7章 楽観的な考え
読んでいただいてありがとうございます。今回はグダグダです。登場人物の生い立ちの説明だけの回をやろうか迷います。それより後書きに説明を入れるべきか…
目が覚め上半身を起こすと体中が痛いし、暗くなっていた空が明るくなっていて地面には草が敷いてあり寝床のようになっている。
周りを見渡すと離れた場所で犬の獣人達が何かの肉を食っていた。
まさかと思いナナを探していると『お?使徒様が起きたぞー』骨付きの肉を食いながらジョーが声をあげる。
周りの犬の獣人達はあまり気にしてなさそうな雰囲気で肉を食っている。
『バル様――!』ナナが名前を呼びながらこっちに走って来る『ナナ!無事か?何かされてないか?』聞くとナナがギュッと俺に抱き着き『私よりバル様こそ大丈夫ですか?』ナナは泣きそうに聞いて来る。
『全身痛いがそれ以外なんともないよ』そう答えると慌てるようにナナが離れ『目が覚めたらバル様は居ないし獣人達に囲まれるしで大変だったんですから』ナナは怒った風に言う。
『それは悪かった、でもナナが無事でよかった。…それで?俺はどれくらい寝てた?』『多分丸一日は寝てたかと、私が起きた時にはバル様は寝てたので合ってるかわかりません』話しているとナナが来た方から祈りの巫女と村長の弟が近づいて来る。
『使徒様どうぞお食べ下さい』祈りの巫女が葉に何かの肉を挟んで渡してきた、感謝を伝え何の肉だろう?と見ていると『葉っぱは食べちゃダメですよ?』祈りの巫女がほほ笑む。
ナナが俺の手にある肉を見て『これ凄く美味しかったですよ!』と横ではしゃいでいる。
匂いを嗅ぐが嫌な匂いはしなくむしろいい匂いがし恐る恐る口に運び、肉をかじり久しぶりの味に感動する。
肉も脂が乗っていて何か特別な味付けがされているのかと思うくらい噛み締める度に旨味が出て来て口に入れてとろけるような和牛と違って噛み応えがあるのに不愉快にならず、ずっと噛んでいたくなるくらいの噛み心地で気付いたら無くなっていた。
『すみませんこれはまだありますか?』祈りの巫女に持っていた葉っぱを見せ聞くとほほ笑み『あっちで今焼いているので取って来させますね』そう言い隣にいた村長の弟の頭をいきなり叩く。
静かにイライラした様子で『聞こえたでしょ?使徒様はお腹が減っているの、取ってきて』叩かれた村長の弟は『ハイ…すいません持ってきます』と言い残しトボトボ歩く。
さっきのは見なかったことにして『すみません、俺ってどのくらい寝てました?』祈りの巫女に聞くと『あれから二日とちょっとですね』衝撃を受けていると祈りの巫女は続ける。
『でも使徒様が無事でよかったです!今はお腹いっぱい食べて下さい』そう微笑み優しい声に癒される。
祈りの巫女と話していたがさっきの肉が気になり考える、牛でも豚でも鶏でもない味だがもしかして異世界の生き物か?気になって聞いてみる『さっき食べた肉は何ですか?』
聞かれた祈りの巫女は少し迷いながら『使徒様が食べたのは肉ではないのですよ』肉じゃない?でも肉汁が出てたぞ?『じゃあさっき食べたあれは?』『私たちはポポと呼んでるきのこです』
きのこがあんなにも大きく肉に近い繊維で脂もサシのように入っているなんて異世界凄いなと思ったが、周りの犬の獣人達は普通に肉を食べている事に少し疑問に思い聞いてみる。
『そのポポを皆さんは食べないのですか?』祈りの巫女に聞くと村長の弟がちょうど戻って来る『ポポうまいよな?けどよ食いすぎるなよ死ぬぜ?』そう言いながら葉に包んだポポを渡してくれる。
『村長!使徒様を怖がらせないでください!』イライラが爆発したのか怒りに変わる『そう怒るなって!悪かったよ!けどよ一時期ポポばっか食って俺は死にそうになったんだぜ?』
