45章 誰かの為に…
読んでいただいてありがとうございます。シンプルにクソ長いです。5400文字ありますのでまた編集して変わるかもです…だって徹夜で書いてまともに見直しも出来てないですもの…現時刻早朝5時ですから…
一日が経っていつも通り朝に鍛錬をするが昨日カレンに矢を折られ使い物にならないので久しぶりに剣を軽く振り、文句を垂れるラニーを無視して先に朝の日課を終える。
部屋に戻るとナナがショルダーバックを身に着け部屋着とは違う服装で俺を待っていた。
いつもは寝たら中々起きないナナが起きていることに驚き聞いてしまう『ナナ⁉どうした?大丈夫か?悪夢でも見て眠れなかったのか?』
そう尋ねた俺にナナは少し機嫌が悪くなる『もう!私は子供じゃないんですからそんな事で眠れなくなったりしないですよ!』そう話すが最初の方はうなされて、目が覚めるような事があったから少し心配になる。
だが腕を組み優しく怒る姿を見て、初めて会った時の冷たい態度と比べて嬉しい気持ちもある。
そんな事を思い出し黙って見ているとナナは不思議そうな目で俺を見る『バル様?どうしたんですか?あ!もしかして私の事を子供だって思ってるんじゃないですか?』
『え?』シンプルに驚きそう声が漏れるが、あのどう見ても子供にしか見えないカレンが大人説があり、カレンよりは少し背の高いナナもそうなのか?と考えてしまう。
『え?じゃないですよ!私はこう見えて立派な大人ですよ!バル様は今まで私の事を子供だと思ってたんですか!』ナナは俺の漏れた声に怒るが。
いやでも…どう見ても子供だし…いやこれは…カレンやナナに対して失礼だな…そう思ってしまった事に反省をして『そんな事無いぞ、ナナは立派な大人の女性だよ』とその場しのぎの優しい嘘をつく。
照れて喜ぶナナに一応聞く『ちなみにナナの歳はいくつなんだ?』『私は十三歳ですよ!』と元気に返され、やっぱり子供じゃないか…と思ってしまい困惑する。
『そ、そうか…ナナは十三歳か…』『そうですよ?立派な大人の女性です!』やっぱり子供だよな…どう考えても子供だよな…常識的に見ても子供だよな…まさか異世界は10歳くらいで大人判定になるのか?
そんな尽きない疑問をナナに聞く『大人になったって、どうやったら分かるんだ?』『私の場合は十一歳でおまたから血…』すぐに察してナナを止める『わ、分かった!分かったから!もういいぞ!』
焦る俺とは反対に何とも思って無さそうなナナは続ける『それでママに聞いたら私が大人になったって教えてくれたんです!』ナナが大人と主張した理由は納得はしたが…俺の中でナナが子供だという事実は変わらない。
またナナが変な事を言ったり聞いたりしないように、この話をやめようと話題を変える『えーと、それでナナはこんな朝早くにどうしたんだ?』『そうです!その話がしたかったんです、私が昨日言った市場に行きましょう!』
元気にそう話すがナナにお金が入るのが昼だという事を伝えていなかった事を思い出し、説明をすると『大丈夫です!お金は持ってます!』とバックを叩きドヤ顔で答える。
何故ナナがお金を持っているのか分からず、驚く気持ちと良くない事をしているのではという焦りが湧いて来る。
『ナナ?そのお金はどうやって手に入れたんだ?』ナナは賢いから悪い事で手に入れたお金では無いと思うが一応尋ねる。
『リガールって言う宿屋で働いて稼ぎました!』と自信満々に答えるが、そんな事を始めて聞いた俺からしたら寝耳に水でいつから働いていたのか気になり聞いてみると『バル様が監獄から戻って来てからです…』と気まずそうに小さい声で話す。
この言葉でナナが俺を避けて会わなかったのではなく、ナナは働くために家に居なかっただけだと分かり、その間リハビリ期間はあったが今までニートのような生活をしていた事と少しでもナナを疑った俺が恥ずかしくなる。
頭を抱え自分の情けなさに『ナナは凄いな…それに比べて俺はバカだよ…ほんとに…』そう言葉を漏らし自分の愚かさに落ち込む。
だがナナは俺に対して優しくハグをし『バル様は人を導くだけでいいのです、それに私は誰にでも手を差し伸べるそんなバル様が大好きです』そう語り掛けて来る。
こんな俺にナナはそう言ってくれるがこのままでは駄目だと思い、何かナナにしてやれないか考え、一人で頑張っているナナに喜んで貰おうと市場で何か買ってプレゼントしようと決める。
お金は後で手に入るから、先にナナが興味がありそうな物を市場で一緒に見て、昼からまた買いに行こうと作戦を練る。
『ヨシ!ナナ今から市場に行くぞ!今日は久しぶりに二人で一緒に居よう!』ナナを抱き寄せてお姫様抱っこをし、恥ずかしがるナナを連れ部屋を飛び出し外に向かう。
