9章 不安と期待
読んでいただいてありがとうございます!前半と後半で別れていましたが繋げました少し長いです。
出発して数時間は上機嫌だったジョーだったが今は河岸の石の地面の歩きにくさにイライラしていた。
『あークソ腹立つな!何だよこの石どっから来てんだよ!歩きにくいなー!』そんなジョーを見て言葉が分からないナナは少し怖がっていた『ナナ大丈夫だよ。ジョーは地面の石のせいで歩きづらくてイライラしてるだけだから』笑いながら言うと。
『使徒様!何を話してるか分かんねーけどよ!バカにしたろ?』ジョーが突っかかって来る『してないしてない』と言いながら手を振るとさっき言った言葉を言えと要求してきた。
一言一句そのままの言葉を伝えたがジョーはまだ疑っていて場の空気が悪くなり、気まずそうにジョーは晩飯を取って来る先に行っててくれと言い残し森に入っていく。
貰った食料はポポと燻製にしたビーフジャーキーのような肉であくまでも非常食であり、基本はジョーが食料を取って来るという話だったがジョーが居なくなり少し不安になる。
ジョーの何に対して地雷を踏んだのか気になるが帰って来たら謝ろうと考えていると『バル様?あの獣は何処に行ったのですか?もしかして私のせいですか?』ナナが恐る恐る聞いてくる。
『いや違うよナナのせいじゃないよ。夜のご飯を取って来るって、それまで先に進もう』そうは言ったがナナは無言で頷く、多分だが自分が悪いと思っている気がする。
ジョーと離れて数時間が経ち辺りが暗くなると『帰って来ませんね』ぽつりとナナが言う、確かに遅すぎる何かあったのか不安になる『今日はここまでにして森で野営の準備と火を焚いてジョーが帰って来るのを待とう』
俺の言葉を聞いてナナは焚き木を拾って来ますと言って河岸にある流木を集め出す。俺は森に入りある程度開けた場所に荷物を置き、着火用の木の葉を集めているとナナが腕いっぱいに小枝を抱えて帰って来る。
ナナが持ってきた木を木の葉に重ねてナナが魔法を使い火を点けて息を吹きかけるとすぐに火が木の葉に移り木を追加していくとすぐに焚き火が完成する。
『凄いな魔法は…ライター要らないじゃん』俺の独り言にナナが聞いて来る『使徒様の世界だと、らいたーと言うのがあれば魔法が使えるのでしょうか?』ナナの純粋な疑問に『俺の世界だと魔法じゃなくて科学って言うだよ』
そうは言ったが説明が難しいなと思っていると『かがく?ですか?よくわからないです…』分からないよなやっぱり…少し考えそうだ!と思い付き『ナナ腕を出してみて?』そう言われナナは素直に腕を出す。
ナナの腕を手で軽く擦り『熱くなるだろ?』そう訊ねるとナナは笑いながら『寒いときよく手で擦って暖を取りました。これくらいわかりますよ!これがかがくですか?』少しバカにされたように感じたが…何も無かったように続ける。
『これを木と木で擦りあってやると摩擦熱で火が点くんだよ』俺の言葉に『そんなので火は点きませんよ』と言いあはははと笑う。
そんなナナに『嘘じゃないぞ?ナナは魔法を使えるが周りの魔法が使えない人だってこうやって点けてるだろ?』そう訊ねるとナナの様子が変わる。
ナナは笑うのをやめて『すみませんバル様…笑ってしまって』そう言って立ち上がり周りを見渡して小さい石の粒を数個と拳くらいの石を持って来る。
『バル様見ててくださいね』と言いその石の粒を木の葉に置きその上に木の葉を被せるととナナは石を振り落とす。
何が起こるのか見ていると、プシュと数回続くように音が鳴りナナが落とした石をどかすと煙が出ておりナナが息を吹きかけると火が点く『どうですか?これもかがくですか?』とドヤ顔で煽って来る。
『科学なのかな?いやそんなことよりその石の粒は何なんだ?』俺の問いにナナは『さあー?魔法が使えない人と魔法がまだ使いこなせなった時これで火を点けていたんで火を点ける便利な石くらいしかわかりません』本当にどんな物か分かって無さそうにナナは答える。
