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異世界転移したが俺に女神なんていない  作者: れみん
帝都

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56章  伝わる言葉

読んでいただいてありがとうございます。急ぎで書いたのでまた編集するかもです。

 捜索を始めて数時間が経つと、太陽が沈み暗くなっていくと共に昼のような活気は無くなり、道を歩く人も少なくなっていく。


 それに捜索の間、休憩も無いままなので流石にポッチも疲れが溜まっていると思い、声を掛ける。


『なぁポッチ、いったん捜索はやめよう。もしかしたら酒場に居るかもしれないし、居なくてもカイルか誰かが居るかもしれないから話を聞こう』


 そう提案するとポッチは見つけれない事を謝って来るが、ポッチは何も悪くないと伝え、酒場に歩き出す。


 ポッチに酒場に行こうと提案したが、正直記憶がおぼろげな為、曖昧な記憶で歩みを進めていると、黒色の服を纏いフードで顔の見えない人物が一人で目の前に現れる。


 急に現れた人物に教会の連中かと思い、警戒すると相手から話し掛けられる『あー…えーと…さっきぶりっすねー』


 その話し方と声で思い出す、俺をルチルの所へ連れて行った、多分ルチルが雇っている護衛だと。


 だが、正体は分かっても不審者という事には変わりはない、それに、俺はこいつに服を破かれた事を思い出す。


そのことを踏まえて冷たく何の用かと尋ねると、目の前の不審者は舌打ちをして、被っていたフードを取って顔を露わにする。


 顔は気の強い口調に似合わず可愛らしいが、一番先に目に入るのは短くボサボサの髪に切られたのか、不自然に短くなったケモ耳だった。


『先に言っとくけど、こっちは別にあんたに敵意は無いっすよ。その証拠に素顔だって見せたんっすから。それより…ば…バリ…バリタ…何だっけ?あんたの名前』


 適当な感じで名前を聞かれたので、名前を教えると、どうでもよさそうに返事を返される。


『あ、そう。それであんたは今、あのチビを探してんでしょ?それは無理だと思うよ。私が尾行したら気付いてどっかに消えたから』


 チビってカレンのことか?それならカレンを尾行した訳も気になるが、何故、俺の前にこうして現れたのかが気になる。


『もう一度聞くが、俺に何の用だ?』『あのチビがリク…って言っても分からないか、うちの仲間を殴り飛ばしたらしいじゃん?その仕返しをあんたに…』


 気配が変わり不審者からは何とも言えない威圧を感じると、ポッチが俺を守る様に前に立つ。


『なんてね…じょーだん、冗談』そう言って目の前の不審者はおちゃらけた雰囲気を出すが、顔と目が笑ってないまま話を続ける。


『正直な話、あんたはどうでもいいんっすけど、そいつが何者か気になってね。人間じゃないでしょ?』


 不審者に指を指されたポッチはすぐに警戒し始め、こん棒を隠した場所に手を伸ばす。


 それに気付いたのか不審者は数歩後ろに下がると、ひらひらと両手を上げる『だから、敵意は無いって言ってんじゃん。そいつ、言葉は通じないんっすか?』


 面倒事を増やしたくない為、ポッチに警戒はするが攻撃はしないように伝えると、不審者は急に驚き出す。


『ええ⁉マジで…あんた…いや…あの、ば、バトスさんは獣人なんっす…あっ…ですか?』


 不審者は動揺してるのか言葉遣いがおかしくなりながら、そう訊ねて来るが、さっきまでの興味が全くないような態度とは打って変わり、俺を舐めるように上から下へと見てから、ゆっくりと近寄って来る。


 俺の目の前に来るので何をするのかを見ていると、不審者はポッチを警戒しながら、ゆっくり手を伸ばして、俺の頭を触り始める。


 ポッチは再び棍棒を掴もうと、布の中に手を伸ばすのが見え、俺は手を出してポッチを止め、頭を触る不審者に尋ねる。


『…どうして俺が獣人だと思うんだ?』『私達が使う言語を喋ったから?…そんな事より、耳は?尻尾は?切り落とされたんすか?それとも自分で?』


 ベタベタと頭を触って来る不審者を引き離し、理解が追いつかない現状に頭をフル回転する。


 俺が喋っている言語が対象によって自動で変わっているのは知っていた。何故なら、過去にポッチと喋っている間はナナは俺が何を喋っているのか分からないと言っていたからだ。


