17章 明確な敵意
読んでいただいてありがとうございます。やっぱり何をするか決まっているとサクサク執筆できますね。
朝になり、目が覚めると見張りをしていたジョーが声を掛けて来る『使徒様起きたか?俺はオヤジ達の元に帰るから後は任せるぞ』寝起きで頭が回らず俺が何かを言う前に森に消えていく。
周りを見るとポッチとマックは起きており何やら作業していて、何をしているのか見ているとマックが話しかけて来る『使徒様あれが見えますか?』そう言って指を指す。
指を指した方を見ると遠くの方に微かに煙が見えマックに見えた事を伝えると『前に逃げられた冒険者かもしれません使徒様すぐにここを移動します人間達を起こして移動することを伝えて下さい』
そう言われナナ達を起こしすぐに移動することを伝えるとラニーがもしあいつらなら殺してもいいか?と冗談っぽく聞いて来るが目が笑ってない。
ラニーをなだめテントに居る子供を見ると昨日よりは具合が良くなっていて良かったと安堵し看病してくれたラニーに感謝を伝え移動する為準備を始める。
準備を終え出発する頃には見えていた煙が無くなっており皆の緊張感が増す。
陣形を組みポッチを先頭に俺とラニーが左右に付き後ろにマックが付いて真ん中にナナと子供達の配置にして森に進む。
ポッチは具合の悪い子供達を抱えており北の村に向かう道中までマックが付いて来てくれる事になったが何かあった時の前衛が居なくジョーがいてくれたらなと思ってしまう。
ラニーに道を聞きながら進んでいると街道らしき道に出るが嫌な記憶を思い出してしまいラニーに聞いてみる『この道は人がよく通るのか?』『ここは昔の街道で今は冒険者か闇商人くらいしか通らないよ』闇商人と聞いて前に襲って来た奴らもそうだったのかと考えてしまう。
そんな俺を見てラニーが『ここが近道なんだけどどうする?』そう言ってポッチを見る。
言いたいことが分かり『もし他の人に見られたらどうなる?』ラニーは考え『私なら絶対警戒して剣を抜くわ。攻撃はしないかもしれないけど…どうなるか分からない…』そう言って徐々に声が小さくなる。
ラニーもどうなるか分からないとなると『俺がポッチを飼いならしてるとかならどうだ?』俺の言葉にラニーは少し笑い『獣を使役してる時点で普通の人じゃないのよ』『けど使役できる人は居るってことだよな?』ラニーは苦笑いで答える『いるけど…それは無害の生き物に対してなのよ?』『無害か…例えばどんな生き物なんだ?』俺の問いにラニーは思い出すように答える。
『たしかエルフは妖精を使役してると聞くけど人間は妖精が見えないからホントか分からないけどね』エルフと妖精というファンタジーの定番がいると聞いて少し胸が躍るがいい作戦が思い付かず。
『とりあえずこの道を進んで人と会ったらその場で何とかしよう』俺の無計画にラニーはため息をつき『どうなっても知らないですからね…』とラニーは諦め歩き出す。
街道を進んでいると前に人が数人見える『バトス様!人が来ましたよ!どうするんですか⁉』と聞いて来る『大丈夫だラニー落ち着け!私たちは前からこんな感じでやってますみたいな雰囲気を出せ!ダメならその時考える』流石に適当過ぎたか?『そんな…無茶苦茶な…』そう言ってラニーは目を合わせないように下を見て諦める。
『ポッチ!マック!絶対攻撃するなよ相手が明確な攻撃をするまで無視だ』ポッチは頷きマックは震えだす。
近付いてポッチが人じゃないと気付き相手はこっちを凄く分かりやすく警戒してすぐに通り過ぎようと早歩きになりすれ違っていく。
後ろを見てさっきの人たちが見えなくなった辺りでラニーが怒る『どうしてさっきのでいけたの⁉絶対怪しいじゃん私達!無駄に警戒した私がバカだよ…』ラニーが騒いでいるとマックが話し掛けてくる。
『そろそろ北の村に向かうよ。使徒様にお供して貴重な体験が出来たよ!ありがとう』そう言ってマックは震える手を出し握手をする。
マックと別れひし形から三角の陣形になり街道を進むとまた人が見えて来る。
ラニーはため息をつき諦めた顔でこっちを見て『さっきと一緒で前からこんな感じでーすって雰囲気でしょ?』けだるそうにそう言ってくる。
さっきと一緒でポッチが人じゃないと気付き明らかに警戒し始め、このまま通りすぎろ!と思っていると『お、おい!お前!』と男が声を掛けて来る。
声を掛けられラニーはすぐそっぽを向き無視を始める、そんなラニーを見て俺が何とかしないと駄目かと思い答えようとすると『おいそこのそっぽ向いてる女!お前もしかしてラニーか?』そう言われラニーがその男を見る。
