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第2話 錬金畑でお店を開きましょう

「じゃあ、浜に浮島を近づけて、と」


浜から15メートルまで近づけたところで錨を下ろして浮島を固定。

浜の方向へは、お店が北端が向いていて、そこから、はしけを伸ばして浜までつなぐ。


「さて、お店をオープンしましょう」


お店のドアをあけて、プレートを『開店中』に変える。


そして、はしけを歩いて浜に立つ。浜にお店の看板がついている杭をザクっと差し込む。



『アリサのかわいいお店』と書いてある、この看板は、錬金術で作った魔法の看板。

近くにいる人にお店の存在を知らせる機能がある。


ほら、お客さんがやってくる。

肩から血がしたたり落ちている戦士の男とヘルメットをかぶった男。

ケガをしている戦士をゆっくり浜に横たえるとヘルメット男がお店に入ってくる。



「ヒーリングポーション、それも中級以上の物、あるかな?」

「ありますが。あちらの方に使うんですか?」

「彼にも使うが、他にもけが人がいるから」

「彼くらいの傷なら、中級でなくても大丈夫です。初級ポーションを試してみてください。銀貨1枚と銅貨8枚です」


まずは、お試しをしてもらいましょう。


このお店の初級ポーションは相場より高め。相場は銀貨1枚。だけど効果がしっかりとあって良く効く。

銀貨5枚の中級ポーションにだって負けてはいないと思っているんだ。もちろん、品質が良い7中級ポーションには勝てないけどね。


「うーん、初級か。大丈夫なのか?」

「もちろん。効果がなかったらお金はお返しします(にっこり)」


銀貨2枚を差し出してくるから、初級ポーションとおつりの銅貨2枚を手渡す。


お客さんは、すぐにケガをしている男のところに戻って、飲ませる。

飲んだ男の身体が一瞬光る。男の肩の傷は完全とは言わないけど、傷口はふさがれて、あとは数日安静にしていれば全快する

ところまで回復する。


「すごいな、ここのポーションは。ほかにもパーティーの奴らが傷だらけで」

「それでは、それぞれのメンバーがどんな状態か教えてください」


状態を聞いて、必要なポーションを用意する。中級ポーション1つと初級ポーションを3つ。追加で用意する。


「あと、予備で初級ポーションを3本、合計で6本ほしい」


うちの中級ポーションは銀貨7枚、それに初級ポーションが6本で銀貨10枚と銅貨8枚。合計銀貨17枚と銅貨8枚だけど。


「たくさん買っていただいたので、銀貨17枚にまけましょう」

「おっ、サービスいいね。感謝するぞ」


金貨2枚を出してくるから、ポーション7本とおつりの銀貨3枚を手渡す。


「毎度ありがとうございます」

「他にも欲しいものがあるんだが、まずは仲間を助けないと。また後で来るよ」


最初のお客さんで銀貨18枚と銅貨8枚。たくさん売れた。ラッキー。



その後もお客さんが続々とやってくる。やっぱりポーションが人気で用意した分はあっと言う間に売り切れ。


「ごめんなさい。ポーションは売れきれてしまって」

「もうないの?お父さんが大変なの。もうないの?」


今にも泣きだしそうな5歳くらいの女の子。


うーん。なんとかしなきゃ。


「じゃあ、20分くらい待っていてくれる?」

「うん!」


保温ポットに入れておいた、ショコラをカップに注いで女の子に渡す。


「何、これ?」

「甘くておいしいから、それ飲んでいて待っててね」


おやつの時間に飲もうとドリンクバーの木で用意しおいたのた。


真っ黒な飲み物だから、ちょっとおっかなびっくりで舌を伸ばす。その瞬間、すごい笑顔になる。

こっちの世界だと甘い物ってあまりないから、子供に甘い物をあげると喜ぶんだよね。


「さぁ、一仕事しようか」


ドラッグ畑に来たアリサ。まだ、育ち切っていないポーションラディッシュの苗。そこに、栄養剤アンプルをぶちぶち刺していく。

ポーションラディッシュの苗はみるみるうちに伸びていく。


「もう、いいかな」


成株サイズに育ったラディッシュを一本抜いてみる。


「うーん、ちょっと色が薄いか。仕方ないよね、促成栽培だからね」


ポーションラディッシュ30本を一気に収穫する。



「お待たせっ」

「おねいちゃん。ポーションあった?」

「あったあった。ところでお父さん、どんな容態なの?」

「うーんとね」


女の子の話なので、正確なとこは分からないけど、たぶん初級ポーションで大丈夫だろう。

ただし、この初級ポーションだと色が薄いから不安だなぁ。


「あのね。このポーションをお父さんに飲ませてみて。もしあまりよくならなかったら、また来てね」


色の薄い初級ポーションを渡す。銀貨1枚で。効果弱いから相場くらいの値段にしないと評判落ちてしまうから。


「ありがとう。お姉ちゃん」

「はやく、お父さんのとこ行ってあげてね」

「そうするっ」


収穫した促成栽培ポーションをお店に並べる。


「訳アリ、ヒーリングポーション初級品。銀貨1枚」


商品タグを書き換えた。これなら、ちょっと質が落ちるけど、いいかなと。

それからも、ポーションを買っていった人の口コミでお客さんがずいぶん来た。


今日はなかなか商売繁盛。

こういう日もないとダメだね。


初級ポーションは、あと2本となったとき、閉店時間となりました。時間は午後4時くらいで日没まで2時間はある。

この時間になるとお客さんはあまり来ないし、商品もなくなってきたし。



看板を取り外して、プレートもクローズにして、お店の扉を閉めて鍵をかける。


「ふぅ。今日はずいぶん売れたなぁ。初級ポーションが100本以上売れてしまった。強い魔物にお礼言わないと」


そんなことをひとり呟きながら、売り上げを集計する。

金貨27枚と銀貨8枚と銅貨4枚。もちろん、レートで換算した結果だけどね。


この世界では、物価は生活様式で全然変わる。


貴族の様な生活をしようと思ったら、やたらとお金がかかる。


貴族までいかなくても、上級市民の生活だと、1か月の生活費が金貨10枚くらい。

普通の市民だと金貨3枚もあれば一家5人の1か月の生活費になる。

貧民になると1か月銀貨3枚で生活していたりする。


普通の市民の感覚だと銀貨1枚が一万円くらいで金貨は十万円くらいだろう。


だから、今日一日で売り上げ278万4千円も稼いでしまった。

それもほとんど錬金畑で作ったものだから、原価があまりかかっていない。


ぼろ儲けってところかも。


こっちもよろしくです。


異世界転生した先は宇宙戦闘真っ只中!ゲーム好き本能で真理を探究する銀河勇者物語

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