 その逆も一緒で、ナナと話している時に会話を聞いていたジョーも言葉が分からず、陰口を言われていると思い怒った事がある。


 なら何故、ポッチと話したはずなのにこの不審者が反応したのか、確かめる為にポッチにコソコソと話し掛ける。


『ポッチ、いいか?』『な…』『へーそいつ、ポッチって言うの?』ポッチに話し掛けたが不審者がポッチの言葉を遮って反応する。


 これで分かった事がある、どうしてかは分からないが、この不審者だけ、もしくは獣人達はポッチ達が使う言語が一緒の可能性があるという事に。


 もう一つの仮説を確かめる為にポッチには不審者と何か会話をして貰いたいが、不審者がポッチに興味を抱きすぎて、ポッチが被る布を取ろうとして一触即発になる。


『ポッチ落ち着け!手を出すな!それに…えー、そう言えば名前は?』『え?うち?うちの名前はベルっす』


 ベルにポッチの布を剥そうとするのを止めるように言うと、意外と素直にいう事を聞いてくれるが、興味の対象は俺に戻る。


『やっぱりバトスさんは獣人なんっすね!』キラキラと目が光るくらいの眼差しを俺に向けて来るが、これ以上相手をするのがめんどくさくなり、違うと、言い切るとベルの様子が変わる。


『分かります。バトスさんの気持ちは…うちも一緒の気持ちだから…』同じ思いをした同志を見るようにより一層キラキラと目を輝かせ、俺を見つめだす。


 何を言っても無駄な気がしてくると、ベルはハッとした表情になり、顔を背けて目線を横に向ける『ヤバッ、そういえば忘れてた。マリ姉に報告するのを…』


 急に意味の分からない独り言を話したと思えば、ベルが向いた方向から誰かがこっちに歩いて来る。


『おいベル、何してんだ!仕事もしないでよ。それに、マリーさんが心配してるぞ!』その声に目をやると、ドシドシと足音が鳴っていてもおかしくないほどの巨体で、黒のトレンチコートを着た人物が目に入る。


『チル、ごめーんごめん。ちょっと気になる事があったんっすよね』反省しているような態度と口調では無いまま、ベルはその人物に近付いて行く。


『ベル!その態度はなんだ!いい加減にしろよ!行き場の無いお前を最高の主人である、トルナイト様に紹介したマリーさんにも失礼だと思わないのか⁉』


 最初は巨体の男に目が行って気付かなかったが、後ろにもう一人居て、その人物がベルに対して怒りを向けている。


『もう、チルは何でそう真面目君なんっすか?もうちょっと気楽に生きた方が楽っすよ!』『ハァ…リク!お前も言ってくれ!トルナイト様とマリーさんに迷惑を掛けるなって!』


 何か言い争いが始まり、めんどうに巻き込まれないようにポッチに行くぞ、と合図を送る。


 ポッチはそれに気付き、静かに二人で歩き出すと黙っていた巨体の男が話し出す『待て。お前等、何所に行くつもりだ?』


 野太い声で明らかにこっちに対して威圧感を向けて来るとポッチは被っていた布を脱ぎ捨て、棍棒を地面に落とすと爪を出していつでも戦闘出来るように姿勢を屈める。


『ポッチ⁉落ち着けって!』そう声を掛けるが俺の声が聞こえて無いのか、ポッチは無言のまま戦闘態勢を崩さない。


『そいつの言う通りだ。落ち着けよ、お前じゃあ俺を倒せない事ぐらい分かるだろ?』巨体の男は静かにポッチにそう言い切る。


 それにさっきまでベルと言い争っていた男が声を上げる『ちょっと待てよ!そいつ、獣じゃあねーか!あーふざけんなよ⁉帝都は獣にも寛容な国なのか?王都はクソだな!オイ!』


『フフ…ブッ!あははははは!はぁ…ねぇチル?フフッ、何か変だと思わないんっすか?』ベルが突然、笑い出し、バカにするようにチルを煽る。


 だが、その間もポッチは戦闘態勢を崩さず巨体の男を睨み続け、カオスな状況が生まれる。

あれ?おかしいな…帝都から出れないぞ?どういう事だ?

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