15 フェル 武器屋に行く
「フェル~。朝だよ~。」
ティルクは、フェルの鼻の頭をツンツンしながら起こす。
時刻は7時をすぎたあたりだが、日が出てからはもう1時間半は立っている。
階下からはすでに、カランコロンという出かける者が扉が開ける音が聞こえる。
昨日は、結構遅く(といっても10時ぐらいだが)まで飲み食いをした。
最後は、店主のコーリーとコックのランディの双子の兄弟も一緒になっていた。
二人共、頭は黒光りしていて顔立ち・体つきともにそっくりであるが、弟のランディは口に短い髭を生やしている。
二人とも、かなり豪快な正確なようで、話していて楽しかった。
この宿の食事は、味もボリュームもかなりよくかなりよく、エドガーがおすすめする理由がよく分かった。フェルは軽く体を拭いて服を着替えると、朝食を食べに降りる。
昨日の話だと、連泊する場合は洗濯は、頼めば銀貨1枚で依頼できるらしい。
また、ハンターはおいしい依頼で急に出かけることもあるため、大体朝ギルドで情報を確認をしたあとに、延泊や洗濯の依頼をするのが普通だという。
「お、フェル。遅かったな。」
エドガーとリュークが朝食を食べながら声をかけてくる。
フェルはルルドに朝食を頼むと小銀貨8枚を払う。
朝食は、パンと目玉焼きに燻製肉オレンジジュースといった簡易なものだが、パンも燻製肉もボリュームがあり、フェルには少し多いぐらいだ。
「今日の予定を確認しておこうか」
エドガーが、朝食を食べ終わると切り出した。リュークは既に食事を終えている。
「まず、俺はギルドに情報の確認にいくので、フェルはリュークと武器屋にいくといい。8時ごろにはあくはずだ。昼前にはギルド前に集合しよう。」
エドガーは、昨日もギルドの掲示板は軽く確認していたが、1週間以上開けていたし、朝は情報や新しい依頼が集まりやすい時間なので行くならこの時間帯らしい。
食事を終えると、フェルは洗濯と延泊を依頼し、銀貨を払うとリュークに連れられて武器屋に向かう。
表通りから少し入ったところだが、宿からそう離れていない場所だ。
聞けば、ハンターに必要な装備や道具、宿などはギルドの周囲1km以内に集中しているらしい。
ガランゴロン。
ギルドの扉と同じような低いドアチャイムがなる。
扉を開けると、ムッという熱気と金属を打ち付ける音が伝わってくる。
武器屋というが、どうやら鍛冶工房を兼ねているようである。
「あ、いらっしゃい。」
線の細い中年の色白の男性が奥から出てくる。
「じゃまするよ。」
そういうと、リュークは剣のあるコーナーへ行くと棚に飾ってある剣を触りながら言う。
「いいか、フェル。掘り出し物ってのもなくはないが、命を預ける以上、金貨10枚以下の剣はやめておけ。物の値段ってのは基本的に性能に比例するもんだ。
最も金をかけりゃあいいってもんじゃない。自分に一番合うものを選ぶのが大事だ。」
そして、一本の剣を手渡す。
刀身は30㎝ぐらいの肉厚の片刃の剣だ。
刃には、綺麗な刃紋が浮かんでおり見るからに鋭い。
サイズは家から持ってきた剣と同じぐらいのサイズだが、明らかに質が違うのがわかる。
「これ、いい剣だねぇ・・・」
ティルクが剣の先を間直に見ながらつぶやく。
剣には、ティルクの顔が鏡のように写っている。フェルとティルクにしか見えないが・・・。
「振ってみろ」
リュークの指示に従って、フェルは軽く剣を振ってみる。
驚くほど、軽くふれる。
「これ、すごくいいです。」
フェルの反応を見たリュークは、店員に試し切りができるかを聞く。
そうすると、店員は「銀貨1枚」といって、中には、固定された棒に、藁を巻き付けてロープで縛った「的」が置いてある部屋にフェル達を案内してくれる。
この銀貨は、冷やかしを減らすためのもので、実際には何かしらの買い物をすれば返却されるらしい。
フェルは何度も「的」切りかかる。
既に藁は何か所も切られておりボロボロである。
しかし、剣は刃こぼれ一つしないし、藁からもすぐに抜ける。
切れ味が衰えていない証拠である。
30回ほど切りかかり、フェルが肩で息をしだすと、リュークは
「肩に力が入りすぎだな。」といいながら、終了の合図を送る。
剣につけられた値段は金貨25枚。良い値段である。
剣には「巖鉄」という耐久強化の魔法が先ほどの店員によって付与されているらしく、ちょっとのことでは刃こぼれしないらしい。万が一の際は、ここで研ぎなおしてくれるという。
普通の駆け出しのハンターには手が出ない品であるが、幸いフェルは初日に60枚近くの金貨を得ており、十分手が届く品だ。
「正直、実力にあっていない武器だが、腕が足りない部分は道具で補うって考えれば悪くない。
それに、その品はかなりお値打ち品だ。なによりお前さんの体格にも合っている。」
リュークはそういって、槍のコーナーで自分のための武器を見る。
「ティルク。金貨25枚出して」
皮袋の重みがふえたことを確認して、フェルが先ほどの店員にこの剣の購入意思を伝える。
店員は、正直フェルがこの剣を買えるとは思っていなかったようで、一瞬驚いた顔をしたが笑みを浮かべる。
店員は、フェルのボロボロの剣帯をみると、サービスとして新しい革製の鞘と剣帯を用意してくれる。
このクラスの武器は、そう頻繁には売れないこともあるが、どうやら自分の付与の中でもこの剣は自信作であったらしく、それが売れたのがうれしいらしい。
フェルは、新しい剣帯を腰に巻き、剣を佩く。
大金を払ったということもあって、昂揚しているのが自分でもわかる。
「フェル。カッコいいよ!」
ティルクに言われて、ちょっと赤面するフェルであった。
ブックマーク&評価ありがとうございます。
なろうを最近知って、他の作者さんの作品を読んで、それに触発されて軽い気持ちではじめましたが、書いてみると文章って、難しいなぁと改めて実感しています。
気をつけているつもりですが、ですます調とである調が混在するような初歩的なミスを結構してしまうものです。
もっと、ちゃんと校正すべきなのでしょうが、「話を進めてナンボ」のところもありますので、「愛嬌」と思って脳内変換していただけると助かります。




