38章 やるせない感情
読んでいただいてありがとうございます。次の投稿は未定です。とか言ってまた二日後に出すんだろ?と思っているそこの貴方!そうなるように応援してください!
ダニエルから急な謝罪と意味深な事を言われ、どうしていいのか分からず戸惑ってしまう『あの?どう…』ダニエルは手を俺に向け言葉を遮る『バトスすまない…あとから私をどれだけ糾弾しても構わないから今は聞いてくれ』そう静かに話す。
まだ真意は分からないが『分かりました…』と言いダニエルの話しを聞く『君が捕まったとラニーから聞いて、その日のうちにこっちで出来るだけの事をしたのだが…いや…これは言い訳だな…すまない』ダニエルは頭を下げる。
その様子にラニーは怒鳴りつける『パパが直接行ってくれたらバトスさんはすぐに出れたのよ!それに!』まだ言い足りないのか続ける。
『ラニー落ちつ…』ラニーを止めようとするとダニエルは頭を上げ『いや…ラニーの言う通りだ…最初から私が出向けばここまで君を追い詰める事も無かった…』その言葉にラニーも黙る。
静かになるとダニエルは続ける『君が捕まった、ペリ監獄の所長宛てにバル・バトスと言う名の人物を引き取るという内容の手紙を送ったのだが…二日後に返って来た手紙にはそんな人物は居ないだった…』
ダニエルは拳を握りしめ震え息を大きく吐き出し深呼吸するが感情が爆発する。
『その時点で私が出向けば!君をすぐに助ける事が出来たはずなのに…私は…ティミーの時と同じように立場を気にして動くことが出来なかった!』ダニエルは涙を流し感情を落ち着かせる為に呼吸を整える。
落ち着いたダニエルは涙をハンカチで拭き『見苦しいものを見せてすまない。その後も何度か手紙を送っても返事は変わらなかったのだが、ある日急にペリ監獄の所長が家に来て君を見つけたと知らせに来やがった!』ダニエルは怒りで口調が変わる。
『あの野郎は瀕死でほぼ全裸の君をゴミのように扱い、私に差し出して、見つかって良かったなと軽口を叩きやがった!』ダニエルはキレるが俺もほぼ全裸でそのまま連れて来られた事に怒りが湧く。
息を荒くしてダニエルは続ける『どうしてすぐに見つからなかったか問いただしたがあの野郎は答えずに逃げたんだ!』
深呼吸をして続ける『やせ細った瀕死の君を見て思った…私がすぐに動いていればと…ずっと後悔している…いくらでも私を糾弾していい!気が済むなら私は君に殺されてもいいと思っている!』そうのような事を口走るダニエルに驚く。
『いや!そこまでしなくても…』俺の言葉にダニエルは不満そうに答える『駄目だ!私の責任だ!君があの監獄でどのような仕打ちを受けたか分からないがそれに見合う痛みを私も受けるべきなんだ!』
そんな事を言われても……そういえば…ある事を思い出し『あの?聞いてもいいですか?』ダニエルに確認すると『何でも言ってくれ!』期待の目で見られる。
『入れられた雑居房にダムって言う囚人が居たんですけど殺されそうになってしまい、逆に殺してしまったんですけど…大丈夫ですかね?』俺の言葉にダニエルは固まり、横で聞いてたラニーは『自業自得ね』そうポツリ呟く。
ダニエルは言葉を選びながら聞いて来る『それは?バトス。君から…仕掛けた訳じゃ無いんだな?』頷き答える『急にダムが俺を殺してここから逃げるって言いだして…最初は殺すつもりは無かったんですけど結果的に殺してしまって…』
ダニエルは何かを考え『君は看守に助けを求めなかったのか?』そう訊ねて来る『求めたんですけど雑居房の扉が開くと知らなくて、多分声が届かなかったと思うんです…』ありのまま話すとダニエルは怪訝な表情になる。
『待ってくれ!雑居房に入れられる前に聴取と何か説明がされただろ?まさか?されてないのか?』聴取も説明も無しで雑居房に入れられた事に苛立ちながら答える『ハイ。何も言われず布を被せられて雑居房に収監されましたよ?』
俺の言葉にダニエルは怒りを含んだ口調で話す『そうか…改めてすまないバトス…ここまで腐ってるとは思わなかったよ…殺してしまった囚人、彼には残念だがこっちで揉み消して監獄側の責任として追及する材料にするよ』
ダニエルはため息を吐いて俺に『やることが出来たので私は出かける…バトスもう一度謝るよ本当にすまなかった』俺に謝り扉の前に行くと『前にも言ったがこの家でゆっくりしてくれ』そう言い残し部屋を出て行く。
残されたラニーに話しかける『ラニー?ちょっと来てくれ』呼ばれたラニーは浮かない顔でこっちに歩み寄り『な、なんですか?』声を震わしながら喋る。
『なぁ』この一声でラニーは肩をビクつかせる『どうして俺が捕まりそうな時、何もしてくれなかったんだ?』そう訊ねる。
ラニーは顔を俺から逸らし『だって話を聞いてたら絶対私たちの事だと思ってどうしようって焦って…気付いたら…ああなったみたいな?』ラニーの回答にイラっと来て『どうしてラニーは捕まって無いんだよ⁉』本音が出る。
ラニーは申し訳なさそうに話しだす『それは…法律で…』クソ―――‼死ね!クソ女王め――!ハァー怒りで頭が痛い…『で、でも流石に女でも人を殺したりしたら捕まるよ?』そんな補足は要らねーよ!
