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ディメンショナルパークと最新ゲーム

春休み、俺は東京にできたばかりの最先端の遊園地に来ていた。

この遊園地は東京湾の上に作られた遊園地で世界最大の遊園地[ディメンショナルパーク]。

今日は初日、抽選で当たった10万人しか入場できないようになっている。

一部のアトラクションでしか遊んだりはできないが広大な敷地ないを歩いたりお土産を買ったりできる。

その特別な日に俺はその抽選で見事当たり今遊園地の外で並んで待っている。

このディメンショナルパークは入り口が何個かあるが今日は一つに限定されている。

正直自分の中の運をすべて使い切った気がする。だがこれくらい安い代償だ。なぜなら個人的には遊園地にはあまり興味はないがこの遊園地は日本を代表するゲーム制作会社[ディメンショナルファクトリー]とコラボしたと聞いてゲーム好きとしてはどうしても来たかったのだ。

アトラクションでは遊べないがディメンショナルファクトリーのゲームの博物館など見たり最新ゲームをプレイするぐらいならできるだろう。

今は午前9時半。10時から入場開始だがもう10万人全員いることだろう。

みんな俺と同じであと30分ときてソワソワしている。

開園の10時から今日の閉園時間の午後5時まで何して遊ぶか考えていることだろう。

テレビ局の取材班もカメラを構え並んでいる人にインタビューをしている。

やはりみんな今日を楽しみにしていたんだろう。

俺みたいにゲームが好きできた人やただいち早くこのディメンショナルパークで遊びたかった など全体的に若い人が多いのでそんな理由だろう。

そんなことを思っているともう時刻は開園5分前となっていた。

「まもなく開園です。列をみださず進んでください。」

そんなアナウンスがかかると周りの人たちは声をあげ一斉に動き出す。

俺は人混みに流されながら入り口近くヘ進む。

それと同時に遊園地のスタッフが誘導する。多少列は乱れているが前へ前へと進んでいく。

そして時刻は10時。入り口が開き最前列の人からどんどんスタッフに抽選で当たり手に入れたチケットを見せる。

それと同時になにやら黒い腕輪をつけられる。それとなにやらリュックサックのようなものを持たされている。

その様子を見ていた俺は不思議そうに思うもどんどん前へ進みたいな俺の番。

チケットを渡すと前にいた人と同様に黒い腕輪をつけられる。そして

「これをお持ちください。これは帰るまで開けてはなりません。それとこの腕輪は外れないようになっているので気をつけてください。」

そんなことを言われリュックサックを受け取る。

重さ的にはそこまで重くない。女の人でも持てる重さだ。

それを受け取り、芸人のノリで開けそうになるも勇気のない俺は怖くて開けられない

腕輪には時間が示されている。ただの腕時計なのか?

多少気になることはあるがやはり目の前のアトラクションや建物を見てさらに遊園地自体あまり興味のない俺でもワクワクする。

もうすでに園内を歩き回る人の姿も見える。一番前にいた人はもう見えなくなっている。

待ちに待った今日せっかく抽選で当たったのだから外した人のぶんまで楽しもう。

そう決意し俺は園内を歩き回る。


2


俺は地図を見つつ目的の場所ヘ向かっていると足早に奥へ奥へと進む少女がいた。

早くゲームがしたいが、その少女が気になり跡をつける。

少女の顔ははっきり見えないがなにやら怖い顔をしている。

その少女は黒くて長い髪をなびかせて早歩き、いやほぼ走っている状態だ。

俺はその少女にストーカーと訴えられないように走らず早歩きでついていく。

少女は足早に進んでいき建物やアトラクションには目もくれず。この少女は一体なにを目的にして来たのだろう?

