表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロールプレイヤー  作者: 楠瀬 和裄
3/3

PKを誘き寄せる。

組手代わりに実戦を行う事に。

さて、どこらあたりで絡まれればいいものやら。


想定する敵はデバフ・奇襲可能な後衛3にアタッカー3。

ジョブ的には森呪遣いドルイド神祇官カンナギ妖術師ソーサラー召喚師サモナー

暗殺者アサシン盗剣士スワッシュバックラー武闘家モンクあたりか。

サブ的には罠師、毒使いに追跡者と狩人かな。


ミニ・マップが使えない=奇襲成功率が高い。

代わりに三手目さえ避けることが出来れば対処は可能。

初手の予想は移動阻害だ、ヒュプノ系かバインド系。

二手目が通常武器攻撃か盗剣士スワッシュバックラーの移動阻害特技。

三手目も同じか。

最初は「ヒュプノはめ」してくるほど警戒はしてこないだろう。

なぶり」も動機の一つだろうから、

森呪遣いドルイド妖術師ソーサラー召喚師サモナーの大技は使ってこないと予測。

毒に関しては対麻痺だけ考えておけば、残りは薬品で解除可能。

装備としては腕にソード・ストッパー、各種毒を塗った投擲用のナイフ。

それからデバフ・マーカー対策に膝と太腿の革鎧。

MP回復は重要としない、基本は体術だけでしのぐ。

相手のヒールワーク次第では撃破可能。

第一殲滅目標はヒーラーおよび後衛陣。

油断して固まっているだろうから2撃目後に仕留める。

後は相手の武器の特性を早く見極める事。


つらつら考えながら古宮廷の森をヨコハマ方面に歩く。

狩衣に差袴というぱっと見は神祇官カンナギの格好だ。

この下には先ほどの装備を身につけている。

狩衣のおかげでソード・ストッパーが目立たない。


突如、火の手が上がる。

敵襲、妖術師ソーサラーの技だ。

甘く見られたものだがラッキーだ。

移動阻害されなかった分だけ、早く動ける。

森呪遣いドルイド妖術師ソーサラーに向かって跳躍しながら視認する。


森呪遣いドルイド妖術師ソーサラー暗殺者アサシン*2、盗剣士スワッシュバックラー武闘家モンク

6人なら想定の範囲内だ、ラッキーな事に毒使いが居ないし、

他の面倒そうなサブ職も居ない。

暗殺者アサシンがボウガンを構えて居ない、

ナイフと小刀だ、エクスターミネーションはこない。


袖からナイフを抜き、森呪遣いドルイド妖術師ソーサラーの首を掻き切ると泡になって消えた。


「甘く見られたものですね」


やはり連携練度が高くない。

まぁソロだと甘く思い、口上でも述べてドヤ顔でもしたかったのだろう。

だが、そんな暇は与えない。

第一目標を落とした事で継続戦闘能力は削いだ、

残りは武闘家モンクのレジリアンスのみ。

まだ4対1油断は出来ない。


「貴様、暗殺者アサシンか?」

次の跳躍をしながら次の殲滅目標、盗剣士スワッシュバックラーの背後に。

「タグ見えてませんかね?」

「何、守護戦士ガーディアンだと

 ナイフなんて持たないだろう?」

「さてさて、そんな無駄話してる暇はないですよ?

 それにジョブイメージの思い込みが激しすぎますね。

 守護戦士ガーディアンは武器側で装備不可設定されなければ

 どんな白兵武器でも扱えるんですよ?

 今の私の得物としてはこれで十分ですから」

あっけに取られている盗剣士スワッシュバックラー膝を落とし、首を落とす。


これで残るデバフ特技は

暗殺者アサシン

パラライジング・ブロウ【麻痺】とデッドリー・ポイズン【邪毒】、

ヴェノム・ストライク【猛毒】、ペイン・ニードル【衰弱】、

デス・スティンガー【毒】、アフィトル・ブレイク【麻痺】、

武闘家モンク

ターニング・スワロー【放心】、ドラゴンテイル・スウィング【萎縮】。

少し面倒なのは隠密のまま攻撃できるペイン・ニードル。

しかし、ゲーム時代と違って呼気と熱源があるから完全隠密はありえないか。

他は当たらなければどうって事無い。


ワイバーン・キックで武闘家モンクが詰め寄ってくる。


「ろくな戦闘訓練してませんね~

 見立てが甘いですよ?

 モンスターが怖くってプレイヤー襲うくらいだから甘いんですかね?