廊下を歩いているとメイドさんに凄い目で見られ、ダルそうにこっちに歩いて来るラニーを見つけ『今からナナと市場に行くからポッチを子供達を頼む』そう言い残し、何か言われる前に急いで家を出る。
外に出るとナナは恥ずかしがりながら話す『バル様!恥ずかしいです!自分で歩けますから!』口ではそう言うがナナは離れまいと腕を強く締め上げ俺の首を圧迫する。
『そうか…ナナがそう言うなら下ろすけど…』ナナは離れたくないと分かっているがそう意地悪を言うと驚くように俺を見てから顔を逸らし『別に…もう少しこのままでもいいですよ…』と小さく呟く。
そんなナナに笑いかけ『じゃあこのまま市場まで行くか!』と話すとナナはさらに腕を強く引き寄せ『はい…バル様…』と小さい声で話す。
昨日ナナに聞いた話しによると今から向かう市場とは普通のそこら辺にある店ではなく、外の色んな町から商人が来て露店を開くらしい、それに市場は月に数回しか行われず、帝都では一種の祭りのようなものだという。
市場に向かって歩くがナナは恥ずかしがり道中会話が無く、それに人の目が気にはなるがそんな事より鍛錬のおかげか前よりナナは軽く感じ疲れる気がしない、今なら多分ラニーを担いで走り回るくらいは出来そうな気はする。
そんな事を考えていると目的の場所に近付いて来たのか、人が多くなり、そこにはケモ耳と尻尾がある人達も目に入り様々な人種で活気が溢れ、商人の呼び込む声や道化師の芸に笑う人の声が聞こえてくる。
これ以上はナナを抱っこしたままだと邪魔になると思い、ナナを下ろそうと声を掛ける『ナナ周りの人の迷惑になるから下ろすぞ?』俺から離れまいと掴まっていたナナは名残惜しそうに離れる。
ナナを下ろすと休憩をする暇もなく俺の手を摘み『バル様こっちです』と俺を引っ張って歩き出す。
『そういえばナナは何を買いに来たんだ?』先を歩くナナにそう訊ねるがナナは『秘密です!』そう言って教えては貰えず、ナナは人だかりを迷う事無く歩いて行く。
少し歩くと、ある露店の前で止まりナナは店主に話しかける『おじさん!あれはちゃんと残してくれてるよね?』『ん?あー昨日のレディーじゃありませんか!言われた通りまだ残しておりますよ!』
そう話すのは指や首など体のあらゆるところに宝石の装飾がしてある装身具を纏った、一見、成金にしか見えない男だが露店の商品を見てアクセサリーや宝石を売っているので宝飾店の店主だと分かる。
そんな男がナナとコソコソ話し、時より俺を見てはまたナナと話して、やっと俺に話しかけて来る『いやー挨拶が遅れてすみませんね!私の名前はルチル…ルチル・トルナイトと申します』男は胸に手を当て軽く会釈する。
『これはどうも…俺の名前はバル・バトスだ』そう言って手を差し出すとジャラジャラ付いた指輪だらけな手のルチルという男と握手をする。
手を放そうと力を緩めるとルチルは両手で俺の手を覆い『そちらのレディーが首から掛けているネックレス…いやナイフが気になりましてね…昨日私の方から尋ねたのですがこれは貴方からの貰い物だとお聞きしました。間違いないですか?』
突然そう言われナナを見ると『レディーを責めないで下さい!私はこのレディーと取引をしたのです!
このナイフをどうやって手に入れたのかと言う情報と少し見せてもらう事を条件に私の店の商品を値引きする事で!もちろん私の商品はこの世界で一番の品質ですから無料とはいきませんが…』
あーなるほど…ナナは俺の武器生成を黙って情報を与え、商品を安くして手に入れようとしてるのか…じゃないと数日程度の稼ぎでこんな宝石やらを買えないとナナも分かってるはずだ。
『このナイフは俺がこの子にあげたものだ』その言葉にルチルの目が変わる『あと、どうしてそんなにこのナイフの事を知りたいんだ?』そう訊ねる。
『いやーナイフを首に掛けるなんてそんな発想無かったものでして…しかもコンパクトでケースとハンドル部分は革ではなく木でもなく骨やツノと言った物でもない…そんな代物をどうやって手に入れたか気になりましてねー』ニコニコした顔でそう聞いて来る。
『確かに材質はそういった物ではないが。そんなこと知ってどうするんだ?』俺の疑問にルチルはさらに笑みを浮かべる。
『私はこういった宝石やジュエリーを販売をしてますが色んな商人とも知り合いでしてね。中にはこのナイフを言い値で買う商人たちも居ると思います。
ですので最初はナイフをレディーから買って他の商人に売ろうと考えましたが…レディーは大事な物なので売れないと仰ったので情報と私の商品の値引きで取引をしました。
ですが…ナイフを少し見てみたら私が見て作れるような物では無かったので、改めて貴方にバル・バトス様にどうやって手に入れたものか、あとこのナイフに使われている材質を教えてくれませんか?もちろんタダでとは言いません!どうですか?』
