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不幸な少女は神になる  作者: カモノハシ
序章-死神と少女-
1/42

始まり-1

この物語の主人公は、まだ五歳の赤毛の少女。


 


名前は──ラキ。


 


明るくて元気で、よく笑う子だった。


 


小さな身体で、毎日を全力で駆けまわる。


村の大人たちは、そんなラキを見ていつも笑顔になる。


 


「ラキちゃんは本当に元気だねぇ。」


 


そう言われるたび、ラキは得意げに笑った。


 


 


ラキが暮らしているのは、山あいの小さな村。


 


地図に名前が載るかどうかも怪しい、ひっそりとした場所。


便利なものもなければ、派手な娯楽もない。


 


けれど、風は気持ちよくて、空は広くて、季節の移り変わりがよくわかる。


そんな、静かで穏やかな村だった。


 


 


ラキは、二人の老夫婦と暮らしていた。


 


おじいさんのゲルトと、おばあさんのマリア。


 


二人とも、血の繋がりはなかった。


でも、ラキのことを本当の孫のように大切に思ってくれていた。


 


「おはよう、ラキ。今日はいい天気だよ。」


 


「うん。ハッピーとボール遊びしてくる!」


 


それが、ラキのいつもの朝のやりとりだった。


 


 


老夫婦には、かつて実の子がいたという。


けれど、その子は病で亡くなってしまったらしい。


 


だからこそ、ラキに注ぐ愛情はとても深くてあたたかかった。


 


ラキもまた、その愛に素直に応えるように育っていた。


 


 


そんなラキの親友は、愛犬のハッピー。


 


ふわふわの毛並みで、おとなしくて、やさしい犬。


ラキがまだ赤ん坊の頃から、ずっとそばにいる。


 


毎日、ラキはハッピーとボール遊びをする。


 


──といっても、ラキが投げたボールをハッピーはあまり追いかけない。


ただ尻尾を振って、ボールを転がすラキを見ているだけ。


 


それでもラキにとっては、大好きな時間だった。


 


 


草の匂い。


空を渡る風。


土のぬくもりと、木漏れ日。


 


それが、ラキの日常だった。


 


貧しくても、不自由でも、そこには幸せがあった。


 


ラキは信じていた。


この毎日は、ずっと続いていくのだと。


 


 


……ただ、一つだけ。


 


ラキには、避けようのない不幸があった。


 


 


それは──


 


とある『死神』に、見つけられてしまったということ。


**********


この作品を読んでいただきありがとうございます。


コメントや評価、レビューを是非お願いします。

モチベーションに繋がり、日々を頑張れます。


1話毎の文字数は多くならないようにしているので、気軽にお読みいただければ幸いです。


**********

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