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転生!我らは勇者なり!  作者:
第一章『初めての転生』
6/18

初めての亜人


誰かの足跡が聞こえる──その音と共に聞こえる四人の声。


 徐々に目が覚め始めるが、いまいち意識がはっきりしない。


そして、妙な気だるさがある原因を記憶の中から探り始め、昨夜のコーヒーを思い出す。


 「ん゛──!!?」


 気づけば頭から厚めの麻袋の様な物を被らされ、両手足をロープで縛られている。


 「お目覚めか? 悪いな…これからお前は奴隷商人に売り飛ばされる」


 俺の声に反応を示すのはお馴染みザックだ。


奴隷商人と言う聞きなれていなくても、最悪の想像しか浮かばない単語を聞いたことで、この状況を打破する方法を必死に考えるが、どうも頭が回らない──焦りと眠らされた薬の所為なのだろう。


 「止まれ! 誰かいるぞ」


 そんな声を誰かが上げると、ザック達は足を止める。いよいよ死を覚悟したのだが──。


 「そこのハゲ共! そのでっかい荷物を置いて行ってもらおうか」


 「「「「誰がハゲだ!!」」」」


 初めて聞く声の罵倒にザック達は同時に否定の声を上げる。


顔を覆われているために状況が把握出来ないが、ザック達の声を聞く限り待ち人ではないようだ。


 「お前…奴隷商人じゃねぇな? それに、亜人だな? 何モンだ?」


 「何でそないな事言わなあかんねん? えぇから早よそのガキ置いて失せろや!」


 「誰がてめぇなんかに渡すかよ!」


 「せやったらしゃあないね」


 元いた世界では馴染みこそないものの、メディアなどで度々耳にする関西弁で応対する男。


そして、亜人と言う謎の単語に首を傾げる。


 「舐めやがって! 野郎共! やっちまえ!」


 「「「おう!」」」


 「しゃあないの~」


ザックは俺を雑に地面に転がし、関西弁の男と戦闘に入った様だが、一瞬音がしただけで静寂が訪れる。


次に聞えたのは、ザックの怨嗟混じりの声──。


 「畜…生っ……!」


 「大丈夫か?」


 顔を覆っていた物が外され目を開けると、身長170程だろうか──虎と人間が融合したような男が立っていた。


 琥珀色の双眸の男は、フード付きの黒いロングコートに、黒のレザーのパンツに黒のブーツを履いている。


 そして、鋭利な爪で俺を縛っていたロープを拘束を切ってくれた。


 「あの、助けてくれてありがとうございました! それでは失礼します」


 「待たんかいワレェ!」


 俺は礼を言い、踵を返して帰ろうとするが──首を掴まれ、引き止められる。


 「なんですか? 離して下さい」


 「キミ…ヴァルクス君やろ?」


 振りほどこうとする俺に男は問いかける。何故か俺の名前を知っていることで更に警戒心が強まるが、それも杞憂だったようだ。


 「ワシはギルドに頼まれてキミを迎えに来ただけや。心配することあらへんよ」


 「そうですか。ではお疲れ様です」


 「せやから待てや! 何ですぐ帰ろうとするん?!」


 すぐにでも帰りたいが、虎男がそれを許してはくれない。


 「僕になにか用ですか?」


 「せやから、ギルドに頼まれて迎えに来たんや」


 恐らく、ギルドの受付嬢──リルの差し金だろう。


 しかし、誘拐されそうになった直後だと言う事もあり、すぐには信じる事は出来ない。


 「これ見せたらちょっとは信じるか?」


 そう言いながら、虎男は一枚のカードを差し出す──それはステータスプレートだ。


 「ワシのステータス見てみぃ」


言われるままに、ステータスを確認すると──。


名前:ラトラ・トラータ


才能(クラス)・双剣士


年齢・15


性別・男


階級(ランク)・C


固有技能(ユニークスキル)・【瞬速】【野性化】


才能技能(クラススキル)・【二刀流】


武器技能(アームズスキル)・【剣術】【体術】


──と、表示されていた。


「これで、少しは信用出来たやろ?」


そう言いながらニヤリと、笑っている虎男──もとい、ラトラ。


「ラトラさんですね。分かりました──では。」


「やからすぐ帰んなや!」


「あの……ホントに勘弁して下さい」


「なにがやねん!」


プレートをラトラに返し、帰ろうとするが邪魔されてしまう。


そろそろ本気で面倒くさくなってきた。


「しゃあないのぉ」


そう言いながら、左腕の袖を捲り、そこに刻まれた字を見た俺は目を見開く。


桐生(きりゅう) 刃夜(じんや)──それがワシのホンマの名前や」


驚愕の表情を浮かべる俺を見て、満足そうに笑いながら、さらに続けるラトラ。


「今度こそ信用出来たやろ? 武クン? 」


これが俺以外の転生者との初めての出会いだった──。

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