『見せてくれないかその石を』いいですよとナナは周りを見渡し数個拾い渡してくれて、見てみるが石ではなく鉱物のように見える『ナナこれは叩いたら火が点くのか?』『硬い石で叩いたら火が点きますよ』最初は火打石のように使うと思っていたが石だが、思ってもいないところで火薬のような代物に出会った。
うれしくなりナナに抱き着き横に軽く振る『よくやったナナ!これで念願の銃が使えるかもしれない』抱き着かれたナナが驚きながら困惑する『え?え?どういたしまして?』
やっぱり最初は火縄銃か?いやマスケット銃でもいいな!と妄想を広げていると…
森の方から音がしナイフを向けると『使徒様?何してんだ?』腰ににウサギのような生き物と手には羽毛を抜かれた鳥らしき物を持ったジョーが木の陰から出て来る。
抱き着いていたナナを離して立ち上がり『ジョー遅かったじゃないか!心配したんだぞ』そう言いジョーに近付くが『いやさっき何してたんだ?』と真顔で聞いて来る。
『あーえーとナナのおかげで良いことがあって…感極まって抱き着きました…』自供するとジョーは少し俺から離れ『人間の愛情表現か知らないが…それよりどうだ』と取って来た獲物を見せて来る。
『どうやって獲ったんだ?』俺の疑問に答えてくれるが予想と違った『石を投げて当てるだけだ!いつもの狩場と違ったから時間が掛かったんだよ」そう言い持ってた鳥らしき物を火に投げようとする。
『待て待てジョー!』止めた俺をなんだ?と見る『そいつをどうするつもりだ?』俺の問いに『焼いて食うんだよ?』当たり前のこと言ってるがやろうとしている事がワイルドすぎる。
『その鳥の内臓は捨てないのか?』疑問を尋ねると『内臓?知らねーよそんなの!もういいか?』そう言い火に投げようとするジョーを止め『俺が美味しくなるようにするから獲物を渡してくれ』
そう言われたジョーは不思議がり『美味くする?』ため息を吐き『もう何でもいい!ほらよ』と鳥とウサギを渡してくれた。ジョーが持っていた時の鳥は小さく感じたが渡されると普通にニワトリくらいのサイズがある。
ウサギは角が生えてる以外は少し大きいくらいだった。木の枝を並べまな板代わりにして武器生成で牛刀を生成するが牛刀が出て来たことに驚きつつ包丁だけど武器判定なんだなと思いながら鳥を捌く。
思っていたより内臓が地球の鳥とさほど変わらなくて驚いているとナナが真剣にこっちを見ている。
『どうした?もしかして捌き方を間違っているか?』手を止めナナに聞く『いえバル様は何処でそんな知識や技術を学んでいるんだろうって思いまして』確かに普通に生きていたらまず知らない事だろな。
『昔趣味で鳥を狩っていたんだよ。そこで覚えたんだが羽をむしるのが面倒で辞めたんだ』害鳥でも殺した後の罪悪感が半端なかったし…『毎日お肉が食べれたのにバル様もったいないですよ!』無邪気にそう答えるナナ。
『そうだな…でもこうやって経験を活かせてるからやっててよかったよ』鳥を捌き終わるがレバーやハツなどの内臓を食べていいものか迷ったが少し怖かったので捨てる。
武器生成で出るか分からないがフライパンを生成しようとするがやはり出てこない。
やっぱり無理か…待てよスキレットなら?いやこいつは武器じゃなくて防具だろってツッコんでしまう、まさかなと試しに生成するが普通に出て来て武器判定が何かわからなくなる。
ナナが手伝いたそうに見ていたので『ナナこれをを焚き火で温めてくれ』そう言い手渡すとナナは重たそうに焚き火にスキレットを置く。
ウサギを捌くのは初めてだが簡単だと聞いた事がある、服を脱ぐみたいに毛皮が剥せるとかだったはず…動画か何かで見た記憶を思い出しながら、とりあえず腹を裂き内臓を出し捌き始めると『バル様もうフライパンが熱いですよ』ナナが教えてくれる。
河に行き手を洗い鳥のもも肉を皮から焼き始め肉の脂をスキレットになじませると肉を焼くいい匂いが辺りに散らばると、さっきまで横になって退屈そうに俺たちを見ていたジョーが体を起こしスキレットを凝視する。
