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異世界転移したが俺に女神なんていない  作者: れみん
帝都

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53章 本音と建前

読んでいただいてありがとうございます。書いてて楽しかったです。

読み直しが十分ではない為、また編集するかもしれません…

 カレンはギルドから出てから、何も喋らずイライラしているのか、歩く速度がそこそこ速く、後ろを見るとナナは頑張って付いて来ている。


 無言のまま歩いていると、カレンはゆっくり立ち止まり、こっちを見ずにポツリと呟くように『やっぱり私って迷惑なのかな…』そう言葉を零す。


 突然そんな事を言い出すカレンにすぐに言葉を返す『そんなこと無い。前にも言ったが、カレンが迷惑だなんて思ってない』


 カレンの機嫌を損ねないように優しく話すと、こっちに振り向いて何とも言えないような表情で喋り出す『ホントに?バルは私のこと迷惑じゃ無いの?』


 目を見て真剣に話すカレンを刺激しないように優しく語り掛ける『カレンが迷惑だと思うなら、それは違うよ。少し表現の仕方が不器用なだけで、俺はカレンは優しい人だと思う』


 話し終えるとカレンは何も言わず前を向いて、俺の服を再び引っ張って歩き出す。


 前を歩くカレンを見て思う、カレンが誰かを殴ったり暴れたりして迷惑を掛けたとしても、俺とナナはカレンに助けられたという事実がある。


 それにカレンはカレンなりに俺の事を気遣ってくれているような気がする。


 ギルドで冒険者に殴られた時もカレンに助けられた…まぁ結果的に俺が捕まったが……それにナナが拉致された時にカレンが現れて、一度は突き放したが、カレンは助けてくれた。


 カレンは気が短く、喧嘩っ早いし、謎が多いが、出会う人が味方か敵か分からないこの世界でカレンという存在は頼もしくもある。


 そんなカレンに服を引っ張られて道を歩いていると、周りの人達の雰囲気が変わる。


 さっきまでチラチラと見られていたが、今は興味がないような…関わりたくないような雰囲気に変わる。


 目的の場所に着いたのかカレンに引っ張られて店の中に入ると、店内には奥の方で一人で食事をしている人と、そのそばで待機している人が二人居て、他の客は見当たらない。


 人が居ない事に少し安堵すると店員らしき人が急いでこっちに来て、俺に触れないように手で止められる。


 止められたのは、俺の服装が血まみれだからだろうな何て思っていると、店員は俺を見てからカレンそしてナナに目線をやると、話し出す。


『今は貸し切りの状態なんですよ。ドアプレートにも書いてましたよね?字が読めないんですか?』見下すように俺にそう話し掛けて来る。


 確かに俺は字が読めないが、カレンは気にせず店に入ったから大丈夫だと思っていたのだが…ここまで言われるほどのものか?


 少し理不尽な思いをしているとカレンは気にする様子もなく、俺を引っ張ってテーブルに向かうと、さっきの店員も追いかけて来て、俺達に怒りを露わにする。


『さっきの話を聞いてたのか?ガキを連れてくる場所じゃないんだよ!此処は!言ってる意味が分かるか?それにあんたの服装も何だ⁉ふざけてるのか!此処がどういう場所か分かって……』店員は何故か俺に敵意を向けて来る。


 この騒ぎに奥から品が良さそうな老人がやって来るが、焦る様に早歩きで向かって来て、店員と話し出す。


『お前は下がり…』『でも!こいつらが!』『いいから下がりなさい…後悔したくないでしょう?』小さい声で、そう話し合うと店員は悪態をつきながら俺達を睨むと下がって行く。


『カレン様。それにお連れの方々も、うちの者がご迷惑をお掛けしてすみません…私の教育不足です』品のある老人が真剣な表情で頭を下げ謝ってくれる。


『いや…こちらもこんな格好で…しかも貸し切りとは知らず入ってしまい、すみません』俺が謝るとカレンは俺から手を離し、勝手に席に座ると、前に薬師の男にしたような淡々とした口調に変わる。


『バル、ナナちゃん早く席に座ってご飯を食べましょう?……店主さん?あんな対応をされたんだから、食事の代金は無料で良いですよね?』


 滅茶苦茶な要求をしているが拒否させないような威圧感のある声色に恐怖を感じつつ、いつものカレンを知っていると、その丁寧な口調にさらにより恐怖を感じる。


『カ、カレン様、本当に申し訳ございません…本日は貸し切りの状態でして…今回は別の場所でお食事の方を…して頂けないでしょうか?』声と体を震わしながら頭を下げる店主にカレンは尋ねる。


