50章 一難去ってまた一難?(前半)
読んでいただいてありがとうございます。今月も全然投稿出来なくて申し訳ないです。
予定では長編になるはずだったのですが完成しなかったので前半後半分けます。
タイトルは変えないとは思いますがもしかしたら変わるかもです。
俺の胸で体を震わせて話すナナの声を聞き改めて自分は無力だと痛感する『ナナ…こうなったのも俺が悪いんだ。どうするかを聞いたがやっぱりナナは家に居た方が…』
話しているとナナは顔を上げて目に涙を浮かべて俺の言葉をかき消すように声を荒げる『イヤです!バル様のせいじゃないです!私があの時バル様から離れたから!私が悪いんです!』
ナナはそう叫ぶと抑えていた感情が爆発したのか泣き始めると言葉を詰まらせながら、俺の顔に付いた血を触りさらに涙を流す『私の…せいで…バル様が…』
そんなナナの背中を撫でてあげ、諭すように優しく話しかける『ナナ大丈夫…大丈夫落ち着いて、ナナは悪くない…悪くないんだ。こうなったのも本当に俺が悪いんだ。むしろナナが正しかったよ』
『やめて下さい!バル様はいつもそうです!優しいのはいいことです!でも今回の事は私が悪いって言ってください!』突然ナナは泣きながら俺の胸に顔を埋めてポカポカと俺を叩き滅茶苦茶な事を言い出す。
『ナナ?聞いてくれ…本当に…』叩くのを止めると顔を上げ俺の言葉を遮るように声を上げる『バル様!私が悪いって言ってください!』目尻に涙を浮かべながら声を張り上げナナはそう怒鳴り真剣な目で俺を見る。
怒るナナに俺が全部悪いと言いたいがそんな雰囲気ではなく…それにナナが無視しろと言った馬車の奴らを助けた事で今回の事が起きたことも伝えたいが、今のナナにそれを言っても無駄だと思い諦める。
『ハァ…えー…ナナが……』『私が?……』『…悪いです』無理やりそう言わされ後味が悪い思いをしてるとナナは続ける。
『バル様!あと私がずっと一緒に居なかった事も悪いって言って下さい!』戸惑う俺にナナは恥ずかしそうに繰り返すが声が小さくなる。
そんな事をしていると後ろから気配を感じ振り向くと、酒瓶を抱えたカレンが俺を見ていることに気付き、直ぐにナナを抱き寄せ持ち上げる。
『バル?なにしてるの?早く行きましょ?』後ろからカレンにそう話し掛けられ、気まずい空気の中冷や汗を流しながら返事を返す。
俺はナナを抱きかかえカレンは酒瓶を抱きかかえ歩き出そうとすると、崩れた壁からボルガが這い出て、何かこっちに話し掛けて来るが顔が血まみれで特に鼻が殴られた粘土のように潰れていて上手く聞き取れない。
そんなボルガを無視してカレンは先に進み、続いて俺も無視しようとするが足を掴まれ、目線を落とすと血を吐きながら今にも死にそうな状態のボルガに何か話し掛けられる。
『ばゃ…だぁ……にゃ…ほ……ちゃた…にゃ』だが何を言ってるのか分からないし、今のボルガの無残な姿を見て怒りは無く、むしろこの状態で生きていることに驚きつつ返事はせず無視してカレンに付いて行く。
廊下を歩くカレンは迷う事無く道を進むが俺が通った裏口とは別の道で外に出ると道路には複数の男が地面に寝そべりうめき声を上げるだけで動かない。
この異様な光景にカレンがやったのかと思い見るが気にする様子もなく、倒れている男の横を素通りして先を行くので、慌てて後を追う。
お互い会話の無いまま歩いていると段々人が多くなり、活気が溢れ市場をやっている場所の近くの道に出るが何か少し様子がおかしく、巡回する兵士が多いことが気にかかる。
まさか兵士が多いのはルチルがラニーかダニエルに報告したんじゃないかと考えが浮かび…ルチルにナナと俺が無事だという事を伝えないといけないと思い、前を歩くカレンに先にギルドに行ってくれと声を掛ける。