そう聞かれ迷う…ナイフのケースもハンドルも材質は合成樹脂、いわゆるプラスチックだがこの世界で多分作れないし見た事も無いのでどうしたものかと考える。
何も言わない俺にルチルは『では情報一つにつき私が決めた商品を一つ無料でもいいですよ?』そう囁いて来るので『それはホントか?それにどんなに些細な事でもいいのか?』確認をする。
『ええ!もちろん私は商人です!約束を違えれば信用を無くします。信用は商人にとって大事なものです!約束しましょう!』そう言って声を上げる。
『分かった!まず材質から教える。材質は合成樹脂と言って多分この世界には無い物だ』そう伝えるとルチルは鳩が豆鉄砲を食ったような顔で俺を見る。
少しの沈黙の後『あの?バル・バトス様?それは冗談でふざけてるのですか?今はそう言うのはやめて頂きたいのですが?』優しい口調の中にイラつきを感じる。
『まぁ待ってくれ、次にどうやって手に入れたかだが、見て貰った方が早い』そう言って武器生成で折り畳みナイフを出し、勢いよく刃を出す。
それを見て商人は納得がいったのか見てわかり、イラつきが無くなる『なるほど…武器生成の能力ですか…合成樹脂とやらも納得がいきました』そう言って一人で完結させようとする。
だが前に俺の能力を見たラニーは倉庫と言う能力か武器生成のどっちかと聞いてきたが…ルチルは武器生成と言い切ったのが気になり聞いてみる『どうして武器生成と思ったのか聞いても?』
『私は前に倉庫の能力を持った者を見た事があるのですが物を出す時に手に持った状態で出す事は出来ないのですよ、倉庫は入れた物は地面に出す事しか出来ないようですので、手に持って武器を出したとなると武器生成と思いましてね』
ルチルはそう話し、ため息を吐くと『武器生成と分かれば、わざわざレディーから買わなくてもバル・バトス様から買えばいいじゃないですか…』そう小さい声で言って落ち込む。
落ち込むルチルに確認をする『俺は二つ情報を言ったから商品を二つ無料でいいんだよな?』『ええ、約束ですから…あとそれとは別に…少しいいですか?』諦めたように話し、聞いて来る。
『ん?』『あのナイフを売ってはくれませんか?』そう言って来るがラニーから聞いた武器商人の話しを思い出し、これで金儲けをしたら俺はまともな死に方はしない気がしてくる。
『別にあのナイフを売ってもいいが…言っておくことがある、俺が消そうと思えばこのナイフだって』折り畳みナイフを目の前で消して見せると『消えた⁉まさか消す事が出来るのですか⁉』驚きルチルの顔に焦りが現れる。
『ああ消そうと思えば消せるんだ。だが俺が何も言わずあんたにナイフを売りつける事も出来た、それをしないのはあんたが言ったように信用が大事だからだ』そう話すとルチルは何かを察したように俺を見る。
『私は何をしたらいいのですか?』『あのナイフを他の商人に売ると言ったがそれはやめて欲しい。だがあんたが個人的に持っておきたいと言うなら、タダであげるがそれが他の物の手に渡ったと分かった時点で消す』
俺の話しにルチルは怪しむ『何が目的なのですか?それに私に何をさせるつもりですか?』『別にどうこうしようって思ってない。ただあんたの商品を無料で貰うんだ、俺からの感謝と思ってくれ』そう話す。
ルチルは少し黙ると静かに話しだす『分かりました。商人として約束は守ります。売る事はしません。ですが…これに似たものは売らしては貰いますよ?』
材質を聞いて来た時点で模造して作る気があると気が付いたが…タダで宝石をくれると言うし、それぐらいの価値があるとも分かるが、これで金儲けをしたら駄目だよな…やっぱ…
『ああオリジナルのこのナイフを売りさえしなければ、あんたの勝手にしてくれ』そう言ってナナとは違うタイプのネックナイフを武器生成で出し、渡す。
ナイフを受け取りルチルは話しだす『売り上げですが…』『俺は金はいらない…だが…このレディーが欲しがっている商品は貰おう!』そう決め顔で話しチラッとナナを見るがどこにも姿が無い。
『あれ?ナナ?どこ行った?ナナー!どこだー!』声を上げナナを探す。
ルチル・トルナイト 宝石や貴金属の装身具などを売っている商人で帝都の露店では貧しい人でも買えるようにと安めの商品も扱っている。
王都には本店があるが勇者の奴隷解放の際、奴隷たちに店を襲撃され莫大な損害を受け店を復興しようとするが、事の発端の勇者と王都からの支援も無いため、王都を見限って店舗の移転を考えて帝都に視察来る。
露店の準備をしている際に物珍しそうに露店の商品を見る女の子のネックレスが気になり、話を聞くとお金の匂いを感じ取り取引を申し込む。
今のところはこれで満足です。また編集して変わる可能性はありますが…
3月29日ほんの少し編集しました。ケモ耳の人が居る描写を書き足しました。




