表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蜘蛛の床  作者: ただけん
ヘレヴェール奪還作戦
54/57

何者?

この物語はフィクションです。

あの少年はそもそも何者だったのか。殺し屋だとは思うが、殺す対象は?にしても少年まで殺し屋になる時代か、世紀末かな?俺も人のこと言えないがな。殺し屋なら、殺す対象は?まず、俺ではないな。考えられる人物としては、カスピオス司令、くらいか。

「…にしてもなんで病院?目撃情報2日前?敵の方々の情報網ってそんな古いんかな?」

俺がまともに動ければなぁ…捕縛して軍に引き渡すんだけど。待てよ、あれはただの偵察の可能性も…じゃあなんで病院?あー頭痛いのに考え事はするもんじゃないな。


⚫︎ ⚫︎ ⚫︎


「…おはよー」

ふかふかのベッドから身を起こすと、人影が見えた。珍しいな、このメンツだと俺かカールが一番先だけど、カールはソファにいるのが見えてた。その影は俺が声を掛けると驚いて振り向き、足早に玄関を飛び出して行った。寝ぼけ眼を擦り、周りを見ると、メンバーは全員起きていなかった。つまり…侵入者だ!

「クソ!待て!」

急いでパーカーを着、銃を引っ掴んで外を確認する。まだ朝四時にもならない薄暗い時間だ。でも見える。闇に溶け込もうが、雪のせいで多少見える。

「チッ、3階分駆け降りるのは無理だな」

俺は窓を開き、下に掴める場所があるのを確認した。

「よぉっと!」

上手く下の階の窓枠を利用して下まで降りる。パーカー一枚のせいでものすごく寒いが、それよりも。

「待て!」

町に消えていく侵入者を追う。相手の足は速かったが、ギリギリ追いつけるレベルだ。人が少ない早朝の街中を全速力で走り抜ける。路地裏まで追ったところでそいつがこちらに向き直った。

「どこまで追ってくるつもりだよ…はぁ、疲れた」

見た目こっちと年齢差がたいして無さそうだ。左手で銃を構え、そいつに聞く。

「答えろ。俺たちの部屋になぜ侵入した?」

そいつはにこりともせず銃を構え返してきた。サイレンサー付きだし、かなり使い込まれてる。

「銃向けるのやめようか、君怪我してるでしょ、戦って大丈夫?俺、強いよ?」

無表情を貫いてくるあたり、言ってることはハッタリじゃなさそうだ。

「別に俺は君に対して敵意はない。逆に質問するけど、カルンツァミアの国旗が入ったUSBメモリ知らない?」

見てないな。

「いや、全く」

そいつは笑って言った。

「それなら用はもう無いよ、お互い時間を無駄にしたくないだろ?」

俺はこいつのことを一切信用していなかった。部屋に入られた以上、カルンツァミアの工作員とかだったらまずいからな。

「お前は何者だ?それだけ答えろ」

そいつはまた無表情に戻って言った。

「深入りしない方が身のためだよ。何者か?そうだな、人消す仕事してる人だよ」

俺は銃を降ろした。相手も同じように降ろした。

「じゃあ、またいつか会うかもね」

そいつはそう言い、闇の中に消えていった。たった1時間にも満たない時間のはずだが、まためんどくさい事案に巻き込まれたようだ。ここは前線じゃないのに…。

「…戻るか」

ゆっくりとホテルへの帰路につく。まずはこのことをあいつらに話さなとな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