カレンは歩みを止めこちらを見ると当然どうしてか聞いて来るので、ナナとはぐれて見つかった事をあの時の商人に話す事を伝えるとカレンは何かを思い出すような仕草をすると焦るように俺を止める。
『ねぇバル。い、今はいいんじゃない?行かなくても?そうよ!ギルドに行った後でも別に大丈夫よ!』そう話すカレンに今じゃないと駄目なんだと伝え、事が済んだら直ぐにギルド行くと言い残し。ルチルが居る露店に向かう。
朝は人でごった返していた道は今は普通に歩ける程度には少なくなり、露店を見る人がちらほら居る程度だが、何故かルチルの露店に近付くにつれ異様に人が多くなる。
流石にナナを抱えてだと邪魔になると思いナナに声を掛けるが離れるのはイヤだと、言い出すのでナナを説得しようとすると後ろから声を掛けられる『バル・バトス様…ハァ…チッ』
後ろから女性の声で名前とため息と舌打ちをされ、振り向くとフードを深く被った全身黒のマントで肌が見えない服装でいかにも怪しい人物がそこに居た。
ナナを隠すように抱きしめ離さないようにと力を入れ警戒しつつ話しかける『えーと?どちら様で?』『ルチルからあんたを連れて来るようにと…いいっすか?』
俺の質問に答えず言いたい事を言い終わると、その不審者はため息をつくと何も言わずに俺の腕の服を引っ張り路地に歩き出す。
ナナを抱っこしている為、両手を使えず歩くのを止め必死に抵抗するが片手でそのまま引きずられ、そのあり得ないほどの怪力にカレンが頭に浮かび、ナナが助けを呼ぶように叫び出すと不審者は舌打ちをして口を開く。
『抵抗しないで来てもらってもいいっすか?あと叫んだり誰かに助けを呼ぶのもしないで、こっちもこんなこと嫌だし。正直めんどくさいんっすよ』口調が変わり、明らかに不機嫌な声色で不審者はこっちを見ず話し。それに嫌な雰囲気を感じ取る。
不審者からそう言われナナは黙るが俺は余計に怪しさが勝り、抵抗を続けると服がビリビリと破けるような音が鳴り、布のつなぎ目から綺麗に破けると不審者は止まりめんどくさそうに話しだす。
『あーほらー抵抗するから破けたじゃん。うちは悪くないから、それにルチルに何か言われてもあんたが悪いって事でいいっすよね?』そう言い終わると返事を待たずまた服を引っ張り歩き出す。
これ以上抵抗をしても無駄だと思い、素直に歩くが疑問を不審者に問いかける『先に説明してくれお前は何者なんだ?』『答えないと駄目すか?めんどうなんっすけどー…ルチルの護衛的な?そんな感じっすねー』
適当な感じ答えられ不信感が高まるが何も言えず、その後は会話はないまま黙って歩いて不審者に連れられると路地から出てある建物の前に止まる。
不審者は破れた服から手を放すと指で高級感のある建物を指すと話しだす『ここの中でルチルが待ってるから、先にあんたが入って。あと不審な行動はしない方がいいっすよ?』
言われるがまま建物に入るとカチャカチャという食器の音と良い匂いが漂い、高級そうな服を着た人が静かに会話を楽しみながら食事をしている。
最初の方に何日前とか何日経ちました、とかやっていたので日数を数えたりして辻褄を合わせたりしてたんですが…最近久しぶりに読み直しを兼ねて40章までで何日経っているのか、数えたらまだ20日です(ちゃんと合っていた場合)三週間も経ってないです。面白いのが8日目のお話を11章分(17章~28,5章)くらい使ってたんです。ちなみに9日目で逮捕されて4日間牢屋で幽閉されてました。
意味の分からないファンタジー世界に転移したとして10日も経たず、現地の人間に捕まって牢屋に入れられるとか考えたら普通にこわいっぴ。




