もしも冬の童話祭2023のテーマが「手紙」だったら 【題名】:お手紙をかいてみよう!
これでおしまいです。
お付き合いしていただいてありがとうございました!
もしも冬の童話祭2023のテーマが「手紙」だったら
【題名】:お手紙をかいてみよう!
1
5さいのたんじょうび。
奈歌ちゃんはおじいちゃんとおばあちゃんから、テディベアをプレゼントされました。
郵送で、奈歌ちゃんのいえにとどき、奈歌ちゃんのお父さんがとくべつなおおきな箱にいれられた、テディベアをとりだします。
30センチのおおきさで、ひだりみみには、ボタンとタグとよばれる黄色のしるしがついています。
「わぁ、すごーい!」
「いいなー。奈歌は」
奈歌ちゃんのお兄ちゃんの八洲彦くんがすねています。
「どうする? 奈歌? お礼のでんわをするか?」
「ちょっとまって! 手紙でお礼をおくったほうが、おじいちゃんもおばあちゃんも、よろこぶんじゃない?」
お父さんのていあんに、お兄ちゃんの八洲彦くんはいいます。
「奈歌。手紙をかくぞ! これだとテーマはあっているからな!」
ときどき、おかしなことをいう、八洲彦くん。
こうして、小学5年生の八洲彦くんが、妹の手紙のさくせいをてつだうことになりました。
2
「お母さん。あの大きい封筒と大きな紙ある?」
「A4サイズの?」
八洲彦くんが大きな封筒と、それがちょうどすっぽり入る、2枚の紙をお母さんからわたされました。
「奈歌はこの紙に絵を描んだ」
八洲彦くんは、いもうとに紙とクレヨンをわたします。
「このくまちゃんの絵を描くね!」
奈歌ちゃんはつくえに紙をひろげ、テディベアをすわらせて、そのすがたを描きます。
八洲彦くんは、封筒のおもてに、おじいちゃんとおばあちゃんのじゅうしょを書いていきます。
「えっ~と、郵便番号はこれで、Z県X市……」
そして、うらには、自分のじゅうしょ。
そうです。お手紙はちゃんと出す自分のじゅうしょとなまえを書かないとね!
3
奈歌ちゃんの絵がかんせいしました。
八洲彦くんは、奈歌ちゃんとはなしあって、お礼の手紙のないようを書きます。
「おじいちゃん、おばあちゃん。くまさんありがとう。すごくたいせつにするよ。この手紙はお兄ちゃんてつだってくれたよ。お兄ちゃんはラジオがほしいんだって。お兄ちゃんのたんじょうびプレゼントもおねがいね」
こうはんは、八洲彦くんのがんぼうになっていますが、さいごに「夢野やすひこ」と「なか」となまえを書きました。
この「なか」のなまえは奈歌ちゃんがじぶんで書いたんだよ!
「よし、この2枚をいれて、郵便局へ『冒険』だ!」
A4サイズはていけいがい封筒なので、郵便局にいって、しょくいんさんに出すのがかくじつです。
あすは八洲彦くんの小学校も、奈歌ちゃんの幼稚園も、おひるにおわるので、兄妹は、郵便局への冒険に行くことをきめました。
4
つぎのひのおひる。
おひるごはんをいえでたべおわった、八洲彦くんと奈歌ちゃんは、手紙のはいった封筒をおくるために、郵便局へしゅっぱつしました。
「2人ともきをつけてね。八洲彦、奈歌をたのんだからね」
お母さんはちょっとしんぱい。でもお父さんがけいさつかんの八洲彦くんは、せきにんかんがあり、たよりになるお兄ちゃんなのです。
兄妹のいえから、郵便局までは、あるいて5ふんほど。
ただし、これは八洲彦くんが1人で行くばあいです。
八洲彦くんが奈歌ちゃんの手をつなぎ、もうかたほうの手には、てさげかばんをもっています。このなかに封筒をいれています。
とちゅうには、くるまがよくとおるおおどおりをわたるので、兄妹はゆっくりとすすみます。
おおどおりのしんごうが青になると、奈歌ちゃんは、お兄ちゃんとつないだ手のはんたいをうえにあげて、八洲彦くんはちゃんとひだりとみぎのかくにんをして、ほどうをあるきます。
こうして、だいたい10ぷんちかくかかって、兄妹は郵便局につきました。
5
「この封筒をおねがいします」
八洲彦くんがかばんからふうとうをだし、郵便局の「郵便窓口」でおねがいをします。
「おてつだいなの? いいこたちだね」
しょくいんさんがいいますが、奈歌ちゃんが「わたしたちのお手紙だよ。おじいちゃんとおばあちゃんのいえにおくるの!」というと、しょくいんさんはますますほめます。
「じゃあ、おもさをはかりますね。そくたつでもなく、ようびのしていもしなくてだいじょうぶ?」
「はい、ふつーでおねがいします」
しょくいんさんはおもさをはかり、「120円です」といいます。
500円だまを奈歌ちゃんが、かたからぶらさげた、ちいさなポシェットからだします。
お母さんからわたされたもので、「おつりは、かえりにすきなものをかいなさい」といわれていました。
おつりの380円をもらって、しょくいんさんは封筒のおもてのひだりうえに、郵便ようのしるしをはって、「はい、これでだいじょうぶですよ」といいました。
「「ありがとうございます!!」」
八洲彦くんと奈歌ちゃんは、げんきにお礼をいって、郵便局をでます。
6
かえりは、とちゅうのコンビニでおかしをかいました。
まだすこしおかねがのこっているので、八洲彦くんはコンビニのレジにおいてある、ぼきんばこに、のこりのおかねをいれます。
「お母さんがしんぱいしてるから、もうかえるぞ」
手をつなぎ、八洲彦くんのかばんのなかにはおかし。
こうして兄妹のお手紙をだす冒険はおわりました。
「お手紙、いつごろつくのかなぁ?」
奈歌ちゃんのぎもんに、おかしをたべる八洲彦くんがこたえます。
「はやければ、あさってにはつくよ」
奈歌ちゃんはテディベアをだきながら、お手紙がちゃんととどきますように、とねがうのでした。
もしも冬の童話祭2023のテーマが「手紙」だったら
【題名】:お手紙をかいてみよう! おしまい
春夏秋冬の公式企画のテーマを入れ替えて作品を作ってみた(2022年版) 完結
■反省点
これって、「冒険に出かけよう」の箇所を強調したら、今年から来年の「冬の童話祭2025」に出せるのは、と思っています。
■まとめ
こっそりと各話を関連づけてみました。こういった縛りは今回だけで、次にやる時はしないと思います。
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