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love every!  作者: あしたば
不良少年の友情と妹
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五話【不良と中学生の接触】

美佐視点でどうぞ!


放課後。私は、教室の隅にいて窓をずっと眺めてる革巻君に話しかけた。


「またお前等か? その前にコーヒー代返せよ! 痛い出費だったんだからな!」


革巻君が怒りの表情を浮かべているがそんなのは気にしない。


革巻君がバイトをしている所から部活に入っていない事は確かだ。


「革巻君! 遊びに行こうよ!」


「俺の皮肉はスルーなのか!?」


すると横から入ってきた大和君がやってきて革巻君の肩を叩いてこういった。


「いいじゃねーか! 学生らしく遊びに行こうぜ」


「ちょっお前も! 昨日のコーヒー代返せ!」


「よし! 美佐! ゲーセン行こうぜ」


「そうだね! ほら! 革巻君もぼーとしてないで行こうよ!」


私は強引に革巻君の腕を掴んで連れて行く。


「おい! ちょっと痛いって……!」


そして私達三人はゲームセンターへと向かう。


  ★


ちなみに美玖ちゃんと加奈ちゃんは、部活で来れないらしい。


祐二君を誘うとしたんだけど大和君に何故か止められた。


大和君曰く「あいつは連れて行くな。絶対にな」と言っていた。


……一体どんな理由なんだろう?


そして私達はゲームセンターに到着した。


「なぁ美佐。ボーリングやらないか?」


え? ボーリング場なんてあるの? 凄いな。


「いいよー負けないからね!」


「ビリだった奴は罰ゲームって言うのはどうだ?」


革巻君はよっぽど自信があるのかそう提案してきた。


「――――いいよ! 勝負しようよ!」


私達は見えない火花を散らしていた。


    ★


三時間後。俺は衝撃のあまり開いた口が塞がなかった。


劉蜂。二七七。


橘。二六五。


俺。一八七。


俺……結構スコアいいのにビリって……今時の高校生はこんなに凄いのか?


まぁ俺も高校生だけどさ。


「じゃあ革巻君罰ゲームね」


「俺ファンタグレープ」


「じゃあ私はコーラで」


……昨日のコーヒーの件を思い出すのは俺だけか?


仕方が無い負けたんだから。負け犬の遠吠えだ。


俺は渋々外にあったであろう自動販売機のところへ向かった。


なぬ!? コーラとファンタ缶ジュースなのに一五〇円すんじゃねーか!


スーパーで買ったら安いのに。


なんかこの頃不運だと思いながら道に視点をあわせてみると、


「嬢ちゃん。一緒に何処か遊びにいかないかい?」


「やめてください! 話してください!」


制服姿の女子が絡まれている。制服姿なのでたぶん中学生か高校生だろう。


女子相手に三人がかりかよ……いつ見ても昔の俺を思い出して苛々するな。


「やめろって……離してやれよ」


咄嗟的に話しかけてしまった。やれやれ。これも慣れかな?


「なんだテメェ! ……ってお前は『悪魔のキラー革巻』じゃねーか!

見た奴全てを病院送りにするっていうあの……!」


誰だよそれ? 俺は戦闘狂じゃねーよ。誰だそんな噂流したの?


すると三人は慌てながら駆け足でどこかへ行ってしまった。


「お兄ちゃん! ありがとうございます! 助けてくれて」


良く見たら可愛いじゃん。絡まれるのも良く分かるかも。


「いやいいって。とりあえず次から絡まれるなよ?」


「はい! ありがとうございますです!」


なれない敬語を使っているのか良く分からない言語になっていたが、


彼女なりのお礼なのだろう。


「じゃあ俺は行くから」


そういって俺はそこを後にしたのだった。これってもしかして運命の出会いってやつ?


ハハハ。何考えるんだろうな俺。


「おい買って来たぞ二人共。有難く飲んでくれ」


橘と劉蜂に缶ジュースを渡した。するとたぶんあの時俺は、缶を無意識に振っていたのだろう。


泡が二人の顔に直撃した。


「うわ! なんじゃこりゃぁあ」


「革巻君! これは仕返しなの!?」


二人は騒いでいるが何故か俺に笑みが零れた。


久しぶりだなこの感覚。凄い楽しい。


俺は、仲間っていいなと思い出した瞬間でもあった。


    ★


俺は革巻と美佐と一通り遊んだ後家へと帰ってきた。


結構遅くなっちまったな。俺が家の中に入ると


百合華が凄い顔で俺にこういってきた。


「大和! 大変だよ! 夕菜が……夕菜が……!」


「どうした!? 夕菜になんかあったのか?」


「とりあえず夕菜のところへ来て!」


俺が夕菜の部屋に行ってみると夕菜は案の定


「うー……痛いよー! 熱いよー!」


大声で騒いでいた。


「お、おい夕菜? どうしたんだ?」


夕菜の頬はピカチュウの頬みたいに赤くなっている。


「夕菜ね……お兄ちゃんの他にも好きな人が出来ちゃったの!

どうしよう……お兄ちゃん?」


妹よ……それがノーマルなんだよ。


「で誰なんだ? 夕菜?」


「それが分からないの……」


は? 普通に同級生を好きになったとかじゃないのか……おじさんとか言うオチは許さん。


「――――特徴は、そう! お兄ちゃんと同じ制服着てたよ!」


ふむふむ。という事は、俺の高校の生徒という事だよな。


「そう! 今日始めて会ったんだけど……ゲームセンターの前の自動販売機に居て

両手に缶ジュース持ってたよ」


今日かよ!? 両手に缶ジュース持ってるやつって完璧パシリに使われてんじゃねーか。


両手に缶ジュース……? まさか。もしかして……


「その缶ジュースって機種わかるか?」


「分かるよー。えーとねーたぶんコーラとブドウのジュースだったよー夕菜の記憶が正しければ」


えーとそんな事してる高校生ってもう一人に限られて来るよな。


――――革巻だ。


その前に革巻しか浮かばん。


どうしてこんな事になってるんだ?

題名の不良と中学生は


革巻と夕菜の接触でした!

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