俺は少女をストーキング......いや跡を追っていると、

いや両方同じ意味か。

少女は俺より速いペース進み少女が人混みの中に入っていき見えなくなったとこで俺は跡をつけるのをやめた。

少女のことは気になるが俺の今日のメインはゲームだ。

時刻は11時過ぎ俺はさっきの少女のように走りながらゲームがたくさん展示してある施設に向かった。

その施設に入るとたくさんの人で賑わっていた。

アトラクションで遊べる数が限られるとなるとやはりコラボしたゲームで遊ぶ人が多い。

俺はたくさんある歴代ゲームの展示を見たりゲーム体験コーナーで歴代ゲームをプレイしたりと満喫した。

時刻はお昼を過ぎ1時になりそうなころ俺はお腹が空き昼食を食べに外へ出ようとした時きになるものを見つけた。

それはディメンショナルファクトリーの最新ゲームの情報だ。

ゲーム好きとしては見逃すわけにはいかない。この情報だけで抽選で当たった価値がある。

俺はその情報が書かれたモニターを見るそこには

[このゲームは歴代最高傑作のゲームだ。自らが体感できる最高のゲームとなっている。ぜひ期待していてくれ。]

この文を見て俺はテンションが上がる。周りに人がいなければ全裸で飛び跳ねるレベルにテンションが上がっている。

まぁそんな冗談は置いておいて自ら体感するゲームとはさすが日本を代表ゲーム会社だ。

俺はその情報を携帯で写真に納め満足し、今頃自分がお腹が空いていることに気づく。

俺は施設を後にして昼食を食べに近くのレストランに入る。


3



俺は店の空いてるカウンター席に案内され適当にスパゲッティを頼む。

俺は出された水を飲みながらスマホでネットニュースを見る。やはり今日のことはもうニュースになっているようだ。

このディメンショナルパークはすでにディ○ニーランドやu○jを超える日本を代表する施設になると注目されている。なんにせよその二つの遊園地の数十倍の広さそして人気ゲーム会社とのコラボこれにより幅広い層に人気が出ると言われている。

やはり本当に人気のようだ。

そう思っていると頼んだ数倍スパゲッティが運ばれてくる。それと同時に隣のカウンター席に一人の少女が座る。

その少女は俺が気になっていた少女だ。

俺は隣に座った少女を気にかけつつスパゲッティを口にはこぶ。

すると

「あなたさっき私をストーキングしてたわよね。」

俺は思わず吹き出す。

「いやっあ、あれは」

焦りつつ俺は必死に言い訳しようとする。

そんな俺を見て少女は

「ねぇこの腕輪のことどう思う?」

いきなりの質問に驚きつつも俺は答える。

「広い敷地内で迷っても探せるようにGPSでも備わってるんじゃないか。勝手に外れないということは外れると居場所がわからなくなって困るからそういうことなんじゃないか。」

俺は思ったことをそのまま口にした。なんか初対面の女の子と自然に会話が続いてびっくりしている。

「じゃあこのリュックサックは重さはそこまで重くないけどやけに大きくない?」

確かにそうだ。今から山でも登るのかと思うくらいでかい。あきらかに不自然だ。

「君はなんでここに来たの?」

そんなことを聞かれ俺は口の中のスパゲッティを飲み込み正直に答える。

「俺は遊園地よりゲーム目当てでここに来たんだ。俺はディメンショナルファクトリーの大ファンだからな。」

「そうなんだ〜お父さんもきっと喜ぶと思うよ。」

「え?お父さん?なんでだ?」

「実は私のお父さんディメンショナルファクトリーの社長なんだ。」

「えぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーー」

俺は席を立ち叫ぶ。

そんな俺の叫びに少女どころか店内のにいる人全員が驚いている。

「ちょっと静かにしなさいよ!」

そう言われ俺は席に着く。

「な、なぁ本当に君のお父さんがあのディメンショナルファクトリーの社長さんなのか?」

「うん。だから今日ここに来たんだけどね。」

そうなぜか悲しげな表情で言う。

俺はその表情を見て話しかけるのをやめ食事を続ける。

彼女も運ばれてきた食事を口にしながら言う

「私がね今日ここに来たのはお父さんが作る最新ゲームの謎を解くためにきたんだ。」

「ディメンショナルファクトリーの最新ゲームの謎?」

俺は彼女の発した言葉に聞き返す。

って言うかまだ名前がわからない。でも、聞く勇気がないのでこのまま話を進める。

「そう、お父さんが最近まで作っていたゲームの情報があるって聞いてね。お父さんなかなか家に帰ってこないしゲームのことは何にも教えてくれないけど、この前お父さんの部屋で最近ゲームの資料をみてしまったんだけど、このゲームは何やら裏があると思うんだ。」

裏?あの国民的ゲーム会社に裏があるだと?にわかに信じがたい。

俺はスパゲッティをすべて食べきり彼女に聞く?

