キミは誰?
一年生のフロアは、校舎の四階。さっぱり場所がわからなくて、カバンからもらった地図を見ることにした。だが、
ガシャン!!
「ああぁ!」
念のためにいれておいた、色鉛筆が散乱してしまった。
放心して、涙がでる寸前だった。
どうして、私、こんな…私だけ、ひどい目に…
後ろを歩いていた大人びた同級生からの視線が痛い。
あぁ、死にたい。死にたい。今すぐ。
でも、キミと出会って…
「えっと、、大丈夫ですか?」
キミしか考えられなくて…
「ぁっありがとうございます。」
キミのすべてに脳が反応する!!!
サラサラの黒髪、まだあどけなさの残る目元、存在の小さい小ぶりな鼻、口角のあがった唇。
一瞬見ただけで、それは運命だと分かった。
私が夢見ていた、『恋』って、このこと?
なんて素晴らしい!!
好き!この感情すべて、好きに支配される!コントロールができないくらいに。
こんなにイケメンな顔、どうして今までほったらかしにされていたの?
だが、もうあの人に話しかけることはできなかった。
あぁ、絶対顔赤くなってる…
恥ずかしくて毛量の多い汚いロングの髪に、顔をうずめた。
色鉛筆を拾ってくれたあの人は、すぐに教室へ向かってしまった。
誰なんだろう…同じクラスだったらいいな…
なんとかたどり着いた教室に、あの人はいなかった。ひどく落胆した。