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僕は、魔法が使えない。  作者: アーシェス
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100 撤退2

祝福<ブレス>によって、筋力・魔力から動体視力にいたるまであらゆる能力が底上げされると、一気にフェル達は攻勢に出る。圧倒的な火力こそないが、魔法で膂力のあがった一撃は、リザードマンの硬い鱗すら引き裂くことができるはずだ。


ニースは、上手く距離をとりながら、3体のリザードマンの攻撃をいなし、後衛に敵が向かわないように防ぐ。リーチのある槍は、攻撃を取りながら、上手くけん制をするのに向いている。

そこへ、フェルの矢が狙いを定めて矢を射る。

敵に致命傷にはいたらずとも、フェルの矢やクリスの魔法は相手の動きを鈍らせることができる。

そこを、ニーズがすばやく敵の攻撃を裁きながらも一撃を加えるのだ。


ニースの槍が一体のリザードマンの顔面を貫く。

新しくした槍は使い勝手が良く、吸い込まれるように急所に刺さると貫通をしていた。

相手は即死であるが、刺す時とは逆に、抵抗がなくなったリザードマンの体重が槍に圧し掛かる。

引き抜くのが難しいとみたニースはすばやく槍を手放すと、予備のショートソードを引き抜いた。

他の2体からの攻撃をいなし続けるために、槍に固執し続けるのは命取りになる。

これといって特長のない刃渡り30センチほどの片刃の直刀であり、魔物が使っていたもので程度の良かったものを拝借したのだが、これが意外と使いやすかった。

相手が2体になったことや、フェルの矢が1頭の右腕に深々とささって、武器をもてなくなっていることもあって、距離は詰まるものの、ニースは軽々と相手の攻撃を防ぎ、相手の体力を削っていく。




「これで、あと4匹!!」

ギルも相手の攻撃を盾で受けるとそのまま体重を乗せて突き返す。

相手が倒れた隙に、別の一頭に近づくと、すばやく相手の槍をかいくぐって袈裟切りに切り伏せた。

大量の血しぶきが上がり、切られたリザードマンは仰向けにと倒れこむ。

即死か気を失ったかはわからないが、少なくとも致命傷には違いない。


ギルは、すばやく踵を返して、体勢を崩したち上がろうとするリザードマンにも大上段から剣を振り下ろす。とっさにリザードマンが掲げた槍に阻まれるが、さらに二度ほど打ち合った結果、相手の槍は柄の部分からポッキリと折れて使い物にならなくなっていた。


リザードマンにも鋭い爪があるが、リーチも短く跳龍のような殺傷力はない。

止めとばかりにギルが剣を振るうとリザードマンは首を刎ねられ、大きく痙攣したあと倒れた。





ウェンツは、ボスと思われるリザードマンと遣り合っていたが、祝福<ブレス>を受けているにもかかわらず、押されていた。

相手の鱗が硬く、剣が突き刺さらないうえ、相手が振り回すグレートソードの一撃が重いため、かわすために神経を集中させる必要があった。


「流石というところか・・・・。」

このリザードマンは強い。

ウェンツのこれまでの経験がそう語っていた。

膂力はもちろん、すばやさに狙いの正確さなど、一流のハンターに通じるものがある。

「祝福<ブレス>がなければ、ヤバかったかもな。」

そういいながら、相手の体勢を崩そうと盾ごと突進をする。

リザードマンは、その一撃を剣を構えたままの姿勢でサイドステップでかわそうとするが、それを許すウェンツではない。

相手の体勢を崩すことまでは出来なかったが、懐に潜りこみ、盾を相手に殴りつけるように当てる。

盾のリザードマンの鱗とボスの鱗がガチガチと音を立てながら擦れる。


大型の両手剣であるグレートソードは、恐るべき破壊力を持つが、密着されては剣を振るうことができない。

ウェンツは、セミスパタを何度も鱗に突き刺そうとするが、傷つくもののえぐることができない。

たまらず、リザードマンは、尾を鞭のようにしならせて、身体を回転させ、ウェンツを狙う。



「ちっ・・・」

相手を蹴り飛ばすようにして、再び一定の距離をとって剣と盾を構えなした。




「おまたせ!!」

ギルが、ニースを攻めていたリザードマンに後から走り寄ると、袈裟切りに切り落とす。

フェルが腕に矢を刺して弱らせていた個体である。

大きくギャァと吼えると、ギルに背後から胸を剣で貫かれて絶命した。


さらに、残りの一匹は、クリスが魔法で援護したところを見計らってニースが胸にショートソードを深々と突き刺して止めを刺している。



「さて、後はお前だけだ!!」

ウェンツが叫ぶと、ボスと思われるリザードマンは大きく叫び声を上げながら、後方へ走り出した。

グレートソードを肩にかついだままにもかかわらず、かなりのスピードだ。

「な・・・逃げるのか」


フェルが弓を射掛けるが、流石に届かなかった。


「追う?」

ニースが問うが、ウェンツは黙って首を横に振る。


「いや、用は済んだ。撤収だ。」

フェルは、リザードマンを回収してまわる。全部で7体。

かなりの稼ぎになるはずである。


「気をつけろよ。さっきのやつは他の奴と明らかに強さが違った。

仲間を引き連れてまた来る可能性もある。疲れているかもしれんが、急いで戻るぞ」

そういうと、急ぎ足で丘陵を登り、帰途についた。











誤字修正機能・・・便利すぎます。

そして、早速の指摘ありがとうございます。


そして、キリ番100です。

だらだらと書き綴っておりますが、読んでくださる方々のおかげで続いています。

感謝です。

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