「で、君のお父さんの部屋にあった書類には何が書いてあったのか?」

「それは、普通の携帯ゲーム機や家庭用ゲーム機とは違う見たことないゲーム機の設計図とゲームと関係あるかはわからないけど腕輪のようなものの設計図が書いてあったの。」

その言葉を聞き、俺は左腕についた黒い腕輪を見る。

「その腕輪って......まさか......」

「その時見た設計図にね今つけてる腕輪みたいなのが書いてあったんだ。」

「ただの腕輪ならいいんだけど設計図には何やらこの腕輪で人を殺すことができるみたいなの。」

そしてまた俺は腕輪をよく見る。

見た目は少し大きめの腕輪。そして小さな画面が付いていてそこには時刻が示されている。

これだけ見ると人を殺すことができるようには見えない。特にゲームに関係あるかどうかも判断できない、

「とは言っても本当に関係あるかはわかんないけどね、もしかしたら本当にただのGPSかもしれなし。」

まぁ普通に考えてこの腕輪が最新ゲームに関係あるかはわからない。

そして俺は先ほど手に入れたディメンショナルファクトリーの最新ゲームの情報を思い出す。

俺は携帯の写真フォルダから先ほど撮ったゲームの最新情報を見る。

[このゲームは歴代最高傑作のゲームだ。自らが体感できる最高のゲームとなっている。ぜひ期待していてくれ。]

この文を見て俺は[自らが体感できる]という言葉に注目する。

自らが体感できるということはVRゲームか何かか?

