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異世界転移したが俺に女神なんていない  作者: れみん
帝都

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32章 大切な思い出

読んでいただいてありがとうございます。すいません投稿頻度を落とします。出来るだけ一週間に1,2回投稿出来るように頑張ります。

 部屋のソファーに皆で座りラニーにどうして帝都から出る話になったのか訳を聞く。


『朝食の時の話しの続きだがどういう事だ?』俺の質問にラニーはナナを見て『ナナさん怒らないで下さいね…』俺の隣に居るナナにそうに告げるがナナはラニーを睨み『なに?早く言って!』怒るように言う。


 ナナに言われラニーはビビりながら話す『バトスさん必ずナナさんを止めて下さいよ?』そう言って来るので了解すると話しだす。


『多分ですけどパパは私とバトスさんを結婚させるつもりなんです!』急に意味の分からない事を言い出すラニーに頭が回らない。


 隣のナナも困惑していて怒る気配が無く、ラニーも何故か驚いている。


 誰も喋らず静かな部屋の静寂を壊したのはナナで『ラニーがバル様と何だって?』笑顔でラニーに問うが首に掛けたナイフに手が伸びている。


 そんなナナを止める『ナナ待て!落ち着け!最後まで話を聞こ?な?』ナナは手をナイフから離したのでラニーに続けるように促すがラニーは息が荒くなる。


 一呼吸置いたラニーの第一声は『ナナさんからナイフを取り上げて下さいよ!怖くてまともに話せないです!』その言葉にナナはナイフを抱きしめ俺からそっぽを向く。


 その様子に無理だと分かってはいるが聞く『ナナ?一回ナイフを俺に渡してくれないか?』案の定『嫌です!これは私のです!』これじゃあ話が進まない為、どうしようか悩む。


 ナナの持っているナイフは俺が武器生成で出した物だからもちろん消すことも出来る、だが消したくは無い、ナナはどんな時も身に着けて大事にしているのを知っているからだ。


 辛いがナナを説得する『ナナがそのナイフを大事にしてくれるのは嬉しいけど、ナナが渡してくれないとそのナイフを消さないといけなくなるんだ…』


 ナナはこっちを見て『バル様…ずるいです…』そう言いながらも俺にナイフを渡してくれる。


 受け取ったナイフを大事に手に持ちラニーに聞く『これでいいか?』ラニーは頷き話し出す『どうして結婚するかって話になる前に…あの絵画を覚えてる?』そう訊ねて来る。


 触れてはいけないあの絵画の話しが出て来て、なんの関係があるのか分からないが『ダイニングにある絵画か?』そう答える『そう…あれね…左端に居るのが私の兄さんなんだけど…』ラニーは悲しそうな顔をする。


 おい…まさか死んでるとか言わないよな…そんな希望も無くラニーは続ける『もう死んでるの…』その言葉に分かってはいたが悲しくなる。


『ラニー…あの時思い出させて悪かった…辛いよな…』空気が悪くなるがラニーは目に涙を浮かべながらいつもの笑顔で『大丈夫!兄さんはいつも笑顔で…最後まで……から…』そう言いつつもラニーは涙を流す。


 泣いているラニーに掛ける言葉が思いつかずそんな自分が嫌になる。


 少しするとラニーが落ち着き謝る『ごめんなさい…』『いや…いいんだ。それでそのお兄さんと結婚がどういう関係があるんだ?』目を赤くしたラニーは鼻をすすり答える『兄さんが死んで跡取りが私だけだから…』ラニーの言っている事が分かり納得する。


『なるほど…言いたい事はわかったけど、それが冒険者と何の関係があるんだ?』その問いにラニーは過去の話をする。


『昔の帝都の王は男で戦争ばっかりしてて…別にバカにしてる訳じゃないよ?ただ…王自ら戦争の前線に出るくらいのバトルジャンキーで…暇さえあれば森に行って魔物の群れを単独で狩るくらい逸話があるの…』


 異世界の王様やばいな…どっかの戦闘民族かよ…そんなことを思いながら『そ、それで?』ラニーに話しを続けるように促す。


『人間との戦争は勝ち続けて今の帝都が出来上がったらしいんだけど、ある時、王が何者かに殺されて…帝都の人々は王の仇討ちを望んで荒れたみたいだけど、その混乱に便乗して王の妻が王女になったの』


