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エピローグ:花言葉

この物語。まだまだ続けます!

エピローグ


「…ってな事があって、狼…いや母さんと父さんの魂を体に宿したんだよ」

と6杯目のレモンスカッシュを飲みながら、ランドは話した。

「んで…、洞窟を出たランドが狼に変身して…その後は、どうしたのよ?」とプリムは続けて聞いてきた。

「ランドは人間嫌いになったのに、なんで今人間と一緒に暮らしていて、人間を信じれるようになったのよ?」

プリムは聞いてくる。

が、

「それは…内緒(笑)」と笑う。

「えぇっ!そこまで話しといて、その後は話せないっての?」とプリムは怒りを表した。

BARのマスターも、続きを聞きたいかのように興味を示している。

「約束でしょ?最初に言ったじゃん。何で狼の魂を宿してるの?って、だからその話をしただけ。後の話は、約束してないし…」とニッコリと笑いながら言うランド。

もう何時間も話をしているのに、このBARにはお客が入って来なかった。

どうやって成り立っているんだろうか…と思い、窓を見ると夜になっていた。

ランドは昼頃に起きたので眠くは無かったので、話しても良いかなっと思ったが、プリムを見ると目が真っ赤になっていた。

よほど眠いのであろう。

マスターはさほど疲れてない感じだった。

「プリム…あんまり無理しちゃ駄目だ。今日はもう遅いから、また明日。明日になったら話すよ。」とランドは言う。プリムは流石に睡魔に勝てなかったのか、欠伸をした。

「分かった…。じゃあ、また明日!明日になったら、話してよね!」と言い残し、宿に帰って行く。

ランドはプリムが消えた後にはぁ〜っとため息をついた。

マスターがため息に気付き話しかけて来た。

「プリムちゃん。よほど、ランド君の事が好きなんだね。」と言う言葉を聞き、飲みかけのレモンスカッシュを吹き出しそうになった。

「な、な、な、何でそう見える!!マスターは目が悪いのか?」

マスターは、君が鈍感なんだよ。と思いながら話を続けた。

「彼女は、毎日毎日こんな寂れたBARに来て毎日がツマラナイみたいな話をしてた。でも、ガライさんが町に来て憧れになった日には毎日楽しそうにしてた。でも、あんな事件があって…彼女はまた塞ぎ込んじゃったんだよ。でもさ、君が居ると彼女はずっと明るい子になってきた。」そうなんだ…と思い、話を聞いている。

「君が、居るからあの子は毎日が楽しくてしょうがないみたいだね(笑)

君がこのBARに来るかと思って毎日顔をだしてるもん。だから、よほど君の事が好きなんだよ」とマスターが笑顔で話す。

「そうかな…。じゃあ、昼間のアレは何だったんだろ?」

とランドはマスターに問う。

「アレは、君がヤケにモテるから嫉妬してたんじゃ無いかな。」

「"嫉妬"って何?」

「嫉妬とは、誰かが誰かを好きな時に…例えば、君がプリムちゃんを好きだったとしよう。でも、プリムちゃんは他の男の子とラブラブになっちゃったりしたら、心が嫌だ!って言う怒りをその男の子にぶつける事を嫉妬って言うんだよ。まぁ、彼女の場合は素直じゃないから、君に手を出しちゃうんだろうけどね」

と笑う。「ん〜…よく分かんないけど…そんな感じなんだね。」とランドは曖昧に納得した。

「まだ、君には分からないか…おっと…いらっしゃいませ!」

と久々のお客にマスターが言う。

それから、次々にとお客が入って来た。

ランドは、レモンスカッシュ6杯とクリームソーダーのお金をカウンターに置いてその場を後にした。

「そうか…プリムに酷い事をしちゃったな。」と独り言を呟く。

明かりが見えた。花屋がまだやっていた。

ランドはおもむろに入り、花を一束買った。

白と紫の花だった。

そして、プリムが泊まってる宿屋の前に来た。

「確か、5階の西側の部屋だったな…」と呟いた。

その部屋はまだ電気が付いていた。

ランドは宿屋に入り、カウンターにいる親父に西側の部屋に行きたいと伝えたが、駄目だと断られた。

ランドの服装は、ボロボロね服。

こっちは、王宮直々の高級宿。

当然と言っちゃあ当然である。

しょうがない…と思い、ランドはおもむろに足を曲げた。

そして、勢い良くジャンプをして1階、2階と軽やかに登って行く。

野生で育った彼にとっては朝飯前だった。

ようやく西側の部屋に着き、部屋を覗くとプリムは机に向かい何かを書いていた。

コンコンと窓を叩くランド。

プリムは驚いた。

窓から音がすると思い窓を見ると窓の外にランドが立っていたからである。

「何やってんの?」と言いながら、窓を開ける。

窓から入ってくる盗賊に少しドキドキしていた。

ランドはかしこまった言葉で話しだす。

「夜分遅くに申し訳ありません王女様。」と片膝を付いて頭を下げる。

プリムはいつもの彼と違いキョトンとしていた。

「実は私、ランドは貴方に会いたくて、こうして会いに来てしまいました。しかし、カウンターの親父に追い返され、しまいにはこうして窓から侵入したことにお詫びを申しあげたい。」

プリムは

「はぁ」と曖昧な言葉を返す。

ランドは立ち上がると、いつもの感じに"戻した"

「ってな感じに、かしこまって見たけど駄目だ…。言葉が出てこない。」

いつもの彼に戻ったので、訳が分からず聞いてみた。

「どうしたの?色んな意味で。」

確かにそうである。別に酔ってる感じもしないし…本当にどうしたのか聞きたかった。

が、ランドは敢えて無視をし後ろ手に持った花をプリムに渡した。

白と紫の綺麗な花。

えっ?と言う顔をしているプリムにランドは話した。

「その花言葉は、永遠の…」と口を塞ぐ。

ドアの外で、気配がしたからだ。それは、直ぐに現実となった。

ドンドンドンッ!とドアを叩く音がし、声がする。

「王女様っ!近隣の住民が、貴方の部屋に不審者が入って行くのを見たそうです!大丈夫ですか?」と叫んでいる。

プリムは、顔を赤くしていた。

って言うか、何で邪魔をすんのよ!と思い、ドアに向かい警備員に叫んだ。

「大丈夫でーす!問題ありませーん!」

ドアの外の警備員が

「そうですか…」と言い立ち去って行く音がした。

プリムは、まだドキドキしていた。

「ね、ねぇランド…この花言葉は…」と言いながら振り返る…と、彼の姿は無かった。窓をキチンと閉め彼は出ていってしまった後だった。

プリムは警備員と近隣の住民を呪った。と言うよりか、ランドが人間を憎んでいた気持ちが今なら凄く分かる気がした。

しかし、気持ちを切り替えて明日聞こうとドキドキしながら部屋の電気を消した。

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