VR(仮想現実)なら仮想世界で自らがゲームの世界を体感することができる。

けどこの腕輪との関係性が見つからない。

そんなことを考えていると食事中の彼女に話しかけられる。

「ねぇ、何考えてるの?」

「え!?あぁいやっ、さっき見てきたディメンショナルファクトリーの最新ゲームの情報とこの腕輪が関係あるか考えてたな。」

「で、関係あったの?」

俺はわからないと首を振る。

「まぁ私の憶測だから関係ないかもしれないね......」

確かにそうかもしれない、本当にゲームとこの腕輪で人を殺すことができ、人が死んだしまったら世間を揺るがす大ニュースになる。

そうなったらもうディメンショナルファクトリーのゲームができなくなってしまう、それは絶対に嫌だ。

俺は腕輪の時刻を見るもう時刻は3時ほど、もうお昼を食べる時間ではない。

俺は特に行きたいところはないので席についたままゲームで遊ぶ。

普通なら隣にいる女の子に面白い話でもしてあげればいいのだろうが俺にそんな超能力はない。

デートだったら確実に別れ話に持ってかれる行為をしていると食事中のお隣さんが

「あ、あのもう話すことないから先に行ってていいよ。」

気まずそうに言われ俺も気まずそうに会計に行く。

奢ってあげるなんて言う勇気もなくそのまま外に出て地図を見つつどこに行くか考えながら歩き回る。

俺はどこに行くか悩みながら適当に園内を歩き回っていると大きな展望塔と人混みが見えてくる。

気になるので人混みに近づいてみる。

そこには[展望台1時間待ち]と書いたある。

それを見て俺はあることを思い出す。

確かに今日ここに来る前に家で家族に園内の写真を撮ってきてほしいと頼まれたのだ。

今は午後3時過ぎ、閉園の午後5時まで2時間1時間待ちなら閉園時間まで間に合う。

写真はこの展望台から撮ったものでいいだろう。

それに、この2時間ほど特にやりたいことはないのでゲームをしながら列に並ぶことにした。



4



そして約1時間後、途中半分ほど進んだとき並んだことを後悔したが結局後に引けず最後まで並んでしまった。

俺はエレベーターに入り人の多さに耐えながら数十秒ほど待っていると、チンという音とともに扉が開く。

俺は人々に流されながらエレベーターを降る。

そこには絶景が広がっていた。

園内すべてとはいかないが園内の一部を堪能できるようになっている。

俺は東西南北四方向の写真を撮り下りのエレベーターに乗る。

地上に着きエレベーターを降りると人々は出口(入り口)の方に向かっている。

時刻は4時45分。閉園時間の5時まで少ししかない。

俺は人々について行くように出口へ向かう。

出口付近まで来ると目の前に前が見えないほど人が集まっていた。

おそらく展望台にいた人を合わせれば今日来た人全員いることだろう。

俺は気になり背伸びをして前の方を見る、すると出口がふさがれているようだ。

その状況に客は戸惑っていたり、怒っていたり、状況の理解をできていないようだ。

その人混みに見たことある少女がいた。

俺はこの状況のことを書こうと覚悟を決め話しかける。

とそのとき俺の覚悟を台無しにするかのようにアナウンスが流れる。

「静粛に。出口がふさがれていることについてはここに全員集まったら説明しよう。」

そんなアナウンスが流れ終わると人々は静粛になるどころかより一層怒りが爆発する。

出口を塞いでいるシェルターを蹴ったり愚痴を言う人がおりさらにパニックになっている。

そんな状況を見ていると誰かに話しかけられる。

誰かと思い見て見ると話しかけて来たのは先ほど俺が覚悟を決め話しかけようとした少女だった。

「ねぇこの状況のことどう思う。」

急に話しかけられたと思えばそんなことを聞いてくる。

正直俺も周りの人間と同じように全く訳がわからない。

俺は何か返さなければと適当に答える。

「みんな集まったら説明するってことは何か重要なことがあるんじゃないのか。」

俺の適当な返しすと、少女は首を傾げ何やら考え事をしている。

少女はこの状況に戸惑いつつもなぜこうなったか考えているようだ。

とはいっても答えは浮かばず謎は深まるばかりだ。

そんな中ちょうど5時になるともう一度アナウンスが流れた。

「静粛に。これよりこの状況の説明を行う。」

俺らが考え事をしている間全員がここに集まったのか説明を始めた。

俺と少女をはじめ周りの人々も耳をすませる。

「今から君たち10万人に我が社が作った最新ゲームのテストプレイをしてもらう。」

このアナウンスを聞き、人々はまたもや混乱する。

俺としてはディメンショナルファクトリーのゲームをテストプレイできるのは嬉しいことだが、この状況を理解できず戸惑う。

「このゲームはARを搭載した自らが体感できるゲームだ。入場時に渡したリュックサックの中に入っている黒い輪っかのようなものを取り出してほしい。」

[自らが体感できるゲーム]この言葉を聞き俺は思い出す。午前中に見たディメンショナルファクトリーの最新ゲーム情報と同じ内容だ。

AR(拡張現実)、確かに拡張現実なら自ら体感できるという言葉の意味がわかる。

そんなことを思いつつ、言われたとうりに入場時に渡されたリュックサックから黒い輪っかを取り出す。

