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異世界転移したが俺に女神なんていない  作者: れみん
帝都

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59章 主従の関係ではない

読んでいただいてありがとうございます。急ぎで書いたので、誤字や文章がおかしい箇所があるかもです…

 先程までの緊張感が嘘のように呑気に会話を始める二人に床で押さえつけられたポッチは声を荒げる。


『放せ!人間!殺してやる!』『あらら?生意気ね、あなた。これでも、その態度でいられる?』


 その言葉の後、ポッチの腕をぐりぐりと曲がってはいけない方向へと動かしていくと、流石のポッチでも悲鳴のような声を上げて痛がる。


 止めに入ろうとするとルチルが先に口を開き、やめるようにとマリーと言う名の女性に伝えるが、彼女は満面の笑みでルチルに振り向く。


『マリーやめるんだ』『何かしら?ルチル?』『とぼけるんじゃない。今やろうとしてる事をやめるんだ』


 真剣な表情でそう訴えるルチルにマリーは笑顔のままポッチの腕を緩める。


『本当に優しいわね。私あなたのそう言うところが好きよ。……でも、躾はちゃんとしないとね』そう言うとマリーは掴んだポッチの右腕を軽く動かす。


 ゴキュっと嫌な音が鳴り、ポッチは再び声を張り上げると満足そうにマリーは立ち上がり、ポッチを見下ろす。


 ポッチは解放されると地面をもがきながらマリーから距離を取ると、息を切らしながら壁に背を付きゆっくりと立ち上がる。


 呼吸を整えてマリーを睨みつけるポッチの右腕は折れているのか、だらりと垂れて動かない。


 そんな状態にもかかわらず、ポッチは使えない右手を隠すように構えてマリーに向き合う。


『ん?まだやるって言うの?』マリーは楽しそうに微笑み、ポッチを見つめる。


 再び攻撃を仕掛けようとポッチが身構えるが、流石に止めに入る。


『待ってくれ!それにポッチも落ち着け!大丈夫だ!大丈夫…』俺の姿を見たポッチは構えを解き、右肩を痛そうに押さえる。


 ポッチに戦う意思がない事を確認したルチルは声を上げる『マリー!やめろと言っただろ!…はぁもう…バル・バトス様。申し訳ない!マリーも謝るんだ!』


『どうして?先に攻撃したんだから、あっちが悪いでしょ?それに片腕だけで済んだんだから感謝しても良いくらいよ?』


 謝る様に促したルチルだったが、マリーのその態度にルチルにも怒りが見える。


『マリー…これは命令だ…謝るんだ』落ち着いた様子でそう話すが声のトーンが普段のルチルではない。


 その言葉にマリーの雰囲気が変わり、笑顔が消えるとポッチに向き合い、先程とは打って変わって、素直に謝る『…ごめんなさいね……』


 ルチルはまだ満足していないように頭を下げる『……本当にすみませんでした!それにその…獣の腕は大丈夫ですか?』


 ポッチを見るが警戒を解いて無いのか、緊張した面持ちで俺を見つめる。


『ポッチ?腕は大丈夫か?』『使徒様…俺は……俺は!…クソッ!俺はどうすればいいんだ?』ポッチの言っている意味が分からず、戸惑ってしまう。


 だが、その感情を表に出さないように困惑したような表情を浮かべるポッチに優しく話しかける『ポッチ大丈夫だ。落ち着け。とりあえず腕は動くか?』


『腕なんかどうでもいい!俺はどうしたらいいんだ⁉』酷く動揺して感情を露わにするポッチに、どのように声を掛ければいいのか分からない。


 俺から返答が返って来ないとポッチはその場で地面に座り込む。


『…バル・バトス様?大丈夫なのですか?その獣は?……それに勘違いならば、あれですが…今、獣と会話をしてたように見えるのですが?』


 今更だが、ポッチと会話をする所をルチルに見られたが、もう隠す事も出来ない為、素直に会話が出来る事を話す。


『なるほど。獣人は獣の言葉をある程度、理解出来ると聞いてましたが……バル・バトス様も獣人なのですか?』


 ベル同様に獣の言葉が分かるイコール獣人と言うのがこの世界の認識なのか?


