朝倉悠人・・・。
屋上の扉を開けるとまぶしい朝日が射し込んできた。
その光の中に誰かがたっていた。
「え・・・・?」
ビックリして思わず声が漏れる。
いつもは誰もいないのに・・・。
そんなことを考えながら、思わず扉の陰に隠れた。
「ん??其処にいるのは誰??」
「・・・・。」
見つかったらしい。
でも出て良いのかどうか分からない。
声からすると男の子らしい。
「ねぇ、怒ってないから出てきなよ。」
その優しい言葉によって私は扉の陰から出た。
其処に立っていたのは、茶色い髪をした男の子だった。
手にはカッターをもっている。
「おっ・・・・おはようございます。」
「おはよう。何年生?」
「2年です・・・」
「何だ、先輩じゃん。名前は?」
「岩倉エレナ。あなたは?」
「オレはね、朝倉悠人。ユートって呼んでよ。」
「ユート・・・・?」
「そう。エレナで良いでしょ?」
このとき、始めてユートと話した。
今日の朝はずっと話していた。
クラスのこととか、部活のこととか。
彼の名前は朝倉悠人。
1年3組。部活は帰宅部でクラス委員をしてるらしい。
ユートはかなり話しやすくて、また明日の朝も会うことになった。
7:25に屋上。
明日の朝が待ち遠しい。
今夜は切らなくて良さそうだな・・・。
「エレナー??何ぼーっとしてんの?」
前の席の仁美に声をかけられて驚く。
「ううん。何でも無いよ。」
「そーなの??まぁいいけどさ。」
「気にしないで。そーいえば仁美、今度大会あるんでしょー?」
「おー。あるよv」
「応援に行くからねー」
クラスメートとはこんなくだらない会話ばっかりしてる。
正直つまんない。