少女や周りの人々も同じように黒い輪っかを取り出す。

「これは我が社が作った最新ゲームをプレイするにあたって必要な機械[オーグリアルリング]だ。この最新ゲーム機のオーグリアルをぜひつけてほしい。」

そのアナウンスを聞き一人の男性が怒りながら

「は?意味わかんねーよ!俺はゲームをやりにここへ来たんじゃねーよ!さっさとここから出せよ!」

男性はそう怒鳴りながら黒い輪っか、オーグリアルリングを地面に叩きつけ踏みつける。

すると

「ゔぁっ!」

男性はそう叫ぶとその場に倒れた。

それを見た周りの人々は悲鳴をあげ、倒れた男性から離れる。

人々が戸惑うなかまたもやアナウンスが流れる。

「この男のように対抗するならみんなにつけてもらった腕輪から電流を流して死んでもらう。わかったなら今すぐオーグリアルリングをつけて出口のゲートの上を見てほしい。」

こんなのを見せられては抵抗できず、人々はオーグリアルリングを頭にはめる。

俺と少女も顔を見合わせてからオーグリアルリングを頭にはめる。

オーグリアルリングは俺の頭にピッタリとはまり、青く光る。

俺は言われた通り出口のゲートの上を見る。

とそこには50代くらいの男性がうつっていた。

「お父さん!?」

少女は驚いた様子でそう言う。

少女のお父さんということは今うつっているのは俺の憧れディメンショナルファクトリーの社長ということ。

みんながオーグリアルリングを身につけゲートの方に視線向けたところでアナウンスが流れる。

「今、君たちが見ているのはオーグリアルリングのAR技術のおかげで見えるようになった私だ。君たちは今からこのオーグリアルリングを使った最新ゲーム[オーグメンテッド・リアリティ・アドベンチャー]をプレイしてもらいたい。これは自らが動いて敵を倒すアクションゲームだ。

今からこのゲームの基本操作を説明する。

リュックサックの中に黒い棒のようなものを取り出してほしい。」

言われた等、俺は15センチメートルほどの黒い棒を取り出す。

「そのまま腕輪についたモニターを操作して武器を構えてくれ。」

俺は腕輪についているモニターを見る。

モニターをスクロールしていくとそこには[ウェポン]という文字を押す。

さらに俺は[アイアンソード]という文字を押す。

すると持っていた小さな棒が急に剣に変わる。

周りの人々も腕輪を操作し、次々と片手剣を装備する。

隣の少女も強張った顔で剣を装備する。

「基本操作はこれだけだ。武器を手にして敵を倒しこのディメンショナルパークの一番奥のエリアに来い。

この中で一人でも一番奥のラスボスを倒したらここから出してやる。それともう一つこのゲームでゲームオーバーになったり、オーグリアルリングを外した場合さっきの男のように腕輪から電流を流し死ぬことになる。せいぜい頑張ってくれ。では検討を祈る。」

そう言い残し少女の父、ディメンショナルファクトリーの社長が姿を消す。

これを聞き人々は弱音を吐く。

死という言葉と先ほど本当に死人が出たことから怖がっているようだ。

そんな中俺はこの最先端ゲームにワクワクして来てしまった。

死者が出るデスゲームを楽しむことは許されないだろう。

だが俺は「さすがディメンショナルファクトリー」と感心した。

このゲームは数々のゲームをやって来た俺でもこんなに刺激を与えるゲームは初めてだ。

「ではゲームスタート」

人々はまだ戸惑っているようだったが、そんなアナウンスと同時に背後に狼の敵が10対ほど現れる。

上には[ウルフ]と書かれている。

悲鳴が上がる中一人のガタイのいい勇敢な男が前に出る。

「へっ!こんなゲーム俺が終わらせてやる。」

そう言いガタイのいい男は敵の中に走っていく。

男は敵に向かって剣を振り回す。

敵は順調にダメージを負う。

すると男の勇敢な姿に心奪われたのか、後ろにいた別の男たちが応戦する。

敵はどんどん減り順調に見えていたが一人の男が敵に腕を噛みつかれる。

「うわっ」

男の体力ゲージはみるみる減っていきそれを引き剥がそうとした他の男たちも腕や足を噛みつかれる。

男たちの体力ゲージはみるみる減ってもう間に合わない。

と、そう思った時一人の少女が剣で敵を切り裂く。

敵を切り裂いた少女はさっきまで俺の隣にいた少女だった。

男に噛みついていた敵は光を放ち消滅した。

そして少女は次々と敵を倒しやがて敵はいなくなった。

「ありがとよ嬢ちゃん。嬢ちゃんがいなかったら死んでたよ。」

その少女は人々に拍手されるも、照れたりすることなく真剣な顔でこう話す。

「マップで見たところ500メートルほど先に大人数が宿泊できる施設があるの。だからみんなで協力してそこを目指しましょう。」

勇敢な少女の発言に人々は快く賛成する。

少女は腕輪を操作してマップを開き約10万人の先頭に立ち宿泊施設をめがけ進む。

宿泊施設に向かわない人たちも数人ほどいるようだ。

俺は腕輪を操作しマップを開く。

マップにはディメンショナルファクトリーすべてとはいかないが一部のエリアのマップを見ることができる。

おそらく最初のエリアだけだろう。

俺は宿泊施設に向かう人たちを見送り、さっきディメンショナルファクトリーの社長に逆らい殺された男に近づき、男のリュックサックから黒い棒を取り出し、自分のポケットに入れる。