 話しが飛躍しすぎて意味が分からない…『どうしてそんな事になるんだ?』ラニーは首を振り『私も聞いた話しだから良く分からないけどパパが言うには気付いたらそうなっていたらしいのよ』


 ラニーは続ける『そこから女王の独裁政治が始まったってね』シンプルに気になり聞く『今の王はどっちなんだ?』ラニーは呆れる様に答える『女よ…その独裁政治をしていた時に女王が法律を変えて女しか王になれないようにしたの』


『その法律を消せないのか?』その問いにラニーは適当に答える『もう三,四世代も王は変わっているけど法律が変わって無いから消す気が無いのよ』


 どうせ最初の女王が法律を変えれないように裏工作なりした結果、法律が変えられないのか、それか歴代女王がその法律の方が都合がいいんだろうな。


『それで仇討ちはどうなったんだ?』その問いにラニーは笑う『最初は殺したのは王の妻だと皆が思ったけど、王様の日課の魔物狩りでその最中に死んだらしいから犯人は分からず仕舞いで終わったのよね』


 それにしても無茶苦茶だな…よくまともに国家として存続してるなと思っているとラニーは続ける『ここから本題なんだけど、その女王が残した負の遺産に結婚をした女性は働いたらいけないって言う法律があるの』


 ふざけてるのか?と思っているとラニーは笑う『今ふざけてると思ったでしょ?でもこの法律はね、今はある意味、暗黙の了解になってて結婚してても女は普通に働けるからね』


『ならどうして?ラニーは焦っているんだ?』その問いにラニーはため息を吐く『市民は働かないと生きていけないから暗黙の了解になってはいるけど、貴族とか私の家もだけど上流階級はこの法律を美徳として守る風潮があるの』


 という事は…『ラニーのお父さんは上流階級なのか?』ラニーは怒る『体裁はね!中身はある程度いい暮らしができる市民と変わらないけど…そんな事よりバトスさんと私が結婚するってなったら法律に従って私の冒険者ライフが終わるのよ!』


 なるほどな無茶苦茶な法律のせいで冒険者を強制的に辞めさせられる訳か…『もし法律を破ったらどうなるんだ?』ラニーは淡々と答える『法律に則ったら奴隷落ちか最悪死刑だね…男だけが』


 おい⁉…ふざけんなよ…マジか…どんだけ女を優遇するんだ前の女王は…頭を抱えうなだれていると『これで分かったでしょ?私だけの問題じゃないの!』ラニーは強気になる。


『俺がラニーのお父さんに結婚しないって言ったらどうなる?』ふとした疑問だが最悪の返事が返って来る『最悪殺される…それも拷問した後に…』ふざけた様子も無くラニーは答える。


 まさかそんな事はないと思ったがここは異世界だった…それにこれまでの事を踏まえると無いとは言い切れないしあるとも言えないのが一番の恐怖だ。


 ふとラニーの言葉を思い出し口に出す『今すぐ帝都から出ようってそういう事か…』頭を抱える俺にラニーは『逃げるしか選択肢が無いの。だから急いで帝都から出よう!』そう言って来る。


 どうするのが一番か考えていると部屋にノックの音がし扉が開く『いやー悪いなバトス。今度カレンさんに会ったら本気で謝ってくれ』そう言いながらダリルが部屋に入って来る。

ふざけた法律を残したとされる女王だが王が死んで次の王様は私がやると言い出し民衆と貴族の後押しもあり任せられたが…仕事は出来ない、部下からも慕われない、敵国の王子に求婚を申し込むなど頭の悪さが凄かったが、死んだ王様の元にいた宰相が有能でこいつに任せたら国が滅ぶと思い、女王に適当な相手を見繕い、結婚させある法律を可決させてから実質宰相が国を支配した。

その後宰相の子孫たちが国を裏から支配しているが時折頭の悪い女王が戦争を吹っ掛けたりする時がある為、数十年に数回人間もしくは魔物で帝都と戦争が起きる。

そのせいか帝都付近の魔物は少なくなっている。

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