 ほらほらもう半分ですよ?」

距離を取りながら挑発する。

既になぶる余裕は無くなったと思って良いだろう。

目の前の武闘家モンクは茹であがっているようだ。


何時の間にか暗殺者アサシン二人がシェイクオフしている。

視認と気配確認は不可能になったが特に気もとめない。


どうせペイン・ニードル以外の特技発動するときには姿を表すのだ。

そのときの気配だけで十分。


武闘家モンクを見

「次はあなたですかねって

 おっと着ましたか」


腰を落としまわし蹴をする。

背後に現れた暗殺者アサシンが転んだ隙に指で目をつぶす。


「あなたたち、戦闘を舐めてますね

 本気で掛かって来てますか?

 もう4人沈みましたよ?

 もう一人の暗殺者アサシンは本隊にでも連絡中ですかね?

 あなたを相手しているうちに増援が着ますかね?

 ここはそれほどアキバに近くないですが」


「アサシネイト」の音声入力と共に暗殺者アサシンが現れる。

「甘いよ、体重が乗ってない特技の威力だけじゃ私は潰せないよ?」

と左手のソード・ストッパーで威力相殺する。

失敗したとわかると再度シェイクオフした。

武闘家モンクが詰め寄ってタイガーエコーフィストを打ってくる。

「技が軽いね、体重が乗りきってないよ?

 音声入力だと避けられるからメニューで入力ですか?

 甘いですよ?」

こちらは右手のソード・ストッパーで受け流し、左手で腹に一撃。

「動きも遅いね

 守護戦士ガーディアンよりも動きが悪い暗殺者アサシン武闘家モンクってどんだけよ?

 所詮MMOゲーマーってところなんですかね?

 3D格闘ゲームとかやった事あります?」

と挑発する。


「お前、なにもんだよ?」


「こんな二つ名を聞いた事は無いですか? ダブル12クラウン」


「知らねぇな」


「では覚えておくと良いですよ、

 5年も隠居して箱庭遊びしてるゲーマーに

 負ける程度に自分たちが弱いという事も含めてね」


「だから、動きが遅いって」

背後にたった暗殺者アサシンを引き倒し、指で目潰しする。

「学習してないな~、背後に立つほど自分の身が危険なんだって

 背後には目が無いんだからその分、背後の気配には過敏なんだよ?

 シェイクオフに頼りすぎ、呼気と熱源感知されれば終わりでしょうに。

 さて武闘家モンクの君はどうする?

 まだやる?」


HPヒットポイントじゃ負けてないからな」


「そういう問題じゃないと思うんだけど?

 そちらは私を殺すのが目的なんだろうけど

 こちらは戦闘継続不可能にすれば良いだけなんだから。

 終わりにしようかね」


「終われるか・・・」

言い終える前に麻痺毒を塗ったナイフを突き立てる。


「だから甘いんだって

 ゲーム時代と違ってレベルに見合った自動回避はしてくれないよ?

 それ強麻痺だから、ヒーラーが戻ってきたら治してもらって

 神殿送りにしてあげるほど優しくないからさ

 君らの手持ち資産にも興味ないしね。

 ジョブに頼って、特技に頼って、力押しって情けなくないか?」


「あぁついでに言っておくと、私『スイス民兵』だから

 普通の兵隊並みの事はできますよ?」


「お前、日本人じゃないのか?」

目を潰された暗殺者アサシンが聞いてくる。


「れっきとした日本人ですよ

 それから襲ってくださいって言わんばかりの見た目後衛職のソロに

 自分たちの方が有利だと甘い判断で襲ってくる程度ではまだまだですね。

 初手から舐めきってましたよね。

 タグのチェックもしてませんでしたよね?

 一斉攻撃に切り替えるのも遅すぎ。

 回復職ヒーラーを潰された時点で切り替えるべきでしょ?

 特技を使わざるを得ないところまで追い込んでくるかと思いましたが

 その辺でもがっかりです。

 10分も持ちませんでしたし。

 こちらの目的も達成できたし帰らせてもらいますね

 あぁ特注の狩衣の袖がボロボロだわ」


「罠かよ。」


「そう言う事です。

 噂のPK団体がどんなものかと思いまして。

 これに懲りて、PKなんて割の合わないことは止めた方がいいと思いますが?

 ではね。」


グリフォンを呼び出す。


「う~ん、歯ごたえが無かったな

 やっぱり、現実世界で素養のある人との模擬戦を考えた方がいいのかな?

 つまらん相手だった」


トレーニングとしては砂上マラソンと

どこかソロでいけそうなダンジョンかフィールド

経験値ならシンジュク駅ビル廃墟かシンジュク御苑の森か

単なる訓練ならドヴァーチャーのバードランドあたりか。

夜間だとクラスティ君あたりに会う可能性が高いな。

昼間は昼間で黒剣か銀剣が居そうだしな~。

ま、昼間に訓練に出る事は出来無さそうだし、夜だな。

ちょっとグロい表現があるのでレーティング変更します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