あー駄目だ…意識が遠のく感じがする…『ラニー…頼む一人にしてくれ…』そう伝えるとラニーは何も言わず部屋を出て行く。
静かになったと思ったら扉が開きレイチェルがカートを押して入って来る『バトスさんが目を覚ましたって聞いたから食事を持って来たわよ!』元気な声でこっちに向かって来る後ろで『ちょっママ!』と声が聞こえる。
レイチェルはその声を無視してカートで何か作業を始めるので話しかける『お義母さん流石に固形物は食べれないですよ?』俺の言葉に手を止めず答える『分かってるわ!こど…ラニーが寝込んだ時によく作るスープを用意したから!美味しいわよ?』
スープと聞き安心して体を起き上がらせ『わざわざありがとうございます。美味しく頂きます』そう言ってレイチェルを見ると鍋からえげつない色の液体をスープカップに注いでいた。
例えるなら水たまりに混じったオイルのように表面が虹色に輝いている『あ、あの?そ、それは?』動揺する俺にレイチェルは微笑み『エリクサーよ』そう言って俺にカップを差し出す。
エリクサー⁉え?エリクサーってあれか?不老不死の薬って言われてる…まさか!そんなはずは…ないよな?
動揺しながらレイチェルからカップを受け取ろうとするが震える腕と上手く動かない指を見て『あら?ごめんなさい。そうよね…私が飲ましてあげるわ!』そう言いだしスプーンをカートの上にある籠から取り出す。
レイチェルはカップに注がれた液体をすくい『ほらあーんして』そう言って俺にスプーンを近づけて来るが虹色に光る液体に抵抗感が凄い。
だがレイチェルの微笑む顔を悲しい顔にしたくないので目を閉じ口を開く、歯にスプーンが当たり角度を変えた事により液体が口の中に流し込まれる。
スプーンは俺の口から離れたがあの液体が口にある事を想像すると吐き気が襲って来るのを我慢して飲み込むが味は悪くない…それどころか普通に美味しい。
なんだろう?なにが一番近い味なんだ?そんな事を考えていると『フフッバトスさんこのスープわね…本物のエリクサーじゃなくて私特製のなんちゃってエリクサーよ!』微笑みながらそう話す。
いやいや余計怖いって…まだ本物のエリクサーって言われた方が安心できるよ…人工的に虹色になるスープとか怖いって…そんな思いを抱きながら『凄く美味しいです!』適当に答える。
そこからは一口一口運ばれるスープを無心で飲んでいってカップを空にする。
ペリ監獄 帝都のいくつかある監獄の一つだが昔はちゃんと監獄として機能を果たしていたが所長が代わり囚人に対しての扱いが変わっていった結果、入れられた囚人たちはほとんど監獄内で死んでいき、刑期を過ぎても房の中で屍と化している。
普通であればバトスのように刑も決まって無い者は取り調べを受けてから囚人とは別の雑居房に入れられるのだが適当な運営方針が常習化した結果、囚人が居る雑居房に入れられバトスは地獄を見た。
どうでもいい話なんですけど、眠る直前くらいで意識が薄れる瞬間があるじゃないですか?その時に無意識にキーボードをタイピングするかのように指を動かしてて…私やばいなと…こんな事初めてで…それに寝る直前までこれを書いてたから夢の中でも書こうとしてるか⁉と一人でツッコんで眠気が飛びました。