出来ればシーズニングをしたかったが諦め、最初の肉は少しくっ付いたが鳥の脂が馴染んだのかマシになり肉を追加していく。
焼いている間ウサギの処理の続きをやり、途中ひっくり返したりして様子を見ているとナナも手伝うと言ってくれたのでナナにスキレットを任せる。
ウサギを捌き終えて木を削りウサギを木に刺し丸焼きにするため焚き火の近くの地面に刺し、スキレットを火から取り上げ肉を切ってみると肉汁が溢れ湯気が立ち触って火が通っているのを確認したら味見をする暇無く、ジョーが気付いたら横に座って待っていた。
『やっとか?待ったんだぞ?これで美味く無かったら怒るからな!』ジョーは腕を組みながらソワソワしているのが分かり、がっかりさせないように『俺も初めての生き物で料理したから味は保証できないかもしれない…』少し保険を掛ける。
調味料があれば多少まずくても何とかなるんだが贅沢な願いだなと思いながらジョーに骨付きのもも肉を渡すと直ぐにかぶりつく『いつも食ってる肉じゃあねーなこれは…』そう静かに言いそこから無言で食べるが尻尾が揺れていた。
ナナにもお肉を渡すと目を閉じ一口食べると『バル様!バル様!すごく美味しいです!』笑顔でそう言ってくれて凄く喜んでくれたようだ。
その時ふと思い出す東の村に居た時に祭りで食べた肉は大体パサパサしてたなと…でも皆笑顔で食べてたな…少ししんみりしながらウサギの丸焼きをひっくり返して焼いていると『お代わりをくれ!』とジョーが叫ぶ、肉を渡し俺も肉にかぶりつくとニワトリとカモのいいとこどりののような肉だった。
肉厚で焼いていた時に感じた鶏肉とは違う脂の風味と何より味と旨味が違う調味料が要らないと思うほど旨味が詰まっていて、これで唐揚げなんて作って食った日には翌日死んでもいいと思えるだろうな…大量の油と小麦粉と調味料があればと後悔する。
それに捨てた内臓系の味はやはり美味しいのかもう試すことも出来ず悔しい思いをしているとナナもお代わりを要求する。
二人に特にジョーに多くお肉を渡しこれで終わりと告げると『クソ―!二個同時に石を投げれたら…この肉をもっと食えたのに…』ジョーは何か凄い後悔をしたように嘆き『私は幸せです…バル様に出会えて…』ナナは俺に祈りを捧げていた。
そうこうしているうちにウサギの丸焼きも焼きあがってきたようだ。
丸焼きを切り分け焼けているか確認をして少し味見をしたのだがあの肉の後のウサギは大して美味しく感じなかった、いや十分美味しいのだが、感動を得るには順番が違ったようだ…
俺の焼いた肉が美味いと思ったジョーだったが切り分けたウサギの肉を貰いウキウキでかぶりつくが『これからはあの鳥だけを狩る…』と不審な一言を残しゆっくりウサギを食べる。
ナナはウサギの肉にかぶりつくと『これも美味しいです!まるで夢見たいです…』ナナだけは喜んでいた。
そんな二人を見ながらウサギの肉にかぶりつく。
この世界は昔科学と医療技術は勇者のおかげで知識として多少あったが勇者は口だけで何かを成すこともなく作ることも出来なかった。そのため必要なものではないと思われ衰退し記録に残ることもなく、勇者に知識を教えられたもの達の記憶からも消えた。
あなたは子供にこれは何?と聞かれ百点満点の回答出来ますか?私には無理です…説明をしてもあってるか分かりませんし…
そんな私が小説を書くという矛盾⁉
ジョーが獲った鳥は希少な鳥で王族くらいしか食べることが出来ない鳥です。まず生態数が少なく群生地もなく常に飛んで移動しているので地面に居ることが奇跡で偶然狩れた冒険者が町に戻ると大金を王族や貴族から支払われ鳥を強制的に買われその後その冒険者は姿を消すと言われている…
冒険者や狩人の間ではもしその鳥が獲れたら持って帰らずその場で食べて黙って墓まで持って行くこととされている。
私はお肉の中だと鶏肉が一番好きです!焼いてヨシ!揚げてヨシ!煮てヨシ!蒸してヨシ!最強じゃね?あなたの最強と思うお肉は?




