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異世界転移したが俺に女神なんていない  作者: れみん
帝都

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55章 心を許す友

読んでいただいてありがとうございます。忙しくてあんまり読み返せなかったので…また編集するかもです。

 執事から聞いた話しによると、レイチェルは子供達とポッチを教会の連中に見つからないように、別の部屋に隠していたようだ。


 そのことをナナに伝える為に部屋へ向かうが、今日の出来事に体は痛み、精神的にも疲れ、昼飯を食べてないせいでお腹が音を立てる。


 こんな状況なのに空腹で腹が鳴った事にすらイライラしてしまい、その感情を消そうとこれからの事を考える。


 ダニエルはあんな傷を負っていつ死ぬのか分からない…なら、ポッチにナナを任せてボルガの所に直談判に行くか…でも……ん?


 こんな事を考えているとナナが目に入るが、何故か部屋から出て扉の前で顔を伏せて座り込んでいた。


 何かあったのかと早足になると、ナナは俺に気付き、こちらに駆け寄って来る『バル様!皆は居ました?』『あ、ああ、何所に居るか聞いたから、今から迎えに行こう』


 その言葉にナナは無言で頷き、二人でポッチ達が居る部屋に歩き出すが、ナナが部屋の外に居た理由を聞けなかった。


 部屋に向かう間、ナナからは何があったのか質問される事も無く、ただ無言で歩いて目的の部屋に歩いて行く。


 しかし、無言に耐えられず、ナナに何があったのかを素直に言った方がいいのか、迷っていると、目の前の扉が開き、中からポッチが勢いよく飛び出て来る。


『使徒様⁉か…ハァー…ビビらせるなよ…』『ポッチこそ、急に出て来て驚かすなよ。子供達は無事か?』


 その言葉にポッチは疲れたようにため息を吐くと、部屋の中を指差す『こっちは大丈夫だ。ほら、見て見ろ』


 部屋の中を覗くと子供達は遊んでいた手を止めてこちらを見る姿が目に入り、安堵のため息を吐く。


 ナナを部屋の中に入れると、ポッチは俺をジロジロと見て話し出す『ところで…使徒様こそ、何があったんだ?それに、その血は使徒様のか?怪我はなさそうだが…』


『まぁ…色々あったんだ…それより今から俺は外に出るが、何かあったら子供達と此処の人達を守ってくれ』


 そうポッチに告げて、歩き出すと呼び止められる『使徒様!待ってくれ!何があったんだ?先に説明してくれ!』『…あとで…また詳しく話すから、今は時間が無いんだ…』


 再び歩き出そうとする俺にポッチは声を上げる『待て!前にも言ったろ!使徒様は何も考えずに行動する時があると!…今回もそうなのか⁉』


 俺は誰にも迷惑を掛けたくないし、ナナが拉致されたことや、現在ダニエルが死にかけている事が、もしかしたら俺が原因なのではないかと思い、黙る俺にポッチは静かに話し掛けて来る。


『使徒様、俺は人間の言葉が分からないが、何か良くない事が起きているのは分かる。だが、それは使徒様だけで何とかなる問題なのか?』


 そのポッチの言葉に我に返り、焦る気持ちを静め、今の状況を落ち着いて考える。


 冷静に考えてボルガに直接会う事も出来ないだろうし、万が一、会う事が出来ても、俺の言葉は一つも聞いてはくれないだろう…


 なら、手榴弾か何かで脅すか?いや、そんな事をしてもな……カレンがいれば…駄目だ…今、カレンは何処に居るのかすらわ…から…!ポッチならカレンを見つけられるのか?


『そうだなポッチ…手を貸してくれ。前に居た、背の低い人間の女性を匂いか何かで見つけれるか?』俺の言葉にポッチは表情が明るくなるが、首を傾げる。


『?……あー!俺がそいつを見つけろって事か⁉』最初は首を傾げたが、すぐに理解したポッチにそうだと頷くと、ポッチは軽く頭を掻きながら考え始める。


『どうかな…全ての匂いを覚えてる訳じゃ無いからな…例えば、その人間の匂いがあれば、ある程度、探せる事は出来るが…』


 その言葉にカレンが俺の服を引っ張ていた所をポッチに嗅がせるが、首を振る。


『駄目だな、ほとんど使徒様の匂いと、血の匂いしかしない』ポッチからの言葉に頭を抱えて下を向いていると、膝枕にされたことを思い出す。


『ポッチここならどうだ?』そう言って、太もも辺りをポッチに嗅がせたが、周りから見たら絵面が凄い事になってそうだと思いながら、ポッチの言葉を待つ。


『あー!この匂い…あの人間か!俺は関わりたくないと思った奴だから覚えてるぞ!』その言葉に希望が見えると共にポッチは誰を見つけるのかは理解出来て無かったという事が分かった。


『よかった。ポッチは布を被って一緒に来てくれ』その言葉に準備を始めるが、そうなると子供達が残されることになる為、ナナを頼る事にする。


『ナナ、子供達の面倒を見てくれないか?』『バル様は必ず帰って来ますよね?』予想していた返答と違ったが、ナナに必ず戻ると伝えると承諾してくれる。


 ポッチは慣れたように布を被ると話し掛けて来る『使徒様、ちゃんと計画があるんだな?』『ああ、一応あるが…ポッチが頼りだ…その匂いの人物が見つからないと、俺達で敵の本拠地に突撃になる』


 やっぱりかと言わんばかりにポッチはため息を吐くと、俺に手を伸ばす『ハァ…使徒様、武器をくれ』『ポッチ…念のため言っておくが、殺しは無しだ』『違う、違う。手加減するためだ』