俺は腕輪を操作しマップを開き見る。2キロ先に小さな宿泊施設がある。

俺は一人で剣を装備したまま2キロ先の宿泊施設に向かうことにした。

少し進むと。先ほど男たちを襲っていた狼のような敵が5対ほど現れる。

俺はさっきポケットに入れておいた黒い棒を左手に持ち、腕輪を操作し[アイアンソード]の文字を押す。

そして俺は両手に剣を持ち突っ込んでくる[ウルフ]を二本の剣で切り裂く。

どんどんダメージを与え、回り込まれても二本の剣で近付かせずにノーダメージで5対の敵を倒す。

俺は2キロ先の宿泊施設に向かう。

敵に襲われながらも、両手の剣で近づかないように戦う。

この戦法で俺はノーダメージで小さな宿泊施設に到着する。

正直、あの死んだ後から剣を奪ってなかったら、こんなに順調にここまで来ていなかっただろう。

俺は剣を装備から外し、宿泊施設の中に入り受付に立っている男に話しかける。

おそらくディメンショナルパークのスタッフだろう。

「ここで1泊したいんですが?」

「わかりました。では500ポイントになります。」

俺は腕輪を操作しポイントを払う。

もともと持っていた1万ポイントと敵を倒して手に入れたポイントを合わせて2万ポイントほど持っていた。

このゲームでは本物のお金は使えない。

敵を倒して手に入れられるポイントで支払うことができる。

「奥の部屋は脱衣所になっております。そこでは、オーグメンテッド・リアリティ・アドベンチャーを一時中断を許可してあります。」

そう言われて、俺は部屋の鍵をもらい、脱衣所へ向かう。

脱衣所に入り、俺は腕輪を操作してゲームを一時中断する。

俺は服を脱ぎシャワーを浴び、頭と体を洗いすぐに出る。

タオルを無料で借り、下着と動きやすいジャージを無料レンタルする。

ここでは運動しやすい服や靴が無料でレンタルできる。

動きにくい服やハイヒールで来た人などたくさんいるため、ゲームをプレイしやすくするためだろう。

俺はジャージに着替え、靴は履いて来た運動靴を履く。

そして俺は支度を終えゲームを起動して脱衣所を後にする。

脱衣所を出て、受付でで500ミリリットルの水と栄養食を30ポイントで買う。

部屋に向かい、鍵を開け、部屋に入り栄養食を食べ水を半分ほど飲み寝ることにした。

数時間後俺は寝付けずスマホでネットニュースを見る。

もうすでにこのことはニュースになっていた。

ディメンショナルパークに行った家族が帰って来ずパニックになっているようだ。

園内は圏外になっており連絡が取れない。

警察はディメンショナルファクトリーを徹底的に調べてる様子だ。

このまま警察がなんとかしてくれればいいがそう簡単にいくとは思えない。

俺はこんな危険な状況にいるにもかかわらずベットに寝転がり持って来たゲームで遊ぶ。

どうせこの先強い敵が現れたりしてゲームクリアが難しくなる。

もしかしたら死ぬかもしれない。

だから今のうちに遊んでおこうという考えだ。

正直この先が楽しみで仕方がない。

ディメンショナルファクトリーの最新ゲームで遊んでいるのだから。

たとえ死ぬデメリットがあるとしても、ゲームはゲーム存分に楽しんで俺の実力をディメンショナルファクトリーの社長、[赤井信長]に見せつけてやる。

俺はそう決意し、一晩を過ごした。

俺は朝起きると腕輪に一通のメールが来ていた。

[4月1日死者18695人。81305人]

という内容だった。

俺はこのメールを見てさぞかし楽しくなって来た。

俺はこんなにすぐ死ぬ雑魚とは違う。

俺がこのゲームをクリアしてやる。

こうして波乱の幕開けをしたオーグメンテッド・リアリティ・アドベンチャーの冒険が1日目が終わり俺は2日目の冒険へと旅立つ。



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