 そんな考えを抱いていると、マリーが口を開く『違うわ、人間よ。でも…獣人、獣、どちらでもない……それなのに言葉は通じてる?…あなた能力持ち?』


『マリーそれはない。バル・バトス様は武器生成の能力をすでに持っ…ている……』


 その言葉に場の空気が張り詰める『なによそれ⁉能力を二つも持ってるっていうの?聞いた事が無いわよ⁉』


 二人が俺を警戒するのが感じ取れるが、理解してもらう為に俺の素性を話してもいいのか不安になる。


 ルチルは初見の見た目こそ悪人に見えるが、護衛に対する振る舞いや、話していくうちに人柄の良い人物だと認識出来た。


 だがそれは商人として、人当たりの良い人物として振る舞っているのか、そうでないかは判断できない。


 事情を話せば理解は示してくれる気がするが、理解を示さなかった場合、どういった反応を示すか分からない。


 葛藤する俺にルチルが両手を上げる『わ、私はあなたの事を詮索しませんから。それに私はただ商人で、バル・バトス様はお客様です。この関係を崩したくはないです』


 ルチルは一歩引いたが、マリーを見るとニヤニヤした表情を浮かべる『私は気になるけどねー。でも、ルチルがそう言うなら…大人しく身を引くわ』


 場の緊張感が無くなっていくと、ルチルはワザとらしく咳払いをしてから話し始める。


『話は変わりますが、そういえば…私も詳しくは聞いて無いのですが、護衛は何故ここにバル・バトス様をつれてきたのですか?』


 正直、説明がめんどくさい…だから、チルとリクが俺をここに連れて来た理由を知っていると伝える。


『そうですか…でも、今はその二人が居ない…と、あ!言っておきますが、私は別にバル・バトス様を連れて来いなどとは言ってないですよ!』


 一番嘘を付けないであろうチルが俺を見た時の反応でルチルが嘘をついてないと分かる。


『ええ、分かってます』その言葉でルチルは安心したのか、大きく息を吐く。


『ですが、迷惑を掛けたのは事実です。何か出来ることがあればいいのですが…』


 今はポッチの腕もそうだが、ダニエルを治療を出来る人の情報、人脈がルチルにあるのかを尋ねる。


『だったら、ルチル…そこの彼の腕を治せる…治療の能力を持った人物を紹介してくれないか?』その質問をすると、ルチルの表情が少し変わる。


『うーん、それは申し訳ないですが難しいです。ですが、バル・バトス様の言いたい事も分かります。教会に獣を入れるなんて、治療どころか殺されてもおかしくないですからね…』


 ルチルは冗談を言ってる顔では無く、真剣な面持ちで話し、何かを考える。


『そういえば、バル・バトス様は騎士団長殿とお知り合いと仰ってましたね?』『……ええ…』


 その騎士団長であるダニエルが今、死に掛けているなんて言えない。


『騎士団長殿にお会いできるように取り次いで貰えませんか?出来るようでしたら…先程の言葉を撤回して、治療の能力を持った人物を紹介します』


 願っても無い話だが、俺の独断で決めていいものか迷う……『確認して悪いが、その人物は信頼できる人なのか?』


『ええ!もちろん!私が一番信頼してる人物です』俺の言葉にすぐに返答して、その人物が信頼できると確信がある言い方にルチルを信用する。


『分かった。必ず会えるよう約束する。だから、今すぐその人物をここに連れて来れるか?』


 俺の言葉にルチルは横を見る『マリー、獣の腕を治療してくれないか?』『フフッ、分かったわルチル。私は一番信頼されてるものね。断れないわー』


 マリーは嬉しそうに笑顔でポッチに近寄るが、ポッチは近付くマリーに対して、牙と爪を剥き出しにして攻撃の意思を見せる。


『なに?抵抗するつもり?ルチルー?これじゃあ治療出来ないわよー?』『バル・バトス様?この状態じゃ治療出来ません。何とかできませんか?』


 警戒するポッチに近付くが、俺にも攻撃の意思を見せる。


『ポッチ大丈夫だ。その腕を治す為に大人しくしてくれ』『腕なんかどうでもいい!……一つ聞かしてくれ!…前にも聞いたが、あんたはどっち側なんだ?』


 最初の頃にポッチが俺に訊ねて来た質問だ…俺が人間側なのか獣側なのか、あの時は色んな事が起きすぎて整理が出来ず答えれなかった。


 だが、今なら答えられる。

小説を書いている間は結構安らぎがあるんですが、疲れている時にいざ書くってなっても頭が回らないせいで、書けない事が苦痛になってます。

休みが欲しい……

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