 ポッチはそう話すと、牙と爪をむき出しにして俺に見せて来る『こっちだと確実に死なせてしまうからな』


 爪は見てわかるほど鋭く、牙も同じくらい鋭いと分かるが、牙を出したポッチはいつものキリっとした表情から犬が威嚇するような顔つきに変わるが少し違う。


 それにポッチのそんな表情を見た事が無かったので、驚きと野生の怖さと言うか何かを感じてしまう。


 だが、確実に殺すような武器を持っているのに棍棒を使う理由を知りたくなり尋ねる『爪があるのにどうして普段は棍棒なんて使ってるんだ?』


『まぁ…色々理由はあるが…一番は手に血が付くし、何より返り血が面倒なんだよ…それに、いちいち何か殺す度に血が付くのが嫌なんだよ…特にゴブリンはくさいから嫌いだ…』


 ポッチの話しを聞いて、ゴブリンの匂いについて興味が湧くが、くさい臭いをまき散らすポッチは嫌だなと思い棍棒を生成して渡す『ほらこれ、被ってる布にちゃんと隠してくれよ』


 棍棒を受け取り軽く振って感触を確かめると、隠すように布を被せる『少し軽いが…まあいいか。よし、行くか使徒様』


 ポッチの言葉を聞き、家から外に出るとポッチは周りの匂いを嗅ぎだす『…匂いはしないな……その人間とは最後にどこで別れたんだ?』


 その言葉に嫌な汗が出てしまう、あの場所に行けば、やみくもに探すよりはまだ希望はあるが、カレンがロリコン男を吹っ飛ばし、店を破壊した為、正直なところあの場所の近くには戻りたくない。


 だが、俺達に良くしてくれた恩人の為に、そんなわがままは言えない『こっちだ…付いて来てくれ』


 重い足取りで進んでいると、周りを見渡しながらポッチが尋ねて来る『なぁ?あの家で何があったんだ?あと、使徒様もだが…』


 少しでも気を紛らわそうとポッチに愚痴る様に全てを話すと黙って聞いてくれて、俺が話し終えるとポッチは静かに話し出す。


『なるほど…使徒様も大変だったみたいだな。それに、あのうるさい女が連れて行かれたのに、探さなくていいのか?』


 ポッチからうるさい女と言われているラニーに少し同情を覚えつつ、俺の考えを話す。


『探すが、今は後回しだ。それに教会の連中は聖女を探して何故かラニーが選ばれたんだ。それならラニーを殺したりする訳がない…はず』


 話してて思ったが、父であるダニエルが目の前で攻撃されて、腹を貫かれる様を見たラニーは今どんな状態なんだ?まず、暴れるのは確実だし…あー…その後の事は考えたくないな。


 そんな事を考え、ため息を吐くと、カレンを最後に見た場所に近付いて来る。


 店の前には野次馬が集まって店内の様子を伺い、その野次馬に対して軍服を来た兵士が話しを聞いている様子が目に入る。


 急いで顔を背けて早歩きで店の前を通り抜けようとすると、突然、俺の肩を掴まれ声が出る『やめてくれ!俺は!…』


 反射的に言葉が出たが、俺の肩を掴んだのは後ろを歩くポッチだったが、言葉を理解していないのか首を傾ける『使徒様?どうした?匂いを見つけたぞ。こっちだ』


 ポッチは掴んだ肩から手をすぐに離して先を歩くが、一瞬、捕まった時の記憶を思い出し、息が乱れ、体が震えて心臓が高鳴り続ける。


 先程の声で周りからの視線を感じ、先を歩くポッチに急いでこの場から離れたい事を告げるとポッチは歩くペースを上げてくれる。


 もう大丈夫だと思っていたが、まさかこんな突発的にトラウマが蘇るとは…


 そんな俺に心配するようにポッチは話し掛けて来る『使徒様?…様子がおかしいが…大丈夫か?』


 俺を心配してくれているが、ポッチは俺が監獄で過ごした日々を知らないのだ、正確にはポッチから何があったのかを聞いて来なかった。


 こちらも余計な心配を掛けたく無かったから、何があったのかを話す事も無かったのだが、ポッチもバカじゃない、色々察しているような気もする。


 そんな事を考えていると落ち着いて来たので、返事を返す『…もう大丈夫だ、心配ない。それより見つけられそうか?』


 俺の言葉にポッチは頭を軽く掻いてため息を吐く『難しいかもしれない…常に動き回ってるのか、匂いがあちらこちらにある』『それじゃあ、匂いを辿っても見つからないって事か?』


『いや、匂いを辿ったとしても迷路みたいな状態なんだよ。それもゴール地点が移動する迷路だ。いつかはゴールに辿れるが、時間が掛かるなこれは…』


 いつダニエルが死んでもおかしくない状態で、思い通りに行かない事に声が漏れる『クソッ!…どうして…』


 そんな俺にポッチは近付いて来ると俺の肩に手を置き、優しく話しかけて来る『使徒様、俺も出来る限りの事はやるから、気を落とさないでくれ』『…ありがとうポッチ…本当にありがとう』


 ポッチはフッと笑うと俺の背中を叩き明るく話す『まだ感謝されるような事はしてないぞ。目当ての人間を見つけてから俺をめちゃくちゃ褒めてくれ!』『違うんだ…ポッチの言葉にありがとうを言ったんだ』


 そう話すとポッチは何も言わず、先を歩き出すが、尻尾が布越しでも分かるくらい揺れているのが目に入る。

暑さのせいか、もう夏バテしてるような気がします…それに加えて疲れが取れない。

皆さんも熱中症に気を付けて下さいね。

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