『カイル?噓でしょどうしてここに?王都にいたんじゃ?』ラニーの知り合いだと分かり安堵する『そんなことは今はいい!お前が帰ってこないってダニーおじさんに頼まれてお前を探す為に仲間と今町を出て来たところだぞ!それなのに…』
カイルは頭を押さえ一緒に居た二人の仲間に謝っていた、その間にポッチに敵では無いことを伝えてラニーに話しかける『ラニーの知り合いか?』俺の質問にラニーは『いとこのカイルって言ってそれなりの冒険者だよ』『それなりってなんだ!俺はもうCランクだぞ!』ラニーに声を上げる。
『は?いつの間にランクが上がったの!』『俺の実力と王都は魔物が多いからなってそんな事より…この人達は?特にこの獣は大丈夫なのか攻撃してこないよな?』カイルは俺達を警戒するがラニーは『あーーーこの人はバトスさ……ん…でこの獣を使役してるから大丈夫ダヨ無害ダカラ』明らかに挙動不審で疑われる。
『そ、そうか?ほんとに大丈夫なのか?』『そ、そんな事より!私はクソ野郎共のパーティーに囮にされて置いていかれたの!』ラニーの言葉にカイルとその仲間の空気が変わる。
『ラニー!その話はほんとか?嘘偽りないな?』『ほんとよ囮にされて逃げた先でバトスさんに出会ったの…』『ラニーを置いていった奴らのパーティーは何て名前だ?』『ラットクローってパーティーよ』ラニーとカイルで勝手に話が進む。
『ラットクロー?皆聞いた事あるか?』そういってカイルが仲間に聞くと背が低い女の子がラニーに話しかける『ラニーちゃんそこのリーダーって顔に傷があってランクはDの奴?』『カレンさんそうです名前は…』
ラニーが答える前に『あー運がないねラニーちゃんは。荷物も取られたでしょ?』『え?どうしてわかるんですか?』『なら決まりだね!カイルあいつだディーンだ!レッドクローの』
『ディーン?違いますよ名前はデールって言ってましたよ?』『ラニーお前はちゃんとドッグタグを確認したか?』『してないです』ラニーがそう言うとカイルは怒り出すがカレンが止める。
『カイル落ち着きなレッドクローのいつもの手口なら殺してから荷物を奪うのにラニーちゃんをまだ殺してないってことは…』ポッチが反応する『使徒様!囲まれてるぞ』『ポッチ何人だ?』『六人だどうする?』ポッチの言葉を皆に伝える。
『皆敵だ!六人に囲まれてるらしい』俺の言葉にカイルは『敵だと?ジョエルどうだ?何かいるか?』俺を疑い仲間に聞くカイルだったが『カイル!信じれないと思うけどバトスさんの言ってることを信じて』そう言ってラニーは剣を構える。
カイルに聞かれたジョエルも『確かな人数までは分からないけど確かに囲まれてる。どうするカイル?』『マジかよ…皆戦うぞ!』そう言って武器を出し構え警戒する。
冒険者カイル・クロスはタンク兼アタッカーで帝都に居た時はランクDだが帝都周辺では魔物が少なく名を広め活躍出来ないと思い王都に向かい実力が認められランクCになる。
ラニーはカイルに憧れ冒険者になるが仲間に恵まれずソロでクエストを受けようとした時にラットクローを自称するパーティーに誘われる。
冒険者カレンはサポート兼アタッカーで謎が多く美人というより可愛い系だが本人はお姉さんキャラで通している。背が低いことをバカにされるたびに相手を闇討ちして半殺しにした為、帝都のギルドでは彼女の身長に触れることがタブーとなり新参の冒険者が口を滑らすと他の冒険者がそいつをリンチする。実力はあるが帝都でランクを上げるなら行動を改めろと言われた為カイルに付いて行き王都でCにランクを上げた。
冒険者ジョエル・ダグラスはレンジャーで弓と剣を扱えるが装備がかさばるからとカイルにどっちかにしろと言われ剣を選んだが密かに糸と矢だけは持ち歩いている。カイルとは昔からの友達でいつも一緒に居た為カイルが冒険者になると言い出すと気付いたら一緒に冒険者をしていた。リーダーはカイルだが交渉や荷物の準備をなどは大体ジョエルが行っている。ランクはDだが実力はあり帝都のギルドではいつでもランクをCにすると言われているが断っていた。
冒険者がランクを上げるにはEランクはある程度の依頼をこなし実力を見て判断されDランクは実力と人間性を見られCランクからはギルドからの依頼を受け着々と上げていくようになるがランクがCになると報酬もよくなりそこからランクを上げる人が少なくなった為Cランクになりギルド以外の依頼ばかりを受けていると強制的にギルドからの依頼を受けないといけなくなる。
設定考えるのは楽しいけど時が消えていく…




