占い以外の結果
「あなた!! 死期が迫っていますよ!!」
街中で突然そんな言葉を掛けられたら、誰だって驚くに決まっている。ドキリとして声のした方を見ると、路上で占いを生業とする老人がこちらを見つめていた。僕は老人に皮肉を言った。
「残念ながら僕は占いや幽霊やUFOといった類いは信じない質でね。お客ならもっと別な人を探した方がいいよ」
しかし老人はあわてて否定する。
「違うのです。確かに私は占いを仕事としていますが、あなたの死期は私の占いで導き出した結果ではなく…」
「おかしな事を言う人だ。占い師なのに自身の占い結果ではないと言う。では一体…」
「ううん、なんと申しましょうか…」
と、老人は僕の頭上を指差し、見上げるとなるほど、建設中の高層ビルから落下した鉄骨が、今にも直撃する寸前だった…。