちの良いものではない。


「大丈夫よ。勝敗は関係ないから。

大体、試験管とまともにやりあえる人なんて、年に2人もいればいいぐらいだから。

それよりも、次の試験なんだけど・・・」


次の試験は「魔法力検定」になる。

だが、フェルは試験をするまでもない。無紋だからだ。


「一応、規則なので実施するわね。」

そういうと、2階の小部屋にフェルを案内する。

部屋の中には、机があり真ん中に水晶が置かれている。


「この水晶の中に魔力を放ってもらうのよ。魔力をコントロールできると、魔力の質に応じて中に炎が出来たり色が変わったりとするんだけど・・・」


ティルクが水晶を面白そうにのぞき込む。

フェルは、念のために水晶に手を当てて念じてみるが変化はない。


「だわね・・・。まぁ、一応はこの部屋にこないと他の方にあやしまれるから。」

フェルは、さらに力を込めてみるが、やはり何も変化はなかった。


「これ・・・不合格になっちゃいます?」

フェルはおそるおそる尋ねる。


「あぁ、これも大丈夫よ。試験を受ける人だと半分以上の人は何も反応しないから。

これは、最初のハンターランクを決めるためのものよ。」

そういうと受付の女性は微笑みながら、扉を開けると部屋の外へ出るように促した。


カウンターに戻ると、受付の女性に今日の試験の終了を告げる。

「お疲れ様。今日はこれで終わりよ。

野外活動試験は、明日の受験でよかったのよね。

集合時間は朝7時だから遅れないようにしてちょうだい。

外に採取に行ってもらうので、必要と思う物は持参して頂戴。

準備も試験の一環だからね。あと、終わるのは多分夜になるからよく考えてね。

まぁ、エドガーさんにアドバイスをもらうのは禁止ではないけど、準備は自分でするようにね。

・・・何か質問は?」


フェルは少し考えると

「あの・・・明日試験を受けるのは何人ぐらいいるんですか?」と尋ねる。

採取の種類などもっと聞くべきことがあったかもしれないが、緊張と戦闘試験の結果に落胆するフェルには、それぐらいしか思いつかなかった。


「えっと、あなたを入れて3人ね。

1人はちょっとお兄さんだけど、もう一人はあなたと同じぐらいの歳の子よ

まぁ、明日のお楽しみね」


・・・・・

フェルとエドガーは、ギルドをあとにするとギルド近くの『冒険者の店』に向かう。


『冒険者の店』とは、文字通り冒険者やハンターのために、キャンプなどに必要様々な道具を扱う店である。ナイフ、ロープ、キャンドル、毛布、保存食のようなものから背負い袋、剣帯、テントのようなものまで武器屋防具以外のものは、この店だけでほとんど揃う。


「そう落ち込むな。筆記試験は問題ないし、戦闘試験だって俺の見たところ悪くはないはずだ。

いっておくが、ネールさんは、俺でも3回に1回勝てればいいほうだからな。全盛期だったら、10回に1回かもしれん。」


いまだにフェルは元気がない。ネールとの試験はそれだけショックだったのだ。


「明日の採取だが、当日まで課題が何かわからん。

一般的には、角うさぎのような動物か、カレー草やチコリ草、食用茸などの植物の採取だと思うが用心に越したことはないな。採取用の武器や道具、持ち帰り用の袋、食料や水、この辺が用意するべきものだな。」

試験は、採取場所までは試験官が同行するらしいが、よほどの危険がない限り手助けや手出しはしないきまりとなっているらしい。

というのも、試験は比較的安全な森などで行われるが、魔物たちにとってみればこちらが試験だろうがなんだろうが関係はない。過去には灰色熊などに遭遇した事例などもあるというからハンター歴のある試験官の同行は必須なのだ。


フェルは麻袋を2枚と乾燥肉、そしてスコップとロウソクでつかうカンテラ、火打石を購入する。


エドガーはフェルが選んだものを見て、少し感心する。

「いいセンスをしている」

予備の袋というのは嵩張らないわりには使い勝手が良い。

予想外に沢山の採取が出来た時や、今の袋がなんらかのアクシデントで敗れた時以外にも、罠を作ったり、いざとなれば破いて包帯などの代わりに使うこともできる。

それに、植物系の採取の場合にはスコップがあると圧倒的に作業が速い。

そして、戻りが遅くなることを想定してカンテラを買うあたりは、駆け出しのハンターでも気づかない注意深さだ。


「ほかに何か必要なものがあるかなぁ・・・」

フェルはエドガーに尋ねるが、エドガーは十分だと答えるのみである。

本来であれば、この他に水筒がいるのだが、水は例の剣があれば事足りる。

武器は新しく買った剣があるし、おそらく、フェルはいつもの手製弓を持っていくだろう。

必要以上に荷物を増やすと、それは体力の消耗を促すので逆効果になる。

それは、身体の成長途中であるフェルには大きな負担になる可能性があった。


「では、帰って飯を食ったら寝るぞ。

明日は早い。しっかり準備をして行けよ」


そういって「約束の双子亭」へ戻っていくのであった。









さて、今日はこの辺で・・・・

次は野外活動試験です。新たな登場人物・・・さて、どうしましょうか。

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