『店主さん?今日のオススメは何かしら?』さっきの会話が無かったように尋ねられた店主はゆっくり頭を上げるとカレンに近付いて、料理の説明を始め、カレンはそれを聞きながら話しかけて来る。


『なにしてるの?二人も早く座りなさい』そう声を掛けて来ると店主の説明を遮って話し出す。


『店主さん、私はオススメはいいからいつもの肉料理を持って来て。二人はどうする?』向かいの席に座ろうとする俺にカレンが訪ねて来る。


『え?じゃあ俺はカレンと一緒の料理で…』『ナナちゃんは?』カレンにそう聞かれたナナは俺の横に座ると『バル様と一緒の物でいいです』と怖がりながら話す。


『店主さん、聞こえたでしょ?いつものヤツを三人分ね…あと、早く作って持って来て下さいね。分かった?』


 冷たい声で店主に圧を掛けると、椅子から立ち上がり横にあったテーブルに向かうと、大きな音を立てながら引きずり四人掛けのテーブルを繋げて、俺の横に座れるようにし始める。


 椅子を俺の横に運ぶと何も無かったように座り、楽しそうに話し掛けて来る『ねぇバル?ここの料理はホントに美味しいから、驚くわよ?』


『へぇ…それは楽しみだなー…どんな料理が運ばれてくるんだろうなー』そんな風に会話をしていると、奥から一人で食事をしていた人物が人を引き連れこっちに歩いて来る。


 貸し切りと言っていたが、間違いなく、今こっちに向かって来ている人物がこの店を貸し切りにした張本人だろうと分かっている為、怒られたらすぐに謝罪しようと覚悟を決める。


『いいかな?ここは静かに食事をする場所です。それに私は騒がしくされるのが嫌で、貸し切りにしたのですが、何故、あなた達は平然とここに居座っているのですか?』


 話し掛けて来た人物は男の人で高価そうな服を着ていて、傲慢な態度だが、明らかに俺達が悪い為、謝ろうと思い立ち上がろうとするが、カレンが先に言葉を放つ。


『あんた!さっきから私の事見てたよね?何なの!?それにナナちゃんにもそのやらしい目で見てたよね!』大きな声で怒鳴り散らし、部屋の空気が変わる。


 俺は謝ろうと席を立つ途中だった為、中腰だったがナナの話しが出て、すぐに立ち上がりナナを男の目に入らないように隠すように立ち回る。


 この男、ロリコンか?…そう思いナナを椅子から立たせて守るように後ろに隠すが、ふと目に入った男の後ろに居た二人も幼そうな女の子で、俺の中で不信が確信に変わり、女の子二人は男に対しての明らかに軽蔑の眼差しを向けている。


 カレンに怒鳴られたロリコン男は少しの間、固まって動かなったが、急に乾いた笑い声を上げる。


『あはははは…そんなことない!…見てただって…私が?…君みたいな子供をチラチラ見てただって?』ロリコン男が子供と言う単語を発した瞬間、店の奥から何かを落とすような音が聞こえると、店主が遠くからこちらを窺う。


 それにさっきからロリコン男は明らかに動揺していて、額には脂汗までかき、無駄に体を揺らし落ち着きがない。


『子供?…ねぇ?私がチビだって言いたいわけ?』カレンがロリコン男に冷たくそう尋ねると、何故か店主がうめき声を上げて膝から崩れ落ちる。


『どう見ても!こどッ…』ロリコン男がカレンの地雷を踏んだ瞬間、物凄い音と共にロリコン男の姿が消える。


 何が起きたのか分からず、音が鳴った方を見ると机や椅子が滅茶苦茶に壊れていて、そこにロリコン男がぐったりとして動かない姿が見える。


 すると急に服を軽く引っ張られ、見てみるとカレンが声を上げる『バル!早く逃げるわよ!』


 一瞬、カレンの言葉が理解出来なかったが、袋を担いで逃げるカレンの姿を見て、すぐに現状のやばさを理解する『ふぁ⁉……マジかよ!ナナ!行くぞ!』


 金の入った袋を掴み、急いでナナを抱き上げ、死ぬ気で走ってカレンの後を追いかけ、外に出ると脱兎のごとくカレンは一人で走って逃げている姿が見える。


 前言撤回だ…カレンはやっぱり迷惑かもしれない……

カレンみたいな滅茶苦茶なキャラが居ると、書いてて物語を展開しやすくて好きです。

やっと帝都から出るような物語を書いていきます!多分あと2~3章くらいで帝都から出るかもです。

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