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11 側近候補の自己紹介

「アンジェリカ・ラ・エアルドレッドでございます。エアルドレッド公爵家の長女になります。この度は第三王子であらせられるアーサー殿下の側近候補として取り上げてくださり、誠にありがとうございます。わたくしはメイド候補ですので、アーサー殿下には快適に過ごされていただきますように努力してまいります」


 豊かな金髪を揺らして真っすぐに僕を見上げる青い瞳。そこには持ち前の意思の強さが伺えて、初めて見たら怯みそうなほどだ。


 でも、僕はもうアンジェリカお姉ちゃんがとても優しい人だと知っている。


 その証拠に、目を合わせて少しすると、アンジェリカお姉ちゃんの雰囲気がふわっと和らいで、優しい目で僕を見ていた。


『よくできましたわね』


 頭の中に直接響くようなアンジェリカお姉ちゃんの声。その優しい響きに僕は舞い上がってしまいそうになる。


 アンジェリカお姉ちゃんの『魂の魔法』は【内緒話】。こうして他の人には聞こえない声を相手に飛ばすことができる魔法だ。


 前回会ったのは、半年くらい前かな? なんだか懐かしい気持ちになるよ。


 僕は緩みそうになる顔を引き締めて頷くと、次の人が一歩前に出て跪いた。


 青みがかった長い銀髪の少女だ。跪くと、奇麗な髪の毛が絨毯に広がるほど長い髪だった。


 その感情を感じさせない無機質な瞳が、まるで僕を計ろうとするかのように僕を下から上に見上げていく。


「マギニス侯爵家の三女、ナディア・ソン・マギニスですわ。【エレメンタラー】の『魂の魔法』を賜った文官候補です。よろしくお願いいたしますわ」


 すごく簡潔な自己紹介だね。事前情報で十一歳だというのは知っていたけど、なんだかすごく大人びたように見える。


 なんだか彼女からは僕のことを観察しているような感じがかなりしている。


 父上の側近候補たちも僕のことを観察しているというのはこういうことかと思わされた。


 そんなナディアの次に跪いたのは、僕と同じくらいの身長の黒髪の少年だ。


「オズワルド・ファン・ピルキントン。ピルキントン伯爵家の出です。賜った『魂の魔法』は【透視】。この度はアーサー殿下の文官候補としてお声がけいただきました。よろしくおねがいします」


 オズワルドは自分の『魂の魔法』を宣言した時、幾人かの女性がピクリと反応していた。どうしてだろう?


 まぁ、オズワルドは僕の一番のお友だちだ。そして、頭がいいことも知っている。何かあった時は、オズワルドかアンジェリカお姉ちゃんに話を聞くのがいいだろう。


 オズワルドの次に跪いたのは、長身で筋肉もあるけど、どこか顔色の悪い色白の少年だった。


「お初にお目にかかります、アーサー殿下。ブラッドリー・レ・トラヴァーズ、この度、護衛騎士候補として選ばれたとお聞きし、逸る気持ちを押さえて馳せ参じました。『魂の魔法』は【血液操作】となっております。至らぬ点もあるやもしれませんが、よろしくお願いいたします」


 事前情報で、ブラッドリーが十四歳だということは知っている。十四歳ながら、領地ではモンスター退治をしていたらしい。


 頼もしいのだけど、やっぱり顔色が悪いのが気になるなぁ。体調がすぐれないのだろうか?


 そんな見ていて不安になるブラッドリーの次に跪いた女性がいた。くすんだ赤髪をポニーテールにした女性だ。


「お初にお目にかかります。【剣王】の『魂の魔法』を賜ったニーナと申します。私は冒険者上がりですので、お見苦しい点もあるかもしれませんが、アーサー様をお守りするために全力を尽くすことをお誓いします」


 今回の側近候補の中では最年長の十八歳、ニーナだ。家名がないことからもわかるように、平民の出身である。


 しかし、その【剣王】という珍しい『魂の魔法』で、冒険者として大活躍。そして、モンスターの生態にも詳しいことから、護衛騎士候補に抜擢となった。


 【剣王】。名前からして強そうだけど、どれほど強いのかはまだ未知数だ。それも追々わかってくるだろう。


 そして、一番左にいた少女が、他の側近候補の動きを見よう見まねで跪く。


「えっと、シェリーです! がんばります! よろしくおねがいします!」


 ちょっと拙さが見えるけど、やる気はある感じかな?


 シェリー。【修繕】の『魂の魔法』を持つ平民の八歳の少女だ。僕の持つたくさんのぬいぐるみを修理してもらうために呼び寄せたといっても過言ではない。


 シェリーには、メイド候補として働いてもらうことになっている。


 でも、本人も八歳だし、王族の住む離宮に入ったことがない平民だ。ティファニにお願いして、特に注意して目をかけてもらおう。


 まぁ、もしシェリーがメイド候補として失格になったとしても、新しくぬいぐるみ修理係という役職を作ってでも確保したい人材だ。


 僕は、ぬいぐるみが壊れた時の絶望を知っているからね……。


 シェリーがいれば、その絶望が未然に防げるのならば、なんとしても手放したくないのだ。

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