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蜘蛛の床  作者: ただけん
「タランチュラ」
26/57

再開

この物語はフィクションです。

一階までなんとか降り、急ぎ足でカールの部屋に向かっている時だ。

「カールの部屋は俺の部屋と真逆の方向だ」

クレイが周りを警戒しながら話す。戦闘は続いていて、銃弾が飛び交っていた。そこら中敵味方が入り乱れていて、何発か誤射してるのではないかと思うくらいだった。遮蔽物を上手く使いながら部屋への距離を縮める。

「どけアホども!」

クレイがカスタムされた拳銃で道を阻む者を薙ぎ倒して行った。今回もルタードの構成員が含まれているようだ。倒れた者の戦闘服を見ると、蛇のような牙がついた口の紋章がつけられていた。牙はなぜか人の(人といっても"人ならざるもの"といった方が正しいか)もののように感じ、気味が悪かった。それにしてもクレイの拳銃の銃声が異様に小さく感じる。何かカスタムがされているのだろう。

「暴風、銃声がやけに小さくないか?」

「…さあな?」

クレイは誤魔化した。その時、後ろから銃声。前で倒れる男。

「お前ら集中しろ。危なっかしくて仕方ない」

ランディが後ろから前の敵を撃ってくれたのだ。

「危なかったぜ、サンキュー」

「撃たれたら致命傷だよ、少なくともオカリナのとこまでは無傷で辿り着かないと」


そうして廊下を辿り、敵が少なくなってきた時だった。戦線から抜けたと思っていた。

「…追われてないか?」

クレイが小声で言う。

「俺もそう思ってたところだよ」

俺が答えると、オーロンが言った。

「ここで止まって正面から受けよう。その方が都合がいい」

「了解」

全員が立ち止まり、振り向いた。追ってきていた者は、慌てることなく俺たちの前に姿を現した。顔に大きな傷がある髭面。アンラーン・エンツァイだった。

「…久しぶりだ、よく生きていたな」

エンツァイは全員の顔を苦々しく見た。クレイが一歩前に出て言う。

「どうだ?死ぬ気になったか?クソジジイ」

エンツァイは重いため息をつき、言った。

「俺は、まだジジイと言われる年齢じゃないと…」

その言葉が発されると同時くらいで、クレイが懐に入り込み、ナイフを振り上げていた。が、エンツァイは相変わらずの身のこなしでかわして見せた。

「…変わらない卑怯さだ」

「それは俺にとって褒め言葉だぜ?」

クレイがニヤリと凶暴な笑みを見せた。エンツァイはゆっくりと腰からナイフを引き抜き、構える。

「…来い」

「言われるまでもないね!」

クレイが正面から飛び掛かる。エンツァイは軽くナイフで受けると、ナイフを横薙ぎに振り反撃した。軽く後ろに飛んで避けるクレイ。その顔には笑顔が浮かんでいた。

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