また祈りの巫女の地雷に触れたのか怒りから殺気のような嫌なピリピリした空気になる『あの時私は食べてもいいのか分からないから村長に食べ過ぎないようにと言いましたよね?言ったよね?』静かに喋るが目に光が無かった。
『ああ言われた通り一日10個くらいに抑えただろ?それで死にかけたんだ!』また地雷を踏み祈りの巫女が魔王に見えて来る。
『まさか毎日肉も食べずにポポばっかり食べてるなんて、あの時は何が起きたのか分からず必死に治癒の祈りを施しましたが、この話をする度見殺しにすれば良かったと後悔しますよ…』話してる途中でイライラが無くなり諦めに似た声になる。
ガハハハハハと豪快な笑い声が聞こえ見るとジョーがこっちに歩いて来る『また母さんにあの話で怒られてんなオヤジ!あれはオヤジが悪いって!』近づいてきたジョーに村長の弟が尻に蹴りを入れ、祈りの巫女がパンチを腹に入れる。
村長の弟が声をあげ『母さんじゃなくて祈りの巫女様と呼べって言ってるだろ!』祈りの巫女は『オヤジじゃなくて村長と呼びなさいと言ってるでしょ!』そう怒鳴る。
その光景を見てナナが俺に聞いて来る『何があったんですか?仲間割れですか?』いや…なんて言ったらいいんだろうか『ただの痴話喧嘩だよ』ナナと話しているとジョーが二人の説教から逃げる。
祈りの巫女がため息を吐き『使徒様見苦しいのを見せてすみません』頭を下げる『いや大丈夫です。はい。まさか村長の弟さんと夫婦だったとは』
『ハイ残念ながら…このバカはマルクスって言って、昔はジョージとマルクスと言ったら他の部族にも名を知るくらい有名な二人だったんですが』
『オイ!ナチュラルにバカって言うな!俺はいいが兄者は天才で頭の回転が速くてとにかく凄いんだぞ?』この通りバカなんですと言い、祈りの巫女は悲しそうに手で顔を覆う。
『あの?ジョージってまさか?』俺の疑問に祈りの巫女は答えてくれる『そうです使徒様が居た東の村長の名です』祈りの巫女が話し終えると『そして西の村の村長がこの俺マルクスだ!』手を出してきたので握手する。
村長の名前が分かり疑問が湧く『ジョーって?まさか』祈りの巫女が呆れたように答える『そうです自分の兄から取った名前です』誇らしそうにマルクスが腕を組み話す『ジョーも兄者のようになるさ!』
祈りの巫女がため息を吐き『私の名前はアキです妹は知っての通りハルです。私のことはアキでいいですよ!それと使徒様ハルは元気にしてましたか?』
マルクスも食い気味に『そうだ兄者は?元気だったか?』二人に聞かれたが元気だったとしか言えなかった。
俺の様子に気付きアキは笑顔でそれはよかったですと言い、まだ質問をしようとしていたマルクスを連れ下がる。
二人が奥に行くとナナが聞いて来る『これからどうするんですか?』これからか…倒れて二日も意識が無くそれに体中が痛いしポッチ達は無事なのか?色んな事を考えたが『とりあえずここの皆と行動するよ』
そのうち村長やポッチに会えると軽く考え、他の嫌な考えを振り払い食べていなかったポポに食らいつく。
犬の獣人達は基本的に料理は丸焼きスタイルです。焦げててもあまり気にしてなさそうです。むしろ焦げてるかで焼けてるか確認してます。葉に包んで丸焼きや燻製も出来るが時間がかかるため何か特別な事が無いとやらない。
ポポと呼ばれてるきのこは焼くと見た目はほぼ肉で大きさもあり食べると旨味が凄いが栄養価が低くその上食べてもほとんど消化されず腹は膨れるがポポだけ食べると栄養失調になる。それに少し中毒性がありポポを食べ続けた野生生物が栄養失調で死にその死体で土に栄養がいきわたりポポが繁殖する。西の村の近くに群生地がありポポの味に魅了されたマルクスが食べ過ぎて死にかける。
こんな感じで説明を入れましたけど、どうですか?要らないなら辞めます…