第42話 大きな車輪と小さな実
最近、浮島は騒がしい。
観覧車を造る準備が始まっているのだ。
「ほら、気をつけろよ。周りを確認して運び込め」
「親方、これはどこに置きましょう」
「そのくらい自分で考えろ」
大工の親方のマリオさんをはじめガタイがいい男たちが全部で7人、浮島で作業をしている。
場所は浮島の東端にあるセコイヤの樹の前の空き地。
そこに直径30mもある車輪を作ろうとしているの。
もっとも、空き地はそこまで広くないので分割してつくるみたい。
設計を親方と一緒に作り上げているので、あとは親方に任せている。
10時と15時にちょっとしたおやつとお茶とかを出すのが私の役割。
もっとも、錬金畑に実っている物を収穫しているだけだから、簡単だけどね。
「順調ですか、親方」
「いやあ、ここまで大きい木造の構造物は初めて造るから、なかなか大変じゃ」
「ご苦労おかけします」
「大変じゃが、新しい物を造るのは楽しいからのぉ」
「あ、分かります」
今、アリサも新しい物を作っている。
それも、オリジナルアイテム。
蛇神さんに教わった、たぶん私しか作れない物。
南天の木を錬成して、ドロップの木を作っている。
ドロップの木は、いろんな特殊効果があるドロップが作れる。
だから、平行していろいろと試してみたいから、小さめの南天の苗木を街で買ってきて、10本ほど植えてみた。
「しかし、まぁ。この浮島というのは不思議な島じゃな」
「そうですよね。私もそう思います」
最初、親方たちが来たときは、浮島にある錬金畑のひとつひとつに驚きの声をあげていた。
ほとんどの錬金畑が失われた技術なので、誰もみたことがない畑ね。
「あ、親方。頼んでいた物、手に入りましたか?」
「忘れておった。とりあえず、すぐに手に入る物だけ持ってきたぞ」
狼や狼の魔物のキモ。
本来は色々な薬の原料にもなるから、アルコール漬けにして流通している。
親方の友人に猟師が何人かいるということなので、入手できないか頼んでいたのだ。
「いろんな種類の狼のキモが欲しいと言ったら張り切っていたからよ。来週になればもっと手に入るはずだ」
今、手に入ったのは、灰色狼と群狼、ワイルドウルフの3種類。
ワイルドウルフだけが魔物扱いだが、普通の狼と特製は似ている。
猟師からしたら、同じ獲物として扱われている。
これがあれば、エリオットのためのアイテムが作れるんだ。
さっそく、